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「憂鬱な朝2」日高ショーコ

憂鬱な朝 2 (キャラコミックス)憂鬱な朝 2 (キャラコミックス)
(2010/06/25)
日高 ショーコ

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「生涯仕えると誓う代わりに、伯爵以上の陞爵を」―桂木からの条件に同意し、強引に抱いてしまった暁人。けれど、どんなに情事に溺れても、桂木の態度は冷たいまま。怜悧な美貌を崩さない家令に、若き子爵は激情と苛立ちを募らせる。そんな緊張を孕む主従は、ある晩、森山侯爵家の夜会に招待されて…!?

ちょっと今更ですが「憂鬱な朝2」が発売されたので短めに感想を。
私が唯一本誌を追いかけている連載漫画なので、その都度短い叫びを吐き出してはいたけど、まとめて読むともう息苦しさもひとしお。威力が違う。息苦しくて息苦しくて仕方がなかった。昨年のBL漫画ベスト1位にも選びましたが、今年も余程の事がない限り変わらないと思うわ!
1巻の感想はこちら→「憂鬱な朝1」

前巻で互いを縛る約束を交わした暁人と桂木。
暁人は桂木の身体(と心)を手に入れる為に。
桂木は亡き先代が成し得なかった“陞爵”を叶える為に。
二人の関係は、肉体的な交わりが日常になっただけで表面上は以前と変わりないように見える。だけど水面下ではまったく違う。暁人は目まぐるしい速さで成長をし、大人の男として二人の未来を手に入れる為の算段を立て始める。それは周囲の桂木含む大人達からすれば、とても拙い子供の浅知恵なのかもしれない。だけど、前巻では自分と桂木を取り巻く立場だとか家柄だとかに阻まれて身動すらまともに取れなかった幼い暁人が、自らの思考で行動を始めた。凛とした美しい立ち姿や、桂木にちょっかいを出す様子など、精神的にも少し余裕が生まれたようでとても素敵だ。若い坊ちゃんから若い主人へと、腹の据わった暁人の変化を伺い見る桂木の視線にもゾクゾクする。精神的な下剋上にあった二人の関係が、じわじわと本来有るべき主従関係のパワーバランスを取り戻そうとしている。そんなことは当の本人達にとってはどうでもいいことかもしれないが、傍観者として眺めていると非常に萌える。ホントに萌える。

私がこの漫画について語れることなんて描いてあることがすべてなのですよ。余計なことは何も云おうと思えないのだけど、とにかく人物達の視線の応酬が素晴らしいと思うのだ。目の表情ですべてを語ってしまう。日高さんは元々台詞よりも人物の表情で場面を動かす方だと思うのだけど、「憂鬱な朝」に関しては周囲の台詞や互いの“表面的な″台詞が多い分、目で語られている感情が余計に際立っていると思うのだ。落とされる視線の行方ひとつひとつまで舐めるように読んでしまう。その視線の先にある光景や、感情の背景までもが想像出来てしまう。全体を通してピンッと張り詰めた空気が伝わってくる。素晴らしい緊張感を保った漫画だ。

暁人の思惑を超えて、桂木の頑なな心は少しずつ動き始める。
先代と久世家の為だけに生きてきた男が人格や能力を認められる以前に“血”でもって否定をされる。その決定的な裏切り行為に対する復讐を、桂木は暁人を損ねることで果たそうとしていたのかもしれない。だけど暁人は「関係ない」と何度も何度も伝える。身体を繋げて必死に愛の言葉を吐き出す暁人の姿に、必死で耐えるように感情を押し殺そうとする桂木の美しいことといったらない。ああもう、なんて可哀相で美しい男なんだ!大好き!

