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「千‐長夜の契」岡田屋鉄蔵

千-長夜の契 (HANAMARU COMICS PREMIUM)千-長夜の契 (HANAMARU COMICS PREMIUM)
(2010/09/17)
岡田屋 鉄蔵

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願いを叶える代償に、その者の魂を喰う謎の座頭・千載。奇妙な縁で出会った剣豪・草薙とともに人々の命を賭けた願いと向きあっていく…。妖しく強く、BLの枠を超えた壮大な物語が始まる!!

なかなか書店で見つけることの出来なかった岡田屋さんの新刊。
「BLの枠を超えた壮大な物語」というフレーズには多少違和感を覚えるけれど(今作の素晴らしさがその言葉に見合わないという意味ではなく)、兎にも角にもとても良かった!岡田屋さんといえばゲイコミっぽい筋肉や体毛の描写に、扱うテーマも独特なものばかりで、その作家にしか描くことが出来ないであろう世界観を確立していらっしゃる方。激しい感情の揺れを誘うようなストーリーは本来私の得意とするところではないし、恋愛感情と同等にフィジカルな欲望が溢れるような肉感的な男達もそれほど好みではない。でも、面白いんだよね。すごく読ませる力がある。

千載と草薙を狂言回し的役割に据えた濃密な人間(外)ドラマだ。裏切りによって愛する者を守ること叶わず絶命した若侍、神々の悪戯で過酷な輪廻の輪に閉じ込められた二人の男、天狗の一族。主人公は夫々異なるが、皆一様に強い「願い」を持っている。千載は彼らの願いを聞き届け、代償に魂を喰らう。勧善懲悪の色が強いかと思いきや、千載を突き動かすものの正体は見えない。千載とは一体何者なのか。彼の過去に何があったのか。良きパートナー(未満?)である草薙はなぜ浪人になったのか。彼らの間にあるのは恋愛と名前が付くような明確な情ではないのだが、それでも身体をあわせて何某かの想いを共有することが出来る関係である。慰みに繋いだかもしれない身体でも、必要なときが人にはあるのだ。今巻では未だ明かされることのない数々の謎だが、次巻の発売を楽しみに待ちたい。

とにかく読めばわかるから!全力でオススメだから!ということです。
以下はちょっと思ったこと。

BLにストーリー性は必要か?と問われれば今現在の私ならば迷わず「当たり前」と答えるだろう。でもちょっと昔だったらどうだろう?正直に云うと「それよりもエロが欲しい」と思っている時期があったのだよね(今もたまにある)。どちらもBLには欠かすことの出来ない要素であることは間違いないし、その配分は作品次第で多種多様なのだけど、私はいい加減「BLなのに凄い」とか「BLというには勿体ない」みたいなフレーズを使ったり思ったりするのは止めようよと思うのだ。でもその反面「BLですから」という含羞のようなものも大事にしたいという気持ちもあって…複雑なのである。とにかく必要以上に「BLなのにストーリーが凄くて」と煽る言葉はちっとも褒め言葉じゃないってことをもっと意識したい。私が愛する物々はそんな惹句なんて必要がないぐらい素晴らしいに決まっているし、面白い漫画があればつまらない漫画があるように、面白いBL漫画があればつまらないBL漫画もあるということなのだから。
しかしここまで書いて思ったのだが、必要以上に物語性をアピールしないと編集方針が「ストーリー重視で」ということにならないのかもしれない。む~、それも当たり前か。需要と供給の問題ってとてもネックで、最近になって私は漸く「同人誌」の存在価値が商業とはまったく違うところにあることがわかってきた。作家が描きたいものが大多数にとって面白いものである保証はないし、第三者の視線(編集)を入れた方が良い場合も多いと思う。良い作品を読みたいと云う願いは誰しも同じだろうから、柔軟に、でも妥協せずに(ムチャ云ってますね)あって欲しい。

何を今更という感じだが、岡田屋さんの呟きを拝見しているとその辺りに苦労されている様子が伺えたので気になってしまったのでした。そして何気に全作ブログにアップしているのですね。うん、好きです。
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「千夜一夜―しとねのひめごと」岡田屋鉄蔵

