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「刺青の男」

shisei.jpg

幸せの雛形なんてどこの誰が作ったの?

阿仁谷ユイジの新刊です。
近隣の店になくて探し回ってしまいました(職場でBLは買わないことにしています)。

刺青絵が怖いくらい美しい。

刺青を持つ3人の男たちと、彼らに絡む謎の男久保田。
社会の裏側を生きる男たちに救いはあるのか・・・?

ヤクザ物が好きなので迷わず手に取りましたが、これは相応の覚悟をしてから読むべきでした。
不覚にも泣きそうになってしまいましたもの。
書き下ろしの「みんなの唄」の衝撃といったら・・・。

彼らは彼らの世界の掟で生きていて、必然的に外の人を傷つける。
因果は回り廻って自分の身に落ちる。他者に付けた傷は己が傷に。

久保田の愛と狂気に大袈裟じゃなく身震いしました。
彼の正体はすぐに判明するのですが、その意外性とエロ顔、漢っぷりに惚れぼれ。
誰よりも愛に誠実で、誰よりも狂っている久保田。
彼の存在が刺青を持つ男たちの美しさと愚かさを引き立てる。
なんてすごい存在を生み出したのだろう。
恋人でヘタレヤクザの潟木がネコ役というのも良かったです。

阿仁谷さんの男たちはみんな本当に可愛い!
涙浮かべて涎と鼻水だらけのぐっちゃぐっちゃの顔がこんなに可愛いなんて!素晴らしいわ。

「刺青」以外の話も面白かったです。生き霊って!


ヤクザ稼業の無常(無情)さ、刺青を背負って生きる男達の儚い美しさを堪能した一冊でした。




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「所轄刑事 麻生龍太郎」

すごい勢いで『月神』と『所轄』を読み終えました。

痛いです・・・
もういい加減、練に光を―と思うのですがまだ光は射しません。
冤罪事件も出てこなかったので、まだ続くのでしょう。
麻生の想いが痛くてたまらない。
「いっそ殺して自分も死ぬ」
愛するだけではその闇から救うことが出来なくて、でもひたすら愛し続けて・・・。

練にとっての救済が女の緑子によって行われようとするのは、仕方がないのかもしれない。
練は麻生に破壊されたがっているから。
それが一番の幸福だと二人が錯覚してしまいそうなほどに彼の闇は深くて暗い。

どうか最後には二人に光をー本気で祈ってしまいます。

あっ、麻生の出所が意外に早くて拍子抜けしました(笑)



*****

若かりし頃の麻生は、刑事というよりも本当に探偵のような青年でした。

及川の同棲の誘いを断ったり、合鍵の所持すら断ったり、そのくせ関係を持続させようとして・・・龍太郎はずるい男だよ(笑)
錬が『黒夜』で言っていたように、バイセクシャルとノンケの本気は性質が悪いですね・・・。

及川の言うように、何事にも冷めていた麻生が初めて執着したのが剣道で、その剣道が失われたときに横にいた及川に執着が転換したというのもひとつの正解だと思う。及川がゲイでなければ、二人は普通に固い友情で結ばれていたのだろうから。
そこに情があったのも真実なのよ。
だけど及川は情では納得しないんだよね。
「無理をしている」って伝えて及川は麻生を何度も解放しようとしたのではないかしら。でも、及川を失うことは麻生にとっても恐怖だった。また空っぽの自分に戻ってしまいそうで。

ああ、若い二人のこのドン詰り感がたまりません!!

事件そのものや短編の出来は正直単行本の値段としては割高だけど、二人の過去が読めて幸せでした。


「身だけは守れ。破滅しそうになったら、逃げてくれ」
ほら、いつだって及川は麻生のことをよくわかっているんだよ。
その言葉が届くことはなかったとしても。




「迷う男」

一時期道端で遭遇する鳶職の男性達が気になって仕方なかったのは、鹿乃しうこの影響です。
「超合金同士の合体」とあとがきで評しているように、とにかく筋肉質な肉体を描かせたら一番美しい作家さんなのではないでしょうか。
鹿乃さんにはちょっとした思い入れがあります。

私が初めて本屋で買った「耽美」が忘れもしない『懺悔』だったのですよ!
98年の発行だからもう10年前になるのですねー。今はない駅前の本屋で買ったなー。
あそこは良い本屋だった。「Wings」(新書館)が普通に3冊入荷していたし。