久世家を巡るキーマンらしき雨宮の存在。桂木の兄が暴こうとしている出生の秘密。二人を取り囲む世界の息苦しさも変わらず、明るい未来への活路は見出せない。大体何をもって団円とするのかまったく見えてこないよね。暁人は結婚をするのか、桂木は久世家を出るのか、それとも時代の波に押されて何某かの大きな変化が訪れるのか。
とにかく今一番先が気になる漫画です。
秋にはドラマCDも発売されるとのこと。これは絶対に買い!!今から楽しみ♪

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「憂鬱な朝 1」

yuutuna.jpg
父の死後、十歳にして子爵家当主の座を継いだ久世暁人。教育係を務めるのは、怜悧な美貌の家令・桂木智之だ。けれど、社交界でも一目置かれる有能な桂木は暁人になぜか冷たい。もしや僕は、憎まれているのかー!?桂木に惹かれる暁人は、拒絶の理由が知りたくて・・・!?若き子爵と家令の恋を紡ぐ、クラシカルロマン。

面白い。
続きものなので今後どう転がるかわからないですが、大変な傑作になるのではないでしょうか。

この緊張感と重さは何事だろう。正直私は日高先生にここまで物語を作る、世界を構築する力があるとは思っていませんでした。ごめんなさい。日高作品は短編でも長編でもどこか「熱量の不足」のようなものを感じて、それが転じて作品の魅力でもあるのですが、長中短編いずれも私にとって「カチッ」とくる感じではなかったのですね。しかし『憂鬱な朝①』を読み、もしかしたら日高先生は巻数物向きの方なのかもしれない・・・と考えを新たにしました(大袈裟な)。
感情の機微を「言葉」ではなくて「絵(表情)」に託す作家さんだと思うのですよ。だから短編だと心の変化に割くコマが物量的に限られてしまって人物の変化が性急に感じてしまう。それは『嵐のあと』にも感じたことだったのです。一方通行の葛藤部分に比べて弱いかなと。しかし、この『憂鬱な朝』は一方通行も一方通行で・・・潔い程です。切ない恋情を募らせる暁人に対して、1巻通して桂木の想いは片鱗も見せない。感情の揺れ動きがあっても、それは決して「恋情」からくるものではない。いっそ「憎悪」からくるものだと云い切った方がしっくりくるぐらいだ。息が詰まる様なやり取り。押し潰されるような周囲からの重圧。桂木を突き動かすのは矜持などではなくて、抗うことのできない使命と、諦め切れない自分が生きていることへの意義なんだと思う。桂木の気持ちを「諦めた」暁人は取引(命令)と称して桂木を組み敷くのだけど、「どうでもいい」という表情をして暁人に抱かれた桂木が、翌晩には逆に暁人に「もういい」と思わせることをする。このすれ違いというか、噛み合わなさというか、なのに切迫した情がおそらくはお互いにあるのだと思わせる展開はすごいですよ。何度も読み返して二人の表情をまじまじと見つめてしまいましたもの。そして翌朝の空を見上げて桂木が呟く台詞が―「もっと優しく接すれば良かったのかな」。桂木のストイックな表情が暁人と対峙するときだけ崩れるのです。その美しさたるや本当に壮絶。
どうにもならないものが二人の間には横たわっていて、そのどうにもならないものが「家」であったり「身分」であったりするわけですよ。ああ、時代物って面白いですね。普段私は「感情」以外の縛りがある関係性の物語が苦手なので手を出さないのですが、時代物が読みたくなりました。
続きものに対して言うことではないけど、設定を活かした物語として「完璧」だと思います。一方通行ではなくなる日が果たしてくるのだろうか・・・それはいつ?(現実でもいつ?2巻は1年後って・・・)

厳密に何年設定かはわからないのですが、冒頭の西洋菓子店が「千疋屋」だとすると明治27年創業だから・・・うーん、時代物に明るくない私は文明開化から30年後の日本の様相がまったく想像出来ない。華族令や身分制度についても想像出来ないが、とてもしっかりした時代考察を踏まえているように感じました(根拠はないけど)。というのも、日高先生ってとても真面目な人だと思うのですよ。それこそ根拠がないですが(笑)そして何回云っても云い足りぬことですが、男達が美しすぎる。すべての表情が溜息が出るぐらい美しいです。礼服や詰襟の美しさもだし、兎にも角にも読めて良かった。
これは確実に掲載誌で追いかけてしまいます。ああ、楽しみだ。

「嵐のあと」(日高ショーコ)

