「地獄めぐり」九重シャム

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役所に勤めて三年目の緒野瀧群は、退職する上司に代わって地獄での仕事を任される。冷静沈着な緒野は、動じることなく職務をこなすのだったが、大柄で強面な閻魔王に何度となく、優しく口説かれるうちに惑乱してしまう。その上、地獄へ通ううちに人の死期が感じ取れるようになった緒野は…!?(上巻)
役所に勤務し、週三日地獄へ出向している緒野瀧群は、地獄に通ううちに閻魔王と惹かれ合い、いつしか体の関係をもつようになる。しかし、閻魔が緒野の想い人であった恩師に、地獄行きの判決を下したことで、その関係に亀裂が走り―!?(下巻)


上巻を読んだ時から好きだ好きだと云い続けていた「地獄めぐり」ですが、何がそんなに好きなのかよくわからないのですが(おい)、とにかく好きなのですよ。えーと、攻め(閻魔)の割れた腹筋とか、受け(瀧群)の浮き出た肋骨とか、二人の体格差がですね、萌えのツボなのかなと。そして閻魔の巨体と強面と、それに似合わぬ優しさと、抱えた過去や寂しそうな瞳がツボなのだと思う。だってまさに私が好きな「苦労性の兄貴」って感じなんだもの(違う?)

あっ、どうしよう感想が終わってしまう。最短記録かも。
まとめて感想にしなかったのは私の愛でございます。
あと表紙の水彩カラーをどうしても大きく出したかったの!すごく綺麗!!

公務員が地獄に出向するというファンタジーなのですが突飛な感じがまったくしないのは、すごく淡々としているからだと思うのですよね。語り口も主人公の瀧群の冷静さも、とても私の好みでした。そして薄暗い画面でのエロがこれまた私の好みでした。う~ん、要するに全体を通して「萌え」なんだよね。

それにしても、浮気や不倫で地獄行きというのはアレですね。定員オーバーになりそうだわ。
上巻で描かれる恩師のエピソードが好きです。「悪いこと」は何なのか、自分の心に秘めて地獄に行った先生は潔い人だなと思いましたもの。「誘った」瀧群にも罪はある。なぜ瀧群だったのか?ということを考えると、すべては「運命のお導き」という結論に至ってしまうのですが、普段自分が決して得意とはしない類の話を楽しく読ませてくれた九重さんに感謝です♪

下巻以降二人が辿る顛末は予想通りとはいえ、少々練り不足な点が目につくのも事実。
でも、デビューコミックで上下巻に及ぶ連載作品でこのクオリティなのだから今後も大いに期待しています!
九重さん、頑張ってください!


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「最果ての空」英田サキ

最果ての空 (shyノベルズ)最果ての空 (shyノベルズ)
(2009/12/09)
英田 サキ

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警視庁公安部外事第一課第四係の刑事であり、ウラに属する江波郁彦は、ある日、秘匿追尾していた男に尾行を見破られるという失敗をおかしてしまう。そしてその日、上司に呼び出された江波は、そこで警視正、篠塚英之からある事件の班員に指名される。篠塚は若くして公安部部長に次ぐ地位にあり、一見穏和だが常に冷静で、なにを考えているのかわからない男だ。江波はある事実から篠塚に反抗にも似た感情を持っており…!?事件にはできない事件を追う、男たちの静かな闘いの物語。