senyaitiya.jpg

久しぶりに心を直撃されました。ぶわっと涙が噴き出たよ。
感覚がもうかなりアレなので、岡田屋さんの絵柄が苦手な人が多いのかどうかもよくわかりません。が、ゲイコミ!って感じの絵に性交シーンですけど、私は不思議とエロさはそんなに感じないのですよね。海外のゲイ向け写真集ってあるじゃないですか。海兵さんや、マッチョな人が微笑んでいる不思議なコンセプトの写真。ああいうのを見た時とちょっと似た感覚なんですよね。「ほぉ~」という。限りなくピンナップっぽい、芸術っぽい絵柄だと思います。
傷付いた男(葵)に愛を教える若い男(翔太)の話なのですが、その「愛」というのが彼自身の愛だけではないんですね。葵の過去の男がどれだけ彼を愛していたのかを全身全霊をかけて翔太は葵に教えるのです。それを「千夜一夜」の王とシェヘラザードに喩えているのですが、冒頭に入る挿話の絵柄が素晴らしい。シェヘラザードが男になっているんですよ。美しいです。
愛を教える言葉や方法は、てらいのない直球そのもの。葵の喪失したものの深さは簡単に癒されることはないけど、最後の二人の姿にはもう涙が止まりませんでした。
扇情的なんだけど愛に溢れていて、本当に素晴らしい話でした!絵柄が苦手でも読んで欲しいですね。そうそう、「鬼灯」があんなに大きいものだと私は知りませんでした。手のひらに収まる鬼灯しか見たことないので驚きました。


最近涙もろくて嫌になります。先日テレビでやっていた「時をかける少女」でも泣いた上に「サマーウォーズ」に至ってはCMだけで泣きそうになる始末。「時かけ」は想像以上に素晴らしかった。ラストがキスじゃなくて抱擁というのもすっごく素敵だった。ああいうアホで熱血な女の子が主人公の作品というのは、主人公と同じ高校生の頃に観ても感動出来なかったと思うな。両手に花!な設定含めて、大人になったからこそ素直に感動してしまったように思う。翌日は筒井康隆の原作本もよく売れたし、良かった良かった。
そういえば今日からコミケなんですよね。草間さんが「はつこいの死霊」の同人誌を出されるという情報を数日前に知り、欲しい!!と項垂れております。はい、仕事です・・・。


「タンゴの男」

tango.jpg
「メロメロvol1」を読んだときから気になっていた作品です。
ゲイコミも全然読めるのでちっとも問題なかったのですが、ゲイコミとBL両方描く漫画家の門戸を広げた(開拓した?)出版社は大変偉大だと思います。内田かおるの筋肉毛親父は私にはちょっと甘過ぎて(ハートマークが飛び過ぎて)苦手だったのですが、岡田屋さんの筋肉隆々の男たちは素敵でした。


タンゴの男と呼ばれながら、本当の情熱を知らぬままに踊り続けてきたダンサー・アンジー。 ラテン人の母を持ちながら、祖父に引き取られ、今は日本人として暮らすヒロ。 アンジーは出逢いのひと目から沸き立つような欲望をヒロに感じる。男にはまるで興味のないヒロだったが、懐かしい故郷を感じさせるアンジーの包容力に、戸惑いながらも、いつしか心と体を開いてゆく・・・。男が男を愛する時を情熱のタンゴに乗せて描いた、著者初めての作品集。

タンゴダンサーの公演をテレビで観たことがありますが、尋常ではない色気と熱に畏れ慄きました。ラテンの男でしかもタンゴを踊るとなると、それはもう本当に色々な激しい「情」を一身に受けている業のようなものを想像してしまいます。愛情、欲情、激情、熱情、人間が生きていく上で必要な様々な「情」のマックスボルテージを常に浴びているイメージ。そんな人でなければタンゴの神様は降りてこないのではないでしょうか。自らの肉体で芸術を表現する人って昔から無条件に尊敬します。それは絶対に私が持ち得ない才能だから。運動神経やリズム感云々の問題ではなく、やはりその表現方法を選択したことに「業」のようなものを感じるから。私は遠くから眩しく光る舞台を眺めるだけでよいのです。

私の勝手なゲイコミ印象ですが、やはり「実用性」に重きを置いていると思うのです。もちろんそれは素晴らしいことだけど、ゲイコミやゲイ小説で私が萌えるかというとやっぱり何か違うのですよ。男が発情するような男を描きつつ、心も付いてきている岡田屋さんの漫画の括りはBLなんだけど、こういう方が漫画を発表する場がある(しかもゲイ&BL)のって本当に素敵だなーと思いました。
ただ、肝心の「メロメロvol1」に掲載されていた話が今回のコミックに収録されていなかったのです!「タンゴの男」の第一話なのですが、二話以降と微妙にヒロの職業設定が違うので、長期連載するにあたって組みなおしたのかなー?その一話だけで素晴らしい「短編」として仕上がっていたのでよいのですが、コミックに入らずに日の目を見ないのが少し残念だなーと思いました。正直に言うとですね、コミックよりもその「短編」の方が私の好みだったのです。ヒロのズルさと才能に振り回されるアンジーが素敵だったので。コミックは二人の内面(特にヒロ)を掘り下げているのでそれはそれで面白かったからよいのですが。
今後も楽しみな作家さんです。

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yori

Author:yori
気がつけばいつもそばにBL.猫かぶってみても、結局たどりつくのはそこなのです。感想は基本的にすべてネタバレ注意です。拍手&コメントありがとうございます。拍手コメントは該当記事のコメ欄にてお返事いたします。リンクフリーですがご一報頂けると嬉しいです。

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