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My Best BL 2009(小説)

漫画に続いて小説です!こちらも新旧織り交ぜて失礼しまーす。
今年は漫画が減った分小説をよく読みました。今更ですが、BL小説って楽しいね!?
もともと一般書でも小説>漫画が基本の人間なので、この傾向は今後も続きそう。
しかし大海に飛び込んだばかりの初心者は溺れそうでバタバタしている真っ最中でございまして、結果を見ると「とりあえずメジャーを」というラインナップですが、これでもかなり悩みました。というか、ベストを選ぶとなると、どうしても記憶に残っている直近の本が多くなってしまう。かなりの冊数を読んだはずなのだけど・・・鳥頭なんだな。
来年こそは読書メーター付けようかなぁ。う~ん、無理だろうなぁ。

こちらもいきなり1位からです!

第1位
交渉人は振り返る (SHYノベルス)交渉人は振り返る (SHYノベルス)
(2009/05/28)
榎田 尤利

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久しぶりに本を読んで「こういう人になりたい」と思った。
師走に来てようやく、本当にようやく「交渉人シリーズ」を3巻まで読み終えることができ、とにかく今云えることはそれだけ。強くて弱い、弱くて強い「芽吹章」というヒーローに気付けば魅了されていました。兵頭のようにメロメロです。え~と、あまりに面白くてですね、「恋愛」を過分に描かずに、一人の男の生き様、人生哲学を浮かび上がらせたこの作品は、実は順位を付けて「今年のまとめ」的な整理を自分の中でできるまで咀嚼し切れていないといいますか(でも1位だ!)。とにかく、とても面白かったということです。こんな芽吹のような男が受けるのだから、BLって素晴らしいよなぁ。1巻で足踏みしていた自分に平手打ち!!「あまり好きではない・・・」的な感想を見た方聞いた方、全力で撤回させて頂きます!!スミマセン!!(土下座)
以前答えた「100質」の中に「BLを書いて欲しい作家は?」という質問がありましたが、逆に「一般文芸(非ラノベ)を書いて欲しいBL作家は?」という質問があったら、私は迷わず「榎田さん」と答えます。他には思い浮かばない。BL要素を排除しても残るエンターテイメント性とメッセージ性は、一般文芸に紛れても何らかの光を放つような気がします。以前は「木原さん」もそうだと思っていたのですが、BL(同性愛)要素のない木原作品を手に取る気持ちには、たぶんならないという理由から現在は却下されました。


以下、ランクは上から下です♪


はつ恋 (ビーボーイノベルズ)はつ恋 (ビーボーイノベルズ)
(2009/10)
榎田 尤利

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感想はこちら
読めば読む程好きになる作品。恋愛部分も何もかも共感して仕方がなかった。昔は理解出来なかった諸々を成長したから理解する。そして恋をする。ファンタジー設定の不自然さを感じさせずに泣かされそうになった、その力量に完敗です。榎田さんには「交渉人」と合わせて最高の賛辞を送りたいです。


いとし、いとしという心 (ビーボーイノベルズ)いとし、いとしという心 (ビーボーイノベルズ)
(2009/06)
かわい 有美子

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感想はこちら
喪服に幼馴染に執着愛!ということで、大変な萌えを与えてくれた作品。
一巻目ではまとまらないという展開も良かったし、何より攻めの千秋の一歩間違えなくても「危ない」キャラがとても魅力的でした。京の町の重苦しい雰囲気にも酔いました。大好き♪


こどもの瞳 (幻冬舎ルチル文庫)こどもの瞳 (幻冬舎ルチル文庫)
(2005/09/15)
木原 音瀬

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感想はこちら
なんだかんだでしっかり読んだ木原作品から旧作ですがこの1作を。
萌えでは「月に笑う」がダントツ、痛くて面白いという話のインパクトでは「COLD」の方が上、それでも「こどもの瞳」はとにかく好きなのです。自分でもどうしてそんなに?ってぐらい、好きなんだ。お兄ちゃん可愛いよう。
私が木原さんを読み続ける理由は、読後に考えることがいっぱいあって楽しいからに尽きます。
そういう意味で、「吸血鬼」は私的にはちょっと退屈なんですよね・・・。


恋愛犯―LOVE HOLIC (白泉社花丸文庫BLACK)恋愛犯―LOVE HOLIC (白泉社花丸文庫BLACK)
(2008/05/20)
凪良 ゆう

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今年の作品ではないのですが、既読の凪良作品中では一番好きなこちらを。
凪良さんには「ポスト榎田」の呼び名があるようですが、それも納得の上手さです。
「初恋姫」も面白かった!「夜明けには優しいキスを」は攻めの造形が衝撃的な一作で心に残りました。


ナルシストの憂鬱 (ビーボーイノベルズ)ナルシストの憂鬱 (ビーボーイノベルズ)
(2009/05)
西江 彩夏

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恋愛・教師―Color of Snow (ビーボーイノベルズ)恋愛・教師―Color of Snow (ビーボーイノベルズ)
(2009/10)
西江 彩夏

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感想はこちら
2作品とも、「誰も不幸とは思わない、でも本人にとっては確かに不幸である」という絶妙にちょっと不幸な人達を描いていて、大変面白く読みました。来年の活躍も楽しみ♪