それにしても初心者にいきなり『懺悔』はきつかった(笑)なんといっても50代親父本ですから!
今だってそこまで年配の人には目覚めてないというのに・・・。表紙の少年に騙されたのですね。今は入手不可になっているようです。鹿乃さんのような人気作家の本も容赦なく絶版になるのが悲しい。

まだ恥じらいがあった頃なので、その後はもう少し軽めなものに逃げた気がします。

鹿乃さんといえば、今はホストとガテンなイメージですが、「迷う男」はインテリアコーディネーター×建築士でした。超ド天然変態男の失禁に萌えた一冊でした(そこ?)
鹿乃さんの話はギャグでもシリアスでも、微妙に自分の萌えポイントとズレている気がします。
面白いけど、嫁に行くときにお供にしたい感じではないというか・・・。
で、今回その理由がなんとなくわかりました。
エロがスポーツ的なんです。
明るく楽しく入れる!入れる!出す!みたいな。

背徳的なエロが好きな私には、汁多めのスジ筋野郎達のエロはいささか元気過ぎるようです。
でも気になるから手に取ってしまうのよね。

あっ、ひとつ大好きな本がありました。鳶職シリーズの『大人気。』はラブもエロもツボでしたー。
ツンもデレも強すぎる受けが最強に可愛かった記憶が・・・。

『懺悔』の頃はまだ「耽美」であり「JUNE」であり、「BL」というソフトな名前では表現出来ない本だったように思います。持っていれば読み返したのですがもう手元にない。
ああ、この類の本が容易く絶版になる現実を知っていたならば売らなかったのに。


引き続き徒然

ああ、これだから原作ってのは残酷だ・・・。

そうなんですよね、『聖なる黒夜』は『RIKOシリーズ』のスピンなんですよね。
超油断していました。まだ『聖母』を途中までしか読んでいないので何とも言えませんが、とりあえず私の脳内は麻生でいっぱいです。44歳なんだね(今更)。私の周りに40代の男性というのが少ないので、40代のナイスガイを上手く想像出来なくて歯痒いです。そうよね、あれだけ引きがあった冤罪事件も弁護士も田村も、無関係なわけがないじゃない。
麻生と及川の若かりし頃が読めると聞いて『所轄刑事 麻生竜太郎』もちゃっかり注文しています。

警察で頑張る女性刑事というのは、どーして似たり寄ったりのハードボイルド風味なのでしょう。
そのぐらいじゃないと男性社会の中ではやっていけないということか。
「事件」を「ヤマ」「聞き込み」を「コミ」と言ったり、今度友人が警察官に転職するので、本当に使うのか聞いてみよう。
ホモから離れたところから、柴田よしきのRIKOシリーズに対する現在の感想は、「女性がレイプされたり暴力振るわれたり薬中にされたり売春させられたり、という話が思いの外好きではない」の一言かもしれません・・・。普段は文芸読みなので、ミステリ脳になっていないせいもある。

BLのレイプは全然OKなのにね。まあ、あれはドリームですから(笑)
ただあまりにテンプレだなーと思うのは、レイプの免罪符のように、とりあえず手コキか口で一発受けをイかせるところ。「お前も感じているんだろう」的な。嫌いじゃない、嫌いじゃないよ!?
免罪符の必要はないってことが言いたいのさ。物理的刺激によって身体を支配することで屈辱感を与えるのが醍醐味だと思うので。ヒドイですね(笑)だからレイプの途中で受けがあんあん言い出す展開は嫌いです。最後まで涙を浮かべて嫌がってほしいですね!
BLを読み始めた頃は「監禁もの」が好物でした。雑食なのでこれは絶対無理というジャンルはないけど、昔も今も「明るい学園もの」だけは受け付けません。登場人物がいっぱい出てくる感じの。
監禁ものは・・・単純に「お世話が大変だよね」と思います。トイレやご飯やお風呂や・・・。どれか一つでも疎かにすると抱き心地は低下しそうだもの。糞尿プレイもありといえばありだけど、「好き」の感情が高じての監禁だと無理があるかなーと。