珍しく長いこと積んでいた本をようやく読了しました。
昨年末に刊行されて話題になったこともあり、彼の選択やその他諸々の流れについては、ほぼ知っていました。知っていながら放置を続けたのは、私には恐らくこの作品を楽しんで(納得して)読むことが難しいのではないかなと思っていたからです。周知の通りこの作品は「エスシリーズ全4巻」「デコイ全2巻」のスピンオフという位置づけにあり、それらの作品を通して「篠塚英之」という男が歩むことになったお世辞にも幸いとは云えない人生を知っていなければ、あまり意味がない作品です。篠塚への思い入れ自体もそこまで強くなく(幸せにはなって欲しかったけど)、また「エス」はともかく「デコイ」がどーしても、どーしても、小説として好きになれなかった(正直に云うと作品中で起きている出来事にまったく興味を持てなかった=つまらなかった、のです…)私には、刊行前から篠塚さん←(余談ですが彼には何でか「さん付け」をしたくなります)が受けても攻めても、きっと深い感慨を抱かずに読了してしまう予感がしていたのですよね。あともう一つ正直に云うと、私は英田さんとの相性がどうもよろしくないようで、その「合わない」感じは、英田さんの根本にある考え方や物事の捉え方がきっと私のソレとは違うのだろうという感じの合わなさだったのですね。アングラ系の話だから考え方が偏っていると云うわけではなく。それでも新刊が出れば気になるし、こうして手に取りもするわけですが、そう、単純に期待をしていなかったのですよ。
でも、刊行後に方々で見聞きした感想はとても素晴らしいものばかりで、これは是非とも「デコイ」を再読してから読まなければと心に決めていたのです。で、再読出来たかと云うとモゴモゴ……なわけですが(笑)もういいよ!読むよ!篠塚さんごめん!と思いつつ手に取ったのが数日前でした。

ふー、長い前置きで申し訳ないです。
結論から云えば、私は英田さんを見くびっていたとしか云い様がなく、えーと、土下座まではいかなくても頭を下げたい気持ちでいっぱいです。「デコイ」、そのうち再読します。

確かにこれは前6冊がなければ(BL小説界では)成立しない物語でした。
強固な意志をもって孤独を選択する男を描き、それ以上でも以下でもない話だからです。
「篠塚英之」という男ならばきっとそうするだろうという読者の期待や予測を作家が過不足なく表現して、「恋愛」を描くことが前提(お約束)とされているBL小説で、恋愛を選択しない男を描き読者を納得させてしまった。もちろん恋愛は人生の総てではないし、世の恋愛至上主義に決して沿う事が出来ない自分の姿もよく知っている。でもだからこそ、その事実を敢えてBL小説のスピンで描いた事、そうして与えられた作品が文句なしの傑作だったという事実は、読者として本当に得難い喜びだと思います。

頑ななわけではない、閉じているわけでもない、只、彼は知っているのだ。
もしくは、知っているという意志に縛られているのだと思う。
一時の慰めに他者を選んだとしても、結局人は「孤独」であるということを。
妻子を亡くし、義弟を庇護下から失い、部下を失い、これでもかと奪われ続ける人生を経てもなお、彼は他者を選びはしなかった。孤独に生きることは確かに寂しい。それはもう疑いようもなく寂しいことだと、彼は知っている。でも、その孤独を埋める為に求めてはいない他者と添う事は、口で言う程容易ではないのだ。当たり前のことだ。

だから私は篠塚さんが江波を選ばなかったことにとても納得をしている。
これ以上失うものはないだろうと思われた彼の人生から今作でも一人、大事な人が去ってしまった。だけど去るばかりではなく、江波、新しい生命との出会いが彼の身に起きた。彼の人生はそうして続くのだろう。願わくば、頂きを目指す彼の横に、いつか彼自身が求める人間が添うときがくればいい。だけどこなくてもいい。人がどう思おうと、篠塚さんが自分の納得する人生を歩んでさえいてくれれば、それでいい。

今更ながらの感想だったので、作中で起こる事件はおろか江波のことすらすっ飛ばしてしまいましたが最後にひとつだけ。お別れのキスに大人のキスをしてあげた篠塚さんには惚れました(笑)。江波という未熟な若者を相手に置いたのも上手だなと思いましたね。これが神津や浅川のような人物が相手だったら、彼の心にもう少し波が立ったような気もしますね。だけどそうはならないのが人生というもので、若い江波はこの先もドカドカ踏みこんでは蹴散らされて強くなればいいと思います。
「義兄」といえば私には某義兄殿のイメージが強すぎるのですが、名前に縛られているにしても、二人の姿は重なりました。前にも書いたのですが、羽海野さんが同人誌に某義兄を指して書いた「意志のオバケ」という言葉が大好きで、篠塚さんにも当てはまる言葉だと思います。不自由そうな姿が哀しくも美しい。ラストで引用される和歌といい、結びの情景といい、どこまでも美しく静謐な作品でした。だけどその中に生きている男たちの抱える様々な種類の熱は十分に伝わってきました。