唇にキス 舌の上に愛―愛と混乱のレストラン〈3〉 (二見シャレード文庫 た 2-13)唇にキス 舌の上に愛―愛と混乱のレストラン〈3〉 (二見シャレード文庫 た 2-13)
(2009/04/23)
高遠 琉加

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問題を抱えた受けの救済(他人による、ではなく自力での)を描いていて月並みな言葉ですが、感動しました。
ただ、個人的に理人の抱える傷があまりにも痛くて読み返せない・・・。
幸せになった、良かった!と確認してから手が伸びないのでこの位置でございます。
文章が好き。高遠さんの他の作品を読もうと思いながら年が越えてしまう~。


最悪 (幻冬舎ルチル文庫)最悪 (幻冬舎ルチル文庫)
(2009/02)
ひちわ ゆか

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感想はこちら
私にしては珍しくキャラ萌えした作品。
有堂という傲岸不遜な男前にクラクラしました。
実際近くに居たらホント迷惑だと思うし絶対に結婚したくないけど、男らしい男にはやっぱり弱いのですね~。


二十六年目の恋人 (B‐PRINCE文庫)二十六年目の恋人 (B‐PRINCE文庫)
(2009/05/11)
高尾 理一

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感想はこちら
大・爆・笑!!


<次点>
主治医の采配 (キャラ文庫)主治医の采配 (キャラ文庫)
(2009/07/23)
水無月さらら

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衝撃の「アフターアラブ小説
その目の付けどころに完敗(乾杯?)です。エロも満足、面白かった。


<番外編>
太陽を曳く馬〈上〉太陽を曳く馬〈上〉
(2009/07)
高村 薫

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今年の一般書(腐寄り)は、まさかの超早再会を果たしたこちらです。
合田、合田、合田・・・合田の名前を呟くだけでニヤニヤしてしまうよ(危ない)
感想というよりも萌えを叫んだだけだったのですが、有難いことに拙宅で一番多くの拍手を頂けたのもこの本でした。読了後に3部作を文庫・単行本と読み返して思ったことは、「照柿」の文庫版が一番面白くて一番好みだということ。野田があんなに美味しい人物であることに、初読み時は合田と義兄にばかり気を取られて気が付かなかった。
再会といえば「私立探偵・麻生龍太郎」も刊行されましたが、こちらは練ちゃんの出番が少なかった&及川の出番がなかった為、あまり印象に残っていません(笑)そしてやっぱり柴田さんの小説は女性の語りが苦手なのでした・・・。


<一般小説>
今年は例年になく図書館に頼りっぱなしだったから、まったく覚えていない・・・。
津村記久子にハマったのは今年の初めよね。「八番筋カウンシル」以降新刊が出ていないのが気になるなぁ。絲山さんは体調があまりよろしくないような噂を聞いたし、エンタメ系ではない作家を好きになると作家の浮き沈みがダイレクトに本の刊行に影響されるから不安になる。パッと思い浮かぶ心に残っている作品は以下。「ヘヴン」は色んなところで取り上げられているし、帯の煽り(コメント)もハンパない。でも本当に一読の価値がある小説。現実めいたぎりぎりの虚構が素晴らしい。こういった話を正面から描いて説教臭く、正論だらけになっていない部分にも魅力を感じる。「1Qなんちゃら」よりも余程多くの人が読むべき物語だと思うわ。「君は永遠にそいつらより若い」は、自分が今この年齢だからこそ、好きと云える小説なのかもしれない。主人公の言動に肩入れしてしまうような青さ(?)を失ったときにどう思うのか。今後毎年1回は読み返すことになりそうな小説。大好き。
来年は・・・ますます一般書読書が減りそうな予感(苦笑)

ヘヴンヘヴン
(2009/09/02)
川上 未映子

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君は永遠にそいつらより若い君は永遠にそいつらより若い
(2005/11)
津村 記久子

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<総括&課題>
あらら、エロ特化小説もそれなりに読んだのだけど(バーバラさん、秀さん、沙野さん、崎谷さんetc)、全体的に薄めのものが上がった気が。エロ小説ベストは何かな・・・再読だけど山藍先生の「アレキサンドライト」かな(笑)
BL小説に関しては、自分でもまだ何を読めば良いかを模索中の段階です。エンタメ系よりもセンシティブが好きだけど、あまりに綺麗な話は入り込めないし、かといってアングラ系に強い萌えは感じないし。わー、意外にワガママだな。この作家!このカップリング!という鉄板萌えを増やしていきたいです。
そして、来年はとりあえず有名長編シリーズをぼちぼち読んでいきたいなと思っています。
「許可証シリーズ」「F&B」「清澗寺家シリーズ」「谷崎作品」など、今更感漂うけども手を出したい!
漫画もですが、小説は特に他ブログ様の感想・レビューが大変参考になります。いつも一方的にお世話になってばかりですが、どうもありがとうございます。来年も良い小説に出会えますように♪

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My Best BL 2009(漫画)

