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「イルミナシオン」

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一読するとあまり好きじゃないような感じがするのに、あとからあとからボディーブローのように効いてきて、結局いつもとても好きになっている。

ヤマシタトモコはそんな作家です。変な言い方だけど、私はこの人の漫画が大好き。
漫画という表現手段に独自の感性と哲学をぶち込んで、それを押しつけがましくもなく淡々と表現する。すごい才能だと思う。

そして一番才能を感じるのは、とにもかくにもネーム!ネーム!言葉に圧倒される。
本読みなので(?)文学臭い作品に出会うとときめきます。

ヤマシタさんはおそらく私とそう年齢は変わらないはずなのだが、どうしたらこんな台詞を考えることができるのか・・・。

どの話も白い絵に比べて語りは過剰なのに、『イルミナシオン』の表紙のようにどこか静謐。
みんなよく考えよく悩み、生きることに戸惑いながらそれでも生きている。

ヤマシタトモコの漫画はリアルだ。
男が男を好きなこと。どうにもならない想いを抱えてそれでも近くにいなくてはいけないこと。受け入れられない一線があること。ときには飛び越えてしまう勢いだってあること。
そして何よりグレイゾーンが存在すること
友情と愛情の境で愛情を選ぶのがBLならば、『イルミナシオン』はBLではない。

公務員の幹田はホモでもないのに男に恋心を抱いている。女たらしの幼なじみ小矢に。恋心を隠して友達づきあいを続けることに限界を感じ始めた幹田は、居酒屋で出会ったゲイの州戸と一夜を共にする。一度きりの関係のはずが、再び州戸は幹田の前に現れ、幹田の日常は壊れてゆく・・・。

3人の男たちそれぞれの視点で描かれる「恋」の顛末。
みんなどこかしら重い部分を持ち合わせていて、その描き方が容赦ない。
開き直りの空虚さで洲戸を傷つける幹田。
誰からも嫌われない代わりに誰からも好かれないと思い込む洲戸。
選択肢がなければいいのに、と思う小矢。
ああ、なんて人生はままならないのだろう・・・。

表題の『イルミナシオン』のすごいところはね、それでもある種ハッピーエンドだって思わせるところなんんだよ。少なくとも私にはとっても腑に落ちる終わり方だった。人生なんて白黒付けて解決する問題の方が少なくて、こうやって彼らのようにグレイのまま生きていくことの方が多いのかもしれない。
それでも愛することを諦めたわけではないモノローグに感動しました。

ちなみにおまけ漫画が面白すぎます!バランスのいい人だなぁ。





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気がつけばいつもそばにBL.猫かぶってみても、結局たどりつくのはそこなのです。感想は基本的にすべてネタバレ注意です。拍手&コメントありがとうございます。拍手コメントは該当記事のコメ欄にてお返事いたします。リンクフリーですがご一報頂けると嬉しいです。

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