素晴らしい作品でした。


「高潔であるということ」砂原糖子

高潔であるということ (幻冬舎ルチル文庫)高潔であるということ (幻冬舎ルチル文庫)
(2010/02/16)
砂原 糖子

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真岸悟は、ある事件を起こした志田智明への復讐を弟に約束していた。約束の日である五年後、復讐を促すメールが真岸に届く。志田の税理士事務所で働き始めた真岸は、最初は冷たい男だと思っていた志田が不器用なだけの優しい人間だと気づき、惹かれ始める。そんな真岸のもとには、復讐を忘れるなと念を押すようメールが届き…。

お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、私は挿絵よりも「タイトル」にグッとくる人間です。
刊行情報を見た時から珍しく「これは!」と思い楽しみにしていました。「高潔」という単語を題に冠した書籍は「e-hon」によるとナント4点しか刊行していないのですよ。もっと多そうな気がしていたので驚きました。ま、うち2点がBL、1点がハーレクインなのですが(笑)「高潔であるということ」と題に持ってくるのならば、著者は当然その問いかけに対する答えを作品で提示しなければいけないわけで、砂原さんがそれを一体どうやって表現するのか、「高潔」という単語の圧倒的な力に果たして負けてしまわないのか、などと勝手に一人でハードルをあげて盛り上がっていました。しかしこれは表紙買いもあり得たかもしれません。何、この不穏な迫力。九號さん良い仕事しています。

以下、ネタバレ注意なのでたたみます。

***

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「トーマの心臓」萩尾望都

トーマの心臓 (小学館文庫)トーマの心臓 (小学館文庫)
(1995/08)
萩尾 望都

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冬の終わりのその朝、1人の少年が死んだ。トーマ・ヴェルナー。そして、ユーリに残された1通の手紙。「これが僕の愛、これが僕の心臓の音」。信仰の暗い淵でもがくユーリ、父とユーリへの想いを秘めるオスカー、トーマに生き写しの転入生エーリク……。透明な季節を過ごすギムナジウムの少年たちに投げかけられた愛と試練の恩寵。今もなお光彩を放ち続ける萩尾望都初期の大傑作。

なぜ今畏れ多くも「トーマの心臓」なのか。
多くの漫画を読み散らかしてきましたが、私にとってこの漫画ほど「考えるために存在する漫画」はなく、一度きちんと向き合い、上手く云えなくてもその想いを文字形にしてみたいと思ったからなのです(まぁ、いつものことながらの自己満足文なのですが)。
少女漫画界に燦然と輝く名作で傑作。紛れもない永遠の神様。
若輩者が語ること故色々な落ち度はあると思いますが、広い心持で読んで頂けるとありがたいです。

私と「トーマの心臓」の出会いは中学生でした。
しかし当時は新聞書評を切っ掛けに読んだ「風と木の詩」に大っ変な衝撃を受けたショック状態の後に「トーマ」に手を出した為、この漫画に描かれている内容の半分も理解は出来なかったように思います。「トーマ」と「風木」は同じ「同性愛(少年愛)」を題材に据えていながら、ほぼ180度テーマと表現方法が異なっていて、「風木」が性愛をセンセーショナルに描いたのに対して、「トーマ」はひたすらに精神愛を描きます。「特定個人への愛=エロス」と「全体への愛=アガペー」の対比で語られることが多いのはそのためですね。思春期の少女の心にどちらがより強く刻まれたかといえば…答えは明白ですよね(笑)