アマゾンのリンク画像がツールバーから簡単に貼れることに、つい最近気が付きました!!(バカなんです)何か方法があるのだろうな~と思いながらもずっと「e-hon」の画像を使っていた私の苦労は一体・・・。
というわけで、画像がいっぱいで賑やかなランキング発表になりました。わ~い。
昨年はブログを始めたのが9月ということもあり、特にベストは決めなかったのですが(というか昨年は一般文芸に心を持って行かれすぎました)、今年はせっかく1年チマチマやってきたので選んでみました。
しかし、「今年出た」と縛ると実はコミックはあまり候補がなくてですね・・・腐歴12,3年とはいえBL読書に関してはいっそ「初心者」を名乗った方が清々しいのではという思いが強まる歳の暮れです。某所のランキングは今年も10作全部読んでいましたが(あっ、3位のシリーズは未読だわ)「えぇ~??」って感じでした。ま、感想書いた作品が5作もあったのですけど。


以下、いきなり1位からいきます。


第1位
憂鬱な朝 (1)(キャラコミックス)憂鬱な朝 (1)(キャラコミックス)
(2009/03/25)
日高 ショーコ

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感想はこちら
一読した時はさほど好きとは思わなかったのに、じわじわと桂木の冷たい眼差しにやられてしまいました。続きものの1巻目を選ぶなんて邪道かもしれませんが、「今年出た作品」と限定するとやっぱりこれが1番かな。主従物の愛憎劇をあくまでサラッとクールな絵柄で描いているからこそ、内側にある思いがけない熱を感じた時にドキッとします。もう、ホント男達が美しいっ!見ててポワンとなりますよ。続きが楽しみです♪日高さんの漫画は年末に出た「花は咲くか」といい、どんどん読み応えが出てきてる。唯一の挿絵買い作家でもありますし、来年の活躍にも期待です。

*某所のベスト10に入らなかったのが本当に意外!


1位は今年出た作品に決めたので、あとは自由に選んでしまいました。
新旧織り交ぜて失礼しまーす(ランクは一応上から下です)。



願い叶えたまえ  (1)願い叶えたまえ (1)
(2005/04/28)
西田 東

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感想はコチラ
受けるヤクザの美しさ!!
感想は語りつくしました。今年出た西田作品も「願叶」の感動には及ばなかったな~。


LOVE SONG (バンブー・コミックス 麗人セレクション)LOVE SONG (バンブー・コミックス 麗人セレクション)
(2007/01/06)
まんだ 林檎

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感想はこちら
えらい感動した(他に云い様はないのか)。
まんださんの他の漫画は結構えげつないヤオイだったり地雷設定だったりするのだけど、これは別格だわ。歌謡曲というモチーフの使い方も唸るぐらい上手で、こういう漫画がたくさん読みたいと思った。珍しく「眼鏡」に萌えたのも嬉しかったな。余談ですが私が「眼鏡」にまったく萌えを感じないのは(むしろ萎える)、私自身が長いこと眼鏡コンプレックスに悩まされたからだと思います。その不自由さが萌えなのかもしれないけど、視力悪いのは辛いことなのよ・・・。


百日の薔薇    アクアコミックス百日の薔薇 アクアコミックス
(2005/09/12)
稲荷家 房之介

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感想はこちら
出不精人間をイベント&ドラマCDにまで駆り立てた嵐のような作品。
嵐に相応しく今はちょっと落ち着いていますが、あの高揚感はなかなか得難いものでした。
肉球編もいいけど本編がちゃんと終わりますようにっ!


YES IT’S ME (MARBLE COMICS)YES IT’S ME (MARBLE COMICS)
(2009/09)
ヤマシタ トモコ

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感想はこちら
これにてヤマシタさんのBLはしばらく読めないのかな。散々「BL描かなくていい!」と云っておきながら、いざ現実になると寂しいなぁ。私が著者と同年代だからこそ思い入れが強い部分も大きいと思う。もうちょっと上だったら鼻白むし、下だったら理解出来ない気がするというか・・・。
共感や羨望ひっくるめて、やっぱりヤマシタさんが大好きです。


地獄めぐり 上 (バーズコミックス リンクスコレクション)地獄めぐり 上 (バーズコミックス リンクスコレクション)
(2009/07/24)
九重 シャム

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この人!という新人(初読み)作家さんをあまり発見出来なかった今年、一番注目した作家さんです。絵、そんなに上手ではないと思うのですが、肋骨が浮き出た受けにドギマギしました。ファンタジーらしい体格差に萌えたという。本誌では完結しているので下巻が楽しみです!表紙と扉の水彩風イラストがとても綺麗。


トラさんと狼さん (花音コミックス)トラさんと狼さん (花音コミックス)
(2009/05/30)
春野 アヒル

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これはブログ上で感想はおろか一言も「好き」と云っていない作品なのですが、大好きです。
ええ、獣耳に萌える人間ですよ。しかも受けがヤンチャな狼さんの方とくれば堪りませんっ。実は一度萌えを叫んだのですが、あまりのキモさに消してしまったのでした(笑)
生態系とか寿命とか気にしなくていいじゃない!二匹はずっと一緒だよ!!