仕事帰りに駅の改札を出たらいくつもの騒がしい集団が。
「あー、成人式ね」という視線を送る仕事帰りの大人たちに交じって、ついつい冷たい視線を送ってしまった私も年齢的には立派な大人です。それにしても「猿山」のようだった。
大人って何でしょうね?もうすぐ誕生日なので20代も後半なわけですが・・・全然大人じゃないよ?
脳内にはほぼホモの事しかないし・・・何より恐ろしいのは、結婚して家庭を持ったにも関わらずちっとも大人になった気がしないところだ(笑)一体いつ思い描いたような「大人」になるのだろう。
日高ショーコの『嵐のあと』は、大人の男だからこそ持つ臆病さやズルさがある、素敵なラブストーリーでした(ムリヤリ繋げてみました)。

arasinoato.jpg
輸入インテリア会社社長の榊は、男同士のドライな恋愛関係に満足していた。だから、取引先の担当者・岡田の事も好みだと思うだけで、本気になるはずはないと油断していたのかもしれない。しかし、記憶をなくすほど飲んだ翌日目を覚ましたそこは、岡田の自宅で・・・!?岡田の無自覚な言動が榊の心をかき乱す・・・!

『美しいこと』の挿絵を見て日高先生の描く男性に惚れました。
男の人の持つきちんとした骨格。手の大きさ。広い背中。
日高先生の描く男性ってなんて素敵なんでしょう。
柔らかい眼差しも、苛立ちを隠し切れない眉間の皺も、すごく色気があると思うのです。
漫画もすべて読んでいたのですが、『美しいこと』の挿絵を見るまでは「地味だけどいい話を描く人だな」ぐらいの感想でした。それまでは「企画物」の短編が多かったので、どうしても話がテンプレのように感じてしまったんですよね。しかし、この『嵐のあと』はとても良かった。
とにかく日高先生の「スーツ」でカチッとした男性に恥ずかしながら心を奪われてしまいました。改めて、私スーツ好きなんですね。もちろん話も面白かったです。「このBLがすごい2008」の4位に選ばれていましたが、納得です。『シグナル』では脇役(あて馬?)だった榊が主人公なので、『シグナル』から読むと、ドライな榊の遭遇した「嵐」が際立ってまた面白いと思います。

日高作品の男たちは泣かない。
声高に愛を叫んだりもしない。
かといってクールなわけでもなく、「恋をしていることへの照れ」のような引きがある。
リアルを求めているわけではないけど、恋する姿勢がとてもリアルに感じられました。いい年した大人の男の戸惑いや、本当に好きだから二の足を踏みまくってしまう切なさや、それでも相手に向かってしまうベクトルの強さ。大人になって分別が付くと、理性的といえば聞こえはいいけど、臆病と紙一重になっていくものなんだよね。榊が臆病な大人の男なら、岡田も大人のちょっとズルイ男というのがとても良かった。ちなみに私は最後の最後まで、どちらが受け攻めか予測できませんでした。岡田が受けだったのですが、このカップルはリバもありだと思います。
榊が全体的にヘタレていたのに対して岡田が大変魅力的でした。ゲイとノンケの壁を自分の衝動に正直に崩してしまうやり方が、なんというか大人なんですよ。駆け引きなのか天然なのかわからない言動も、ニコッと微笑む営業スマイルも、岡田は榊を意識しての確信犯だと思います。岡田の流し目は榊じゃなくてもグラッときますって!久々に「絵に恋する」という感覚を思い出しました。可愛いとかではなくて、本当にカッコイイ。

穏やかな恋愛というのも確かにあると思うんですよ。でも、恋愛というのは基本的に「嵐」のようなもので、出会ってしまった他人の間合いに飛び込んで、かき乱されて、へろへろになっても立ち向かうのを止められないような衝動と感情の激しさは、まさに「嵐」だと思います。相手の一挙一動に一喜一憂して、寝ても覚めても一人のことを考えてしまうような。
本気なった榊は、きっと『シグナル』の彼のようにみっともなくなっていくのでしょう。
人を好きになったあと、変化した自分を受け入れるのも恋愛の醍醐味だよなーと思いました。
シンプルで基本的な恋の話です。おススメです。

下は『美しいこと』の表紙。上下巻合わせてひとつの絵になります。美しい。
32014072.jpgutukusiikoto.jpg


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Author:yori
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