ああ、徒然が止まらなくなってしまう。
ここらへんにして『聖母』の続きを読むとします。

で、読みました。




うわー、麻生!!
ああ、そういうことですか・・・。
その決断をもってしても、彼が「堕ちる」ということではないと思う。緑子のいうような意味では。
汚泥の中、ともに生きてしか見えない道もあると思うけど、麻生は、たとえ闇の中にその身を置いても、練にとって光なのではないだろうか。
本当に打算抜きで麻生は練のためなら死ぬことも辞さないつもりでいたのね。

愛と贖罪と、あとはきっと自己満足と。

ヤバイな、麻生。好きだ。

『月神』の手紙に和みました。さてさて、どうなるのか―。

『女神』で及川は名前のみの登場でした。及川の心境を知りたいけど、それは及川にとって辛すぎる結果だよな。
話の感想は・・・ジェンダー神話や母性神話、あと緑子の執着する「女であること」、そういった語りがどうにも過剰で押し付けがましい感じがしてしまいました。女だとか、母だとか、そんなことに一喜一憂する緑子に共感出来ず。残念。


「聖なる黒夜」

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噂には聞いていましたけど面白さに絶句。

東日本連合会春日組大幹部の韮崎誠一が殺された。容疑をかけられたのは美しい男妾あがりの企業舎弟…それが十年ぶりに警視庁捜査一課・麻生龍太郎の前に現れた山内練の姿だった。あの気弱なインテリ青年はどこに消えたのか。殺人事件を追う麻生は、幾つもの過去に追いつめられ、暗い闇へと堕ちていく

骨太なミステリーなのですが、登場人物が・・・みんなホモ。
柴田よしきは初読みですが、正直驚きました。ここまで一般文芸で書いていいのか。
ごめんなさい、完全にBL視点です。それ以外では語れそうにありません。
いや、事件の根底には日本が抱える闇と、「冤罪」という司法が犯す大罪があるのですが・・・。

麻生!及川!おまえら可愛すぎるよー。なんなんだよ、この親父カップルは!!
上巻で灰皿を目にしたときから私は及川が好きでたまりません。麻生の残酷さというか、無意識のたらしっぷりに振り回される及川。マルボウらしい暴力性と、内に秘めた女性性。なんて素敵な脇役・・・。本当は麻生に抱かれたかったのに、体育会時代から染み着いたプライドに雁字搦めになっていた及川。彼の気持ちが登場人物中一番痛かった。だって、一番純粋に一途に愛を貫いているのは及川だもの。韮崎の強すぎる愛といい、練の言うようにこの二人は似ていたのかもしれません。

それにしても、性行為の描写が下手なBL顔負けの多さとバリエーション。もちろん下手に扇情的だったりはしていないのですが、それが最強に色っぽい。取調室の凌辱ですよ?(取調室といえば、麻生と練の抱擁も素敵ですね。ロマンチックですらある。おまけ短編の「歩道」を読むとまた妄想を掻き立てられます)

もちろん韮崎を殺した犯人探しが主軸なのですが、そこに麻生と練の愛と因縁が絡み合ってきます。二人の気持ちが通じ合っていく過程が!・・・というか元々想い合っているのでキスが、セックスが!
家で読んでいて本当によかったと思いました。外だったら「きゃー麻生!」なんて叫べないからね(笑)
一服盛った後の撮影シーンが一番萌えました。「気持ちよかったか」とシレッと言う麻生が好きだ。

ミステリ部分がしっかりしていなかったら、愛憎部分にしか目がいかなかったかもしれませんが、テーマもしっかりしていて最後まで目が離せません。上下巻1200ページという分厚さでしたが一気読みでした。
警察の正義とは、人の命は平等なのか、そして罪は償えるのか・・・。練のたどることになった過酷な人生に対して、麻生はこの先どう生きていくのか。ハッピーエンドとは決して言えない苦さのあるラストです。だって、練の本質は変わらないだろうから。それでも麻生は約束を守ろうともがき続けるんだよ。そして及川はそんな麻生を見つめ続ける。ああ及川・・・(練よりも及川が好きなので)

とにかく読めて良かったです。久々に没頭しました。


この話を読みながらずっとあるBL小説が浮かんでいました。
『さよならを言う気はない』(英田サキ)に主役2人の設定が似ています。
これも大好き。
攻めのケツを狙っているところも似ています(笑)