ダブルミンツ(EDGE COMIX)ダブルミンツ(EDGE COMIX)
(2009/07/24)
中村 明日美子

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感想はこちら
某所の評価の高さに驚きました。
そりゃあ面白かったけど、大勢に受ける作品にはとても思えなかったよ。
昨年の「同級生」の威力が残っているのかしら。明日美子さんは両方描ける人!
年末ぎりぎりに「Jの総て」「ばら色の頬のころ」を読みましたが、元々アングラ系の人でもなかったのだと、自分の認識を修正しました。少年二人の親近と決別を描いた「ばら色」が一番のお気に入り。モーガンが好きだ~。


向日性のとびら (花音コミックス)向日性のとびら (花音コミックス)
(2009/02/28)
SHOOWA

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実はちゃんとは理解出来ていない部分があるのですが、無性に心惹かれるものがありました。
SHOOWAさんてすっごく「変な人」だと思います。それはもう、本当にそう思います。
合わないな~と思いながらも、今後も絶対に買い続ける作家さんです。


惑溺趣味 (バンブー・コミックス REIJIN Selection)惑溺趣味 (バンブー・コミックス REIJIN Selection)
(2009/06/27)
明治 カナ子

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感想はこちら
明治さんの短編に外れなし!
ただ、既刊本と比べてしまうとここかなと。
次の麗人コミックは「夜の女王」と「地獄行きバス」の2本立て?なんて贅沢な!!
年末に出た「坂の上の魔法使い」はジワジワと面白かったです。次巻の展開に期待♪


<次点>
極東追憶博物館 (バーズコミックス ルチルコレクション)極東追憶博物館 (バーズコミックス ルチルコレクション)
(2009/11/24)
遙々 アルク

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アルクさんのような方を擁するBL界の懐の深さに感謝。
ただ、一番好きな作品が「人魚の話」だったあたり、私がアルクさんに求めているものはBLというよりも、現実が舞台の不条理ファンタジーなんだと思う。「役に立たない人」もその系統かな。ともかく今後も作家買いは確実です。


<番外編>

俎上の鯉は二度跳ねる (フラワーコミックスアルファ)俎上の鯉は二度跳ねる (フラワーコミックスアルファ)
(2009/05/08)
水城 せとな

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感想はこちら
某所で1位の作品ですね。その結果は納得のいくところだけど、「BL」として発表されていない上に私の中であの2作はBLというよりも、「少女漫画媒体で同性愛を描いた作品」という認識なので番外としました。ケータイ連載をずっとリアルタイムで追いかけてきた人間なので、本を手に取ったときよりも0時前に携帯の前で正座する勢いで更新を待っていたとき(モバフラは5,20日の深夜0時に更新される)の気持ちが大きくて大きくて・・・。「梟」のラストはトイレで読んで号泣しましたからね。
恋愛には成就から先があって、未来永劫同じように続く幸福なんて存在しない。それでも隣に居る人間のことを愛しているのなら、その幸せが少しでも続くように努力をし合うべきなんだ。二人のしていることは極々当然のこと(痴話喧嘩含めて)だけど、学ぶこと考えることがなんと多かったか。はぁ、ともかく凄い作品でした。
水城漫画は「放課後保健室」が既読。「俎上」と一転台詞の少ない漫画だけど、同じように色々考えてしまう作品でした。「黒薔薇アリス」は1巻を読んで保留中。


<一般漫画>
娚の一生 1 (フラワーコミックスアルファ)娚の一生 1 (フラワーコミックスアルファ)
(2009/03/10)
西 炯子

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感想はこちら
ここにきて西炯子がメジャー(前から?)になりつつあることに、嬉しさと切なさを覚えた1年でした。個人的には「娚の一生」よりも「STAYシリーズ」の方が好きだったりするのですが、西さんの漫画はやっぱり肌に合うなぁと。あと一歩踏みこめない人と人の距離が切なくも愛おしいです。サイン会が開催されるなら新幹線に乗ってでもお会いしたいぐらい、好きです。大好きです。何の告白だ(笑)


<総括>
今年は昨年に比べてコミックの読書量が減ってしまったのですが(BL以外でも)、選んだ結果には満足しています!一部人気シリーズがまったくの手つかずだったりと若干心残りはありますが、自分が押さえるべき所は押さえた気がします(そーゆー決めつけが新たな萌えから遠ざかる要因だというのに・・・)。反面、昨年は作家買いをしていた方でも今年は何人か見切りを付けました。漫画の「萌え」って難しいなと感じます。私は「絵」「キャラ」で漫画を評価する方ではなく、「話」や「台詞」といった頭で考えて呑み込んで「面白い」と感じたものを評価することが多いのかも?そうなると、お話が面白い!!というBL漫画は読み慣れれば慣れる程少なくなってしまうのですよね~。それでも素敵な出会いは必ずあるので、来年はもっと積極的に開拓していきたいです!

「少年怪奇劇場 上」なるしまゆり

少年怪奇劇場 上巻 (あすかコミックスDX)少年怪奇劇場 上巻 (あすかコミックスDX)
(2009/12/26)
なるしま ゆり

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少年怪奇シリーズ新装版、描きおろしありで登場!世紀末を漂う少年たちの日常となまなましい非日常が交錯する。怪奇現象をまとめたなるしまゆり短編集が上下巻で再び登場!