ところで私は80年代生まれの俗に云うアラサーですが、男と男が身体を繋げる漫画とのファーストコンタクトは「風木」でした。BLも同人誌も普通に存在していた時代に何でそんなことになったのかというと、今と違いネットもそこまで普及をしていない当時、田舎の女子中学生の情報源といえばテレビ、新聞、雑誌、ラジオ、そして友人知人であったわけですが、偶然なのかアンテナが発達していなかったのか、私の友人知人には誰一人として「腐的要素(オタク要素)」を持った子がいなかったのですね。「独り」であるということは、思春期真っ盛り自意識過剰の中学生だった私にとっては行動を大変に制限されるということだったのです。誰も見ていなくても、本屋で男と男が顔を寄せ合う漫画を手に取れないし、そういうものに興味があると誰かに云う事も出来ない。好きなものがすぐ近くにある予感がするのに、それが何なのかわからない。そんな悶々としていた時代に図書館だけは自由に行動できる数少ない場所だったわけです。「風木」を図書館で借りた日の興奮とその後の衝撃は今でも覚えています。それを一言で表現すれば、「こういう漫画が存在することに対する感謝」でしょうか。厳密に云えば私は「風木」「トーマ」をBLと同じように考えたことはないのですが、それでも「風木」を読んだから「他の作品も」という気持ちが生まれて今に至っているのは事実です。
「風木」が新聞書評というハッキリした記憶があるのに対して「トーマ」の存在をいつどこで知ったかの記憶が定かではないのですが、おそらく…96年に初舞台化された「スタジオライフ」の記事を新聞で目にしたのが切っ掛けだったと思います…。←嘘みたいだけど本気でこの頃の私の文化情報は新聞の夕刊&日曜版が頼りだったの!狭い!

長い前置きになりました。
以来3年に1度ぐらいのサイクルで読み返しているのですが、未だに私はこの名作を「理解した」という気持ちになるに至っていません。中学生の頃は「わからなーい」と半ば投げ出し(だからこの漫画が「少女コミック」に連載されていたというのが信じられない!昔の少女漫画とそれをリアルタイムで享受出来た少女達の感受性の豊かさには、ずっと驚いている)、高校時代には「無償の愛ってすごいな」と額面通りに受け取り、大学時代には「トーマの行為は残された人々にとって大変な暴力では」と思い、今現在もその両方の気持ちを持ちながら作品世界全体を眺めているような心持でいます。トーマが何故死を選んだのか、答えと理解は読む人各々の中にあり結論付けられるようなものではありませんし、日本という国で生まれ育った私には、この話の核であるユリスモールの苦悩を芯から理解することは出来ないのだとも思います(その条件は大多数の読者にとっても同じこと)。それでも読むたびに比類ない感動と、思索をする機会を与えてくれるこの作品は、やはり唯一無二の存在なのだと思います。

以下たたみます。ネタバレしますのでご注意を。
読んだことある人にはイマサラ、ない人にはチンプンカンプンなとっても不親切な雑文となっております。

***

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漫画まとめて感想

少年怪奇劇場 下巻 (あすかコミックスDX)少年怪奇劇場 下巻 (あすかコミックスDX)
(2010/01/26)
なるしま ゆり

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感じる余韻や主張に対する斜め上感は上巻の感想で書いたので省きますが、改めて思ったのは、なるしまさんは「変態攻め」の人なのだわということ。変態といっても「性倒錯系」のアレではなくて、「頭良すぎてなんか変=変態」的なソレです。そういう意味では長いこと私の中で決着を付けていなかった(付ける必要もまったくないのだけど)「少年魔法士」の受け攻め問題は、勇吹くんが攻めということになるのかな。そもそもカルノは今や人でもないのだけど、それを置いても勇吹の変人っぷりを描いているなるしまさんは楽しそうだった。表紙と描き下ろしは完全な新作!それだけでも買った意義はありました。今月出る新刊は雑誌をパラ読みした限りかなり変な話だった。心してかかろう。
まったく今作とは関係ないのですが、先日崇拝する者とされる者の関係についてグルグル考えていた時にパッと思い浮かんだのがなるしまさんのこちらの台詞でした。
「私はこの都市では彼という国の全権大使。あの天才を生かす為世間と戦い、または馴れ合う弁舌と形式の盾と剣 。彼が望むならば全ての鎖から彼を私の武器で守りましょうとも 」(by「原獣文書④」)
これは主人公の秘書を務めるキム女史が、組織を捨てて旅立とうとする博士を見送る際に、博士の護衛兼恋人(男嫁?)に云ったものです。なるしまさんのモノローグには確かに斜め上感があって、それが心地良くもあり、たまに悪くもあるのですが、こういた破壊力のある台詞をバーンッと紡いでしまう作家さんでもあるのです。こんな台詞云われるのは無理だけど、一生に一度は云ってみたいものです。どんな状況だ。