文庫には単行本に載っていない短編が掲載されていました。初恋って、同人っポイのりですね。 

本編ラストの麻生の言葉はプロポーズですよね。「一生かけて」って。
麻生は結局及川や怜子との関係を上手く築くことができなかった人で、彼の執着の無さや優しさが彼を愛する人を苦しめる。唯一執着のようなものを練に見せたことで、麻生の今後の人生が幸いなものになっていくといいなと思います。横にいるのが練なら尚いいけど。練、一棒一穴主義になっておくれ(笑)
麻生が興信所を起こすなら、その助手には田村なんていかがでしょう?情があって頭も良くて、脇役で終わらせるにはもったいない男だと思います。


他のシリーズにも麻生や練が出てくるそうなので、そちらも手を出してみようかな。

「あのひととここだけのおしゃべり」

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マンガ界の名手よしながふみ、待望の初対談集!!
〈やまだないと 福田里香 三浦しをん こだか和麻 羽海野チカ 志村貴子 萩尾望都〉
総勢7名の豪華著名人との対談集です。本当に呑み屋やファミレスでの「おしゃべり」のような雰囲気。
好きなものについて語るって、本当に幸せですよね。私もホモ仲間と会うと、本屋→居酒屋→お茶というお決まりのコースだもん。もちろん内容はホモOnly。お互い色々あるんだよ。でも、どーにもならないこともやっぱりあって、そんなときに「ホモがあって良かったね」と再確認するんだ。

それにしてもよしながふみの頭の良いこと!面白い対談集なのに、ものすっごい高度な知能のぶつかり合いのようでもあり、息を詰めて読んでしまいました。

圧巻は三浦しをんとの「フェミニズムはやっぱり関係なくないのよ」
お互いの言葉に触発されてどんどん話がノッてくるのが手に取るようにわかり、2つの才能がその出会いを心の底から楽しんでいるのが伝わってきて身悶えます。

なぜBLか。という問いへの答えは出尽くしていて、私はその答えのすべてが、誰かにとっての正解に該当するのだと思う。昔『コミュニケーション不全症候群』(中島梓)を読んだときに感じた共感も、『オタク女子研究 腐女子思想大系』(杉浦由美子)に感じた違和感もひっくるめて。
とても個人的な問題のようでもあり、でも「腐女子」という言い方やカテゴリーに分類されれば黙るしかないわけで。ちなみに私は「BL」も「腐女子」という言葉も好きではない。分かりやすいから使うけど、本気で語るときには「ホモが好き」と言う。

で、そう、フェミニズムの問題なんだよ。
女性であることの生きづらさ。これが私の根底にもあるんだよ。
こんなこと真剣に考えるのは学生以来なので、また考えは変わるかもしれないけど・・・。私は女であることが嫌なわけでは全然ない。ただ、女であることが損とか、男よりも大変だとかいう世間一般の認識と、そしてその認識通りの世界が嫌なんだ。
だからなぜBLかっていう話に戻ると、「対等な関係が見たいから」に尽きるのかもしれない。
もちろんBLにだって、庇護するものとされるものという立場や感情部分での「対等じゃなさ」はある。で、そういうものが好きな人ももちろんいると思うけど、それは私にはよくわからない部分だから置いておくさ。ただ、圧倒的に 男と男 の物語は私にとって対等なんだよ。と同時に〈受〉と女性を地繋がりに考える論を否定はできない。そういう関係を男と作りたくて、叶わない女が現実にいるわけだから。
そこに「生きづれーなー」というストレスをぶつけているのかなとね。
個人的な話私は男に厳しい傾向があるので、単純に「なんか男がヒーヒーいわされてる話」を読むのも好きです(笑)エロ万歳!


「風が強く吹いている」

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ここに書くと何でもかんでも腐読みになってしまいそうです(笑)
でも三浦しをん原作という点でこの話は仕方がないか・・・。