2000年~05年にかけて刊行された、「隣の町で死んだひと」「終電時刻」「仔鹿狩り」から成る「少年怪奇シリーズ3部作」の新装版。あらら、3冊とも絶版だったのね。実家に置いてきたか手放してしまったか定かじゃないなぁ。完結したのはたった5年前のくせに、軽い懐かしさと共に読み返しました。
なるしまゆりの漫画と本人に対して、いい加減執着しすぎという自覚はあるのだけど・・・やっぱり思春期に一番好きだった作家というのは、そう簡単に諦められるものじゃないのよね(そのわりに「鉄壱智」は読んでいないのだけど)。完結していない長編と比べるのも何か違うような気がしますが、なるしまゆりは短編の方が上手だと思います。正直決して「漫画が上手い」とは思わないのだけど、伝えたいことや描きたいことがあって、それを直球にして届けているはずなのに、どこか斜め上当たりに投げられるというか・・・うーん、意味不明だな。至極真っ当な話で真っ当な倫理観を持っているのに、表現の仕方がちょっとズレている感じがすると云えばよいのかな。なるしまゆりの漫画って、何か変ですよね?私だけですか?面白い!と声を大にして騒ぐことはないのだけど、でもジワジワと心の奥まで届いてくるのです。

「隣の町で死んだひと」
タイトルが秀逸。シリーズ第一巻一作目にして、一番好きな話。
楽天家の少年と変人扱いの秀才君が、頻発する「通り魔事件」の謎を解明する話。実は唯一(たぶん)怪奇現象が絡まない話。隣の町で死んだひと―という言葉が表わすものは要するに「対岸の火事」。隣の町で人が死のうが、教室の横に座っている奴がイジメを受けていようが、芯から自分に関わりの無い事柄には、人は噂はすれど無関心なもの。それでも関わりが出来れば精一杯考えて考えて、それなりに答えを導き出すことだって出来るのだ。

「怪談六話」
恋愛と友情の狭間を迷う前に身体の関係を持ってしまった幼なじみ二人が、「友情」を取り戻す為に怪談体験をしに行くという話。男女の友情は成り難いものなのだよ、と昔も今もそんなツマランことを思ったけど、好きな話です。なるしま漫画の女の子は大抵苦手で、この話の「都古ちゃん」も例外ではないのだけど、名前がいいなと当時思ったら、そのような感想がとても多かったそうです。

「終電時刻」
表紙の少年はこの話の主人公。
運とその場のノリだけで生きてきた大学生が事故死した後、駅で浮幽霊となっている所を天才バイオリニストの少年と出会い友好を深める話。これが不覚にも泣きそうになった。幽霊と少年の友情の先に待ちうけるものなんて分りきっているのに、面白かった。「番外編」はバイオリニストが大人になった話で、あざといぐらいに直球だけどそれがまた良かった。

「番町サカナ屋敷」
ガキ大将と捻くれた秀才少年の友情話。ある事件から仲間内での株が暴落したガキ大将が、町内にあるオバケ屋敷に肝試しに行くことで面目躍如を図ろうとするが、その屋敷には秘密があって、という話。メインは屋敷よりも彼らの友情。ガキ大将と秀才少年の、一見すると大人にはわかりにくい友情の形を描いている。子供は大人数で居るときの顔と、特定の相手(親友?)と居るときの顔はかなり違うのだということ。大人になって会わなくなっても、少年時代の思い出は常に相手の顔が一番に思い浮かぶであろう男の子の友情が素敵だ。

う~ん、説明しようとすると直球になってしまうのよね。どの話も読むとどこか可笑しくて温かい気持ちになる。なるしまゆりの漫画にはとても大きな「人間讃歌」が根底にあるような気がする。
上の感想だとまったく伝わらないと思うけど、面白いのですよ。「何系」と括ることが出来ない独特のなるしま漫画を久しぶりに堪能しました。下巻が1月、新書館から短編集が2月に発売されるとのこと。3か月連続刊行とか、復刊とか、最近とても多いような気がします。懐かしい作品に再会出来るのは嬉しいことだけど、待っている作品もあるのよ~と一応呟いておく(笑)
しかし「大幅加筆修正」と云われても大元を持っていないのでまったくわからない!話の流れ自体は変わっていないと思うのだけどなぁ。なるしまゆりは雑誌とコミックで台詞を変えることが多いので、昔は読み比べをしたものです。

「まほろ駅前多田便利軒」山田ユギ

mahoroyugi.jpg
東京の南西の大きな街、まほろ市。まほろ駅前で便利屋を営む多田は、ある日仕事先の近くで、高校の同級生・行天と再会する。高校時代は言葉も交わしていなかった二人だが、行天は多田の事務所兼自宅に転がり込むことに。便利屋には、庭の掃除や子どもの送り迎えなど、「普通」の依頼が舞い込むが、二人が関わると一筋縄では行かない方向へ…?