きみにあげる。 (ミリオンコミックス CRAFT SERIES 34) (ミリオンコミックス  CRAFT SERIES 34)きみにあげる。 (ミリオンコミックス CRAFT SERIES 34) (ミリオンコミックス CRAFT SERIES 34)
(2010/01/30)
槙 えびし

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そうか、槇さんはこういう漫画を描く人なのか。
白と黒のコントラストと、現実が舞台なのにちょっとファンタジックな設定と。雰囲気としては一迅社系の漫画に近いかな?後半の重要人物の描き方と決着が甘いのが心残り~。受けと攻めの葛藤が「現実と虚構」という感じで噛み合っていないのが原因かな。でも、世間から弾かれた二人が「世界の果ての(ような)お茶屋さん」で出会うという設定にはグッとくるものがありました。この絵柄なら無国籍アジアン風味のハードボイルドチックなニアBL話でも似合いそうだ(すみません、元の話が跡形もないですね)。次の本も出るなら買います。たーだー、後書はちょっと反則というか、気分の良いものではないですな。どんな経緯があったとしても(そしてこの版元は良作が多いけど、新書館系の匂いがするというか、編集者のアバウト感が拭えないのも事実なのだけど)、そこはグッと呑みこんで次に活かして欲しい。

猫の恋 (MARBLE COMICS)猫の恋 (MARBLE COMICS)
(2009/10)
嶋二

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あれ、嶋二さんてこんなに上手な方だった?「青春プレイバック」は手離してしまったので確かめようがないのだけど、すごく面白くなっている気がする。表題作もいいけど後半の「甥×叔父」の話がお気に入り。モラルの低い中年男の色気というのが私的萌えなのだ。ヘラヘラしたオッサンが若者の情熱をヘラッとしながら受け入れる。そのいい加減さ、適当さ、「そのうち飽きるだろ」と思っていそうな微かな諦観が美味しいのだ。

Chara Selection ( キャラセレクション ) 2010年 03月号 [雑誌]Chara Selection ( キャラセレクション ) 2010年 03月号 [雑誌]
(2010/01/22)
不明

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ええ、ついに買ってしまいましたよ「憂鬱な朝」目当てに。
桂木の褌姿に興奮したのはいつのことだったか。彼は私の心を狂わせるね、マジで。
先日cochiさんがブログでお気に入りの本を「抱きしめて寝たい!」と仰っていたのが大変可愛くて(失礼だったらごめんなさい)ツボに入っていたのはここだけの話なのですが、私もこれを抱き締めて寝たい!!
46Pというボリュームもさることながら、ともかくアレですよアレ!いたしてるシーンが長い!そして桂木が、桂木が~!!あぁ、こんなときに興奮を表現するために絵文字やら何やらを咄嗟に使う術を持たない自分が情けないですが、本気で萌え死ぬかと思いました。何て云うの!?眼福?まぁ、兎にも角にも桂木の喘ぎ顔やら声やらが大変素敵すぎて、正直某高校生達のキラッキラよりも萌えました(笑)話がまたイイ感じにすれ違いで堪らない~!!
気付けば1巻刊行からもうすぐ1年ですね。日高先生、待ってます!!
徳間の「Chara」を買ったのは、たぶん「毎日晴天!」の1巻第1話が掲載されて以来なので…すっごく久しぶり。文庫は普通に持っているけど、キャラコミックって本棚にあまりないかも?西さんの「ひとりで生きるモン!」が面白いのは当然として、印象に残ったのは、木下さん、扇さん、一城さん、高口さんかな(ベテランばっかりで申し訳ない)。うち、続きが読みたいのは木下さんの「うちの王子いりませんか」。王子もヒーローも可愛かった!高口さんはBL雑誌ではなくて女性コミック誌(フラワーズ、エロf)でホモの話を描いた方がなんとなくしっくりくるような…。