スポーツ中継の中でも箱根駅伝だけは好きです。極限まで引き絞った身体は魅力的というより痛々しく感じるのですが、日本人が唯一陸上競技で世界とタメ張れる長距離走の最終形は、スポーツと無縁の私の心を熱くします。そんな駅伝がテーマの直球青春小説&コミック。もともと原作が好きで、表では真っ当な書店員をしている私は、手製のPOPを付けて長いことアピールしました。
直木賞を受賞する前からエッセイで「BL好き」を公言していた三浦氏ですが、この話の原型になった妄想小説が『趣味じゃないんだ』に載ってます。おもいっきりBL風味で(笑)それはもう走×灰二でして、そこに異論は何もありません!選ばれた人だけが理解できる高みのようなものがあって、そこに至るために必要な努力や才能を持つことの凄さと孤独・・・。
絶対的な才能を持ちながら人との関わり方が下手で孤立していた走と、怪我のため高校陸上界のトップから退いた灰二。灰二の情熱が走と竹青荘に集まった(集められた)メンバーの心を動かすのです。そのくだりが笑えていいんだ!料理は体調管理の一貫て!
とにかく、謎めいて飄々とした美人さん(灰二)と手負いの子獣のような(走)二人に芽生えていく信頼の絆がたまりません。
私的にはニコちゃん先輩×ユキもよいと思います。親父キャラ、というか25歳なので普通に皆よりもオヤジな先輩と、クールなリアリストなのに実は熱いユキ。うーん、こちらも王道っぽい(笑)

素人10人で箱根駅伝を目指すという荒唐無稽な小説なのですが、「走る」ことへの熱い想いが伝わってきて感動させられます。コミックは予想以上に面白いので、もう少しゆっくり描いて欲しかったかな。今3巻まで出ているのですが、このペースだとあと2巻で終わってしまう。

三浦しをんといえば『まほろ駅前多田便利軒』が山田ユギでコミック化されています。原作の挿絵は下村富美だったのですが、ユギさんの絵と雰囲気が恐ろしいぐらい合っていてビックリします。その為に書き下ろされた原作のよう。元々三浦しをんが山田ユギの大ファンなので、好きなものは似るということなのかも。この作品で直木賞をとった頃はまだそんなに好きではなかったので、「ライトノベルじゃん」などと悪態をついていたのですが、それって羨ましかったからなのですよねー。だって、「BL好き」を公言していて日本の最も名高い賞をもらってしまうなんて!そんな自由で贅沢なことが許されるだけの才能がある三浦しをんがものすっごく羨ましかったのね。その後『私が語りだした彼は』を読んで、文芸作家という意味でしっかり敬意を払い好きになったわけですが。
今では新刊が出たら迷わず買う作家になりました。小説もいいけどエッセイがまた笑えるんだ。
BLに注ぐ情熱は共感すること必至ですし、日常のエピソードも面白い。
私もあんな弟に「ブタさん」呼ばわりされてみたいわ(笑)

「青の疑惑」

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水原とほるは正直苦手です。
一般人をムリヤリ手籠にするヤクザ(「夏蔭」)、高校生を借金の形に売り飛ばすヤクザ(「悲しみの涙はいらない」)などにあまり納得がいかなかったので。そんな話はBLの王道ですらあるわけですが、水原本ではその相手に気持はいかないだろうって思うのですよ・・・。
この『青の疑惑』はガチのSMで、しかも「痛くない」水原本という評判に惹かれて手に取りました。

が、えーと・・・SM温くないですか??

いやいや、プレイ的には決して温くない。拘束具もギャグも鞭も普通に使っているし、回想では吊るしや首絞め、流血までやっているのだから。それにも関わらずあまりエロを感じなかった。
というのも、本格的なSMの話をBLに限らず読むときに思うのは、Sの苦労についてなんですよ。
手変え品変え様々な技巧を尽くしてMに奉仕(?)するSの姿が逆にマゾっぽく感じるのです。

主人公の恭が真性のMだからそう感じたのだと思います。そのくせ何だかんだで精神的にかなり強いのですよ、この受が。あと、攻の二人がものすごく受を大事にしているのが伝わってくるから。SMプレイの真髄はもちろんそこ(相思相愛の二人がアブノーマルなプレイを性的嗜好によって行う)にあると思うのですが、私の好みではなかったようです(調教ものが好きなので)

この話の面白いところは、攻が二人いて、うち一人は当て馬役なのですが、当て馬と本命との絡みが半々どころか当て馬の方が多いのでは?という配分だったことでしょうか。ヤクザの陽介と刑事の九鬼、エロ親父の九鬼はキャラ的には好きですが、陽介も負けず劣らず素敵に描かれていました。
二人から気持ちをもらって、でも二人に寄り掛かるわけでもなく、それを自分の脆い精神の支えに転換してしまうあたり主人公の恭が一番最強です。


最後までタイトルの意味は謎でした・・・

「三村家の息子シリーズ」

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連載時から見守ってきた二人の恋愛がついに完結しました!
明治さんは特別好きな方なのですが、その魅力を上手に表現しているのが帯の雁須磨子先生のコメントです。
「明治さんのまんがは湿度の高い、こもった感じとカラリと渇いて、遠くの音がよく響くみたいな感じが混在していて、そこから落下するスピード感とか、素敵だなぁといつも思います」

そうなんですよ。好きになるきっかけだった『リアル1/2』『うつしみの手』を読んだときに、近親相姦のSMプレイという内容を、どうしてあんな風にまとめ上げることが出来るのか・・・驚いた記憶があります。纏う空気は暗いのに、明治さんの話はきちんと着地するのです。ハッピーエンドのようなものに。
そのうちこの2冊のことも書きたいです。

さてさて、

田舎の資産家、三村家の次男・弓と敏夫は幼なじみで親友同士。年頃になった敏夫は弓への恋心を秘かに抱いていた。ある日、家出中の弓の兄・角と偶然接触した敏夫は、彼に誘われるまま深い関係になってしまい・・・?友情と恋愛の狭間で揺れる思春期を描いた『三村家の息子シリーズ』

幼なじみ同士のゆっくりした恋愛なのですが、そこに弓の成長がきちんと描かれていてよかったです。息が詰まるような田舎町で神経を張っていた頃と、家のことや敏のことを自分なりに考えられるようになった弓の目は全然違うもの。
敏夫のモノローグで特に好きなのが、
「弓 どうしてお前は いつもいつも俺が先へ行こうとするたびに 目の前で転ぶんだ 俺はお前が気になって お前が追い付くまで待ってしまう―」
という部分なのですが、突き放そうとしても出来なくて抱きしめてしまう敏夫と、それを角の身代わりでもいいと伝えてしまう弓の残酷さが切ない。弓の鈍感さはときに本当に残酷で、角が弓を疎ましく思うのもわかります。

離れて大切なものが見えた弓と、気持ちを否定せずに待つと決めた敏夫。
それはもう、最終話ひとつ前は立ち読み後即購入しましたよ。
明治さんのエロシーンと性器の書き込みは規制ものだと思う(笑)好きですけどね!
3巻通して角のエロシーンのみだったので、とてもとても良かったです。ただ、萌えというよりは本当に単純に「良かったね~、特に敏夫!」という親心のような感じでした(笑)

それにしても、本誌「HertZ」で追いかけていた頃から疑問だったのですが、角の話はどこにいってしまったのでしょう?
私は何気に角が好きだったのですよ。レイプ事件を一人で背負う強さや歪み具合が。
『生まれ星』でチラッと出てきた友人との話も、あんな爽やかな感じではなかったですし。
明治さんは、角については未定のようなことを仰っていた気がしますが、同人誌でもよいので読みたいです。「三村家の息子シリーズ」という副題が付いていますが、弓&敏の話で一区切りと考えた方がよいですね。

ごあいさつ

本が好きだけど、BLはもっと好きなんだ!という開き直りから始められたブログです。
生温~い感じになるかと思いますが、どうぞ薄眼で見守ってくださいませ。

日常雑記に一般書、一般漫画の感想もごちゃまぜの私的な読書と萌えの記録です。

書いている私はyoriと申します。仕事も私生活も本にまみれて棲息しています。
カミングアウト済の家人が一人います。
BL趣味は特に隠しているわけではありませんが、大っぴらにもしていません。

一般文芸書からゆるやかに、でも確実に「腐」の方向へ進んで来ました。
二次はノータッチというと周囲の腐仲間からは奇異な目で見られます。
読むのはオリジナルの漫画と小説がメイン。たまに雑誌にも手を出します。昔はエロがっつりが好きだったのですが、最近はエロがなくても全然大丈夫になりました。といっても純愛とドエロを求める周期のようなものが存在するので一概にはいえませんが。
とにかく何でも読みます。懐は広いです。でも萌え基準は結構厳しい気がする今日この頃です。

拍手、コメント、リンク大歓迎です。
よろしくお願いいたします~。



プロフィール

yori

Author:yori
気がつけばいつもそばにBL.猫かぶってみても、結局たどりつくのはそこなのです。感想は基本的にすべてネタバレ注意です。拍手&コメントありがとうございます。拍手コメントは該当記事のコメ欄にてお返事いたします。リンクフリーですがご一報頂けると嬉しいです。

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