待望のユギさん版「まほろ」!
「ピアニッシモ」が休刊になった時はコミックスで読めることはないのだと悲しんだだけに、無事に刊行&連載が決まってホッとしました。これが日の目を見ないなんてもったいないもの。
とにかくユギさんは上手!!原作付きコミカライズでこんなに感心したのは初めてかもしれない。原作の雰囲気とユギ漫画の雰囲気が合っているせいも勿論あるのだろうけど、文句なしに「まほろ」の世界を再現していて素晴らしいの一言です。多田的な登場人物はユギ漫画でもわりと見かける半面、行天のような謎だらけでエキセントリックなキャラクターは珍しいのではないでしょうか。そこもまた新鮮でした。多田の疲れた色気も、行天の得体の知れないダメ~な感じの色気もとても良い。特に行天の危うげな表情といったらめちゃくちゃ魅力的。

ユギさん版「まほろ」の方が原作よりも二人の関係と内面に焦点を絞っている印象を受けました。
私は原作の感想で「エンタメなのか違うのかはっきりしない」的なことを書いたのだけど、この漫画を読むと、そんな風に考えていたのがムダだったのだなというぐらい、エンタメではなかったのだなと改めて思いました。これは彼らの「孤独」についての話。そこに明確なカタルシスを求めるのがそもそも違うのよね。だって孤独は誰にでもある解決しようのない問題だと思うから。
三浦しをんが、よしながふみとの対談の時に使った「孤独と連帯」という言葉があまりにインパクトがあって、以来ずっと頭の片隅で響いているのですが、この二人の関係なんてまさにそうですよね。人はすべて孤独な生き物だと思うけど、「まほろ」はそれがより強くテーマとして表れている。寂しいことを云うようですが、大人になるに従ってどんどん孤独になっていくなぁと思うのですよ。学生時代は集団でいることが半強制だったし、皆がみんな同じように行動していた。その中でだって当然孤独や疎外感はあるのだけど(そして集団の中で感じるソレの方が100倍痛かったりするのだけど)、大人になってからの孤独は物理的なポツリ感があるなと思うのよね。それが苦痛でもないあたりが(たぶん多田も)、もう仕方がないとしか云い様のないものなのだけど。
でも、多田はときどき思うのだ。
1人でいる重さに耐えかね 耐えかねる自分を恥じているのだ と。
このモノローグとともに二人が向き合う場面がとてもいい。
ユギさんは重要なモノローグを正確に拾い上げて表現している。本当に上手。

行天は昔から物理的ポツリに自ら身を置いてきた男で、彼が何を考えているかなんて私にも多田同様にわからない。寂しいのだろうか、きっと寂しいのではないかな、と多田と同じ視点で納得をして眺めることしか出来ない。そんな行天はすごく魅力的で悲しい人だと思う。対する多田は、きっとじわじわと孤独になっていった人。多田が離婚した経緯はどこにでも転がっていそうな話だけど、その後に選んだ根なし草のような「便利屋」という職業が、彼が進んで孤独を選択したかのように思えて切ない(世の便利屋稼業の方、すみません)。多田と行天の繋がりといえば「指」だけど、熱を持たない行天の指に多田が感じた「―どういう気分だろう どれだけ熱源にかざしてもなお温度の低い部位を抱えて生きるとは」という言葉こそが、多田が内面に確かに持っている冷え冷えとした孤独を表しているのではないかなとふと思った。

「孤独と連帯」の名の元に男女が集ったら、それは呆気なく「恋愛」になるのだろうと思う。
反面、男と男が「孤独と連帯」の名の元に集うことなんて、実際はとても難しいことなのだろうと漠然と思う。最初から名前のある関係ならともかく、彼らは一緒にあっても、名前が付けられるような関係には収まらない。同級生、知人、友人、仕事仲間、どれもこれもしっくりこない。でも、それでも共にある関係が「まほろ」という幻のような土地には確かに存在するのではないかと思わされる。どうしようもない孤独を抱えて連なる二人があっても良いのではないかと思わされるのだ。
改めて云うことでもないけど、私は彼らの関係がとても好きだ。

1巻はまだ序章。続きが読めるのが楽しみ♪



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「月に笑う」木原音瀬

tukiniwarau1.jpgtukiniwarau2.jpg

路彦は、深夜の教室である事件を目撃してしまう。それ以来、事件のことを探りにチンピラ信二が学校周辺をうろつき始めた。ひ弱な優等生と小さな組のヤクザ―年齢も環境も大きく違う二人なのに、知り合ってみるとなぜか奇妙な友情関係が芽生え、路彦の未成熟な心と体に、信二の存在は唯一の安らぎとなっていくのだが…。二人の出会いから九年の歳月を描く超長編。 (上巻)
組を移った信二と、大学に進学した路彦。それぞれの新たな生活が東京で始まったが、二人の関係は穏やかに続いていた。組に疑似家族を求める信二は、組長の息子・惣一につくことになって以来、洗練された惣一に傾倒していく。しかし、組の仕事に路彦が偶然にも関わりつつあると知り…!?失ったものを取り戻すんじゃなく、お前が心底欲しかった― (下巻)



またまたしっかり発売日に読んでしまいました。
対になる表紙を見た時から予感と期待はしていましたが、これ程とは!!
まさかの木原さんでBL力(?)回復という事態に戸惑っております(笑)
とても面白かった!!