*近況*

世間の波に乗り「ツイッター」を始めています。
実は半年前にIDを取り、好きな作家や文化人の呟きを眺めてはいたのですが、どうも積極的にコミュニケーションに行けず放置状態に。というか、今現在もコミュニケーションツールというよりも日記&メモとして使っている状態で、たぶんこの先も性格上あんまり変わらないような気もするのですが、興味のある方は覗いてみて下さい。フォロー等々ご自由にどうぞ!ただ、本当に個人的な日記&140文字ギリギリの長文が流れてくるので若干迷惑かもです(笑)

https://twitter.com/yorikona ID名「yorikona」

 

「世界の果てで待っていて 天使の傷跡」高遠琉加

世界の果てで待っていて ~天使の傷跡~ (SHYノベルス138)世界の果てで待っていて ~天使の傷跡~ (SHYノベルス138)
(2005/09/10)
高遠 琉加

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元刑事の黒澤統一郎は、渋谷区神泉に黒澤調査探偵事務所を構えている。そこにはいろんな人生を抱えた人が訪れる。ある雨の日、少女と見紛う少年・奏がやってきた。三年前に行方不明になってしまった双子の兄・律を探してくれ、と。一度は依頼を断った黒澤だが、かつての同僚で現役刑事である櫂谷雪人もある事件の関係で律を探しており、ふたりは協力することになる。静と動。理性と本能。好対照な雪人と統一郎の関係は、統一郎が刑事をやめてからも続いていた。甘い一夜の記憶を忘れたふりをして。複雑に絡み合う過去と現在。彼らの未来は―。

ここに遊びに来て下さる方の何人かはもしかして、ブログタイトルを見てこの本を思い浮かべたりするのだろうか。100質でも答えた通り、嶽本野ばらの「世界の果てという名の雑貨店」から貰った名前なのだけど(ただし未読。検索したら「世界の果て」という言葉をタイトルに冠した本は50点近くあった)、もし開設当時に私がこの本を読んでいたら、たぶん畏れ多くて名前には使えなかったと思う。「世界の果て」という言葉を名乗ることを今とても申し訳ないなと思うと同時に、妙に嬉しくなってしまったのも事実。それほど素晴らしい小説だった。

暗い穴の淵を歩いている。たまに覗きこんでは自分がまだ穴に堕ちていないことを確かめる。
でもある日、彼は気が付くのだ。自分がとっくのとうに穴の中から空を見上げていることに。


探偵と刑事が出てくるというからどんなハードボイルド系かと思いきや、舞い込む事件は双子の片割れ捜索と、それに付随するコンビニ強盗事件。センシティブに感じられる双子の事件に血生臭さはなく、全体を通してもとても静かな話。しかし、芯からの明るい雰囲気とは無縁の混沌とした舞台に「渋谷」という街が選ばれたのにも肯ける。冒頭の1頁を読んで自分が高遠さんを見くびっていたことを思い知らされた。美しい文章を書く作家は他にもいる。でも、美しさと硬質さを併せ持った文章を(要するに私好みの文章を)こんなに見事に書く作家は知らない(今まで何作か読んでいたのにそこまで強く思わなかったのは、高遠さんのストーリーではなくキャラクタが苦手だったからと思う…)。
上記の言葉はパッと浮かんだ黒澤のイメージなのですが、たぶん彼の居場所が「谷」だと表現されることからです。余談ですが最近書き始めにポエミーなことを書いているのはたまたまで、書こうと決めたわけではありません!恥ずかしい感が増していて申し訳ないですが、そういう時期のようです(笑)

黒澤と雪人の間には明確な言葉は何もない。互いの感情をはかり、推測し、自分の内に留める視線の応酬と、時折訪れる肌の感触があるだけだ。言葉に表されない感情を「恋愛」だと思うには、あまりにも冷え冷えとした膜を黒