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「AMETORA-雨寅-」依田沙江美

AMETORA―雨寅― (ディアプラス・コミックス) (ディアプラスコミックス)AMETORA―雨寅― (ディアプラス・コミックス) (ディアプラスコミックス)
(2009/11/30)
依田 沙江美

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トラと雨音は大学院のゼミ仲間。
ダムオタクで変人のトラと彼の世話を甲斐甲斐しくやく雨音。
夏休みに二人で行くはずだった旅行が、ひょんなことから雨音の友人3人+トラという珍道中に。
その友人の中には雨音の元カレがいるは、ヘビーな失恋男がいるはで道中はちょっぴり不穏な気配。
しかも、いつも優しい雨音がなぜは女王様に変貌して―?
男5人の週末の行方は!?トラと雨音のトラブル・トラベル・ラブ!!(帯と裏表紙より。一部変更)


実は依田さん初読みでございます。
昔から描いてらっしゃるし、ずっと一定の高い評価を受けていることも知っていたのだけど、どうしても今まで手に取る気にならなかった。とにかく読む前から持っていたイメージとしては、「感情描写が上手い」&「遅作である」ということでした。「雨寅」を手に取ったのは、第一話目を本誌で読んでいて少し気になっていたからです。

で、読んだわけですが・・・一読しただけでは「えっ、えっ、ええっ!?」という驚きを禁じ得ませんでした。
正直、すご~く変な漫画だと思ったのです。伏線や、脇役達の立ち位置、主人公二人の恋模様、すべてが何か変。
軸になるのは、雨音の元カレが誰か?という軽いミステリー部分であるという捉え方で間違ってはいないと思うのだけど、その元カレの抱えている闇が半端なくてですね、しかもその「闇」部分をどうこうしようとする人は作中で誰も出てこない。元カレの扱いは、本当にただの「元カレ(ややストーカ気味でトラに嫌がらせとかをする)」であり、雨音の突然の豹変―というよりも普段のトラに対する世話焼きっぷりが「猫かぶり」だったわけだけど―は、その元カレからトラを守る為だったのですね。そう、この一応攻めであるトラという男の存在感のなさといったら、途中で困惑を覚えたぐらいでしたよ。終始一貫してトラは誰の問題にも気づくことはない。元々彼だけが部外者というパーティーだったけど、ストーリー上でも部外者になっている気がする。もちろん雨音とトラのラブストーリーもきちんとあるのだけど、二人がどんなにラブラブしてホワンとしていても、脇役の彼ら(元カレ&失恋男)の方が余程気になってしまったという変な読後感でした。

「これはきっと依田さんの作品の中でも異質に違いない」という結論に一旦落ち着いたのですが、それだけだとちょっと悔しいので何度か読み返してみました。そして改めて思ったのは、これは雨音とトラという二人を主役に据えたように見せかけた群像劇ではないかな~ということ。要するに、恋する二人にとって世界の中心は二人だけでも、周囲の人間だってそれなりに物事考えてそれぞれが生きているんだよーという至極当然の事実を示している。恋愛が成就するかの瀬戸際にいる彼らにはお互いのことしか見えていないかもしれないけど、隣には「彼女の浮気と失恋を切っ掛けに、会社を辞めてしまった友人A」「精神的な問題を抱えて心療内科にかかるレベルまで追い詰められている元カレB」が存在している。それぞれ1対1で対峙をすればかなり深刻な類いの話をすることになるだろう二人だ。でも、この話の主人公である二人は自分たちの恋愛に夢中でそれどころではない。

この感覚、私にも覚えがあるというか・・・2人で会う友人と、数人で会う友人達との会話の密度や深刻さの違いに通じるものがあると思うのよね。「この話はAにはしたけどBとCにはしていないよな~」とか「今Bがしている話の大筋はCから聞いて知っているのだけど、どう切り出すべきか・・・」とかね。集団だからこその軽さや繋がりの一見した薄さというのかな。話を共有している人数に反比例して内容の密度が薄くなる感覚というか。んん?違うかな。
とにかく、主人公の彼らの状況に、私は大学時代の人間関係を思い出してちょっと懐かしいような切ないような気持ちになりました。まぁ、そんなものは依田さんの伝えたいことではなかったと思うのだけどね。




「思い出を切りぬくとき」萩尾望都

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萩尾望都、漫画家生活40周年記念!20代の頃の貴重なエッセイ27本を収録。
[目次]
1 のちの想いに(しなやかに、したたかに;秋の夜長のミステリー;名前というもののあれこれ;人の往来;日本語は論理的なのか;清く正しく美しい場合;作家と編集の間には;思い出を切り抜くとき);2 風をおどるひと(モーリス・ベジャールの『近代能楽集』;ファウストの謎;バリシニコフについてのおしゃべり);3 初めてのものに(アニメーション・ベスト5;私をビックリさせた映画『第三の男』;海色のびいどろ玉と魔女のひとりごと;お砂糖抜きの紅茶は“本当の味”がするんです;ホットコーヒーの話;少女漫画の新しい波・波・波;ホッチキス片手に手作りのアンソロジー;パリの「流れ星ホテル」に泊まったとき;ヨーロッパ、ステーキめぐりでこけた話;ピカソ美術館;お酒の話;子ギツネの話;白ケムシの話;猫マクラ物語;仕事中断の苦しみについて;性善説と性悪説の話);私と他者


来たるデートに向けてちょっと予習をば♪と手に取りました。
萩尾先生が20代後半から30代の頃に書いたエッセイ集。先月の「ダ・ヴィンチ」に東村アキコ特集で記事を寄せていましたが(この組み合わせが意外!でも萩尾先生は東村漫画の大ファンらしい)、萩尾先生は「おっとり」というイメージが固まりつつあります。作品の深さに反比例して激しさを感じさせない方というか。おっとりフワフワしているようで、でも決して世間から浮いているわけではない。地に足が付いた視点も存在している。
ああ、この人から「トーマの心臓」や「残酷な神が支配する」が生まれたんだ―と、ストンと腑に落ちる感じです。

意外だったのは、先生が一人っ子でも第一子長女でもなくて4人兄弟(姉・妹・弟)の2番目だったこと。「イグアナの娘」を描く人は絶対に長女だろうと勝手に思い込んでいました。そして、「望都」が本名であることも初めて知りました!素晴らしいセンスですね。エッセイ内で家族のことはお姉さんについて少し語られます。解説でよしもとばななも云っているように、このお姉さんの話のときだけ萩尾先生の感情が高ぶっているのがわかります。並々ならない屈折した思いが見え隠れして、面白いです。その感情については後書で触れていますが「自分と他者の区別が付かない子供だった」という一節に頷くところがありました。娘が母親(姉)に反発したり苛立ってしまうのって結局「自分と母親(姉)は他人である」という事実が上手く呑み込めていないからだと思うのですよね。少なくとも私はそうだった。私が好きなものは母も好きであると無条件に思いこんでいたというか。萩尾先生はお姉さんとの「区別」を付けられるようになったのか、今は穏やかだそうです。そういえば、ちょっと前の「婦人公論」で母娘問題について対談していた号があったはず。図書館でチェックしようかしら。

名作が生まれる背景にある驚きの裏話も面白い。今も昔も漫画家と編集者の攻防があってこそ、私達の手元には面白い作品が届けられるのねと感心しきりでした。「トーマの心臓」が連載打ち切りの危機にあったというお話はCさんから聞いて知っていましたが、そもそも「トーマ」が週刊連載ってのが凄い。区切りを意識して読みなおしてみようと思います。そしてやっぱり転機は「ポーの一族」なのですね。一読してよく分らずに手離してしまったのよね・・・再購入しようかなぁ。ところで私と友人は中学生の頃に「半神」を読み「よくわからないね」と云い合った記憶があるのですが、昔の少女漫画を読み慣れている人々との感受性の差のようなものを感じずにはいられません。私が小学生の頃に読んでいた「りぼん」はほとんど「恋愛」がメインだったけど、もっと違うテーマの漫画に早くから触れておきたかったと思いますよ。まぁ、今更ですね。

学生時代のアルバイトの話や友人と旅行した海外の話など、軽やかにおっとりとすべてを受け入れている様子が伝わってきます。「ピカソ美術館」のくだりがいいですね。バレエや舞台もお好きのようだし、趣味を多く持ち良く遊び良く観るというのは、創作活動にも欠かせないことなのでしょうね。それにしても・・・やっぱりお金があるのだなぁ(当たり前か)と世知辛いことを考えてしまった庶民です(笑)

さて、そのバレエ鑑賞の回で「バリシニコフ」について語っています。残念ながら私は知らないのですが(っていうかバレエ観たことありません・・・)、すごくすごく好きなんですね。その彼のことを。10日間の日本公演のチケットを全部購入して仕事を休んで会いに行くほどに。バレエを知らない私でもその「バリシニコフ」がいかに素晴らしい才能を持っているかよ~く伝わってくる。そのエッセイの締めくくりが以下。

信じられない。奇跡のようだ。才能は遺伝か環境か。おそらく双方だ。地球上で最も美しい人間のかたちと動きの結晶。それを今、見ることができる。百年前に生まれても百年後に生まれても見ることができない、脳ミソがふっ飛んでしまうような芸術を、今、同時代に生きて見ることができる。この機会を、時間の神様に、心から心から、感謝することにしよう。

とても熱烈な愛の言葉だと思うのですが、これを読んだ瞬間思い出したことがありまして。
それは昨年「残酷な神が支配する」を読んだときのこと。あの作品を読んだ時に私は何も考えずに感想で「天才」という言葉を使ったのですよ。作家にたいして「天才」という言葉があんなにスッと自然に馴染んだことはなかった。そして、バレエと違って漫画は後世にも同じように語り継がれるものだけど、それでも「同時代に生きていること」に感謝をせずにはいられなかったのよね。

漫画よりも気軽に読めるシンプルなエッセイだと思います。気が向いたらどうぞ!

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気がつけばいつもそばにBL.猫かぶってみても、結局たどりつくのはそこなのです。感想は基本的にすべてネタバレ注意です。拍手&コメントありがとうございます。拍手コメントは該当記事のコメ欄にてお返事いたします。リンクフリーですがご一報頂けると嬉しいです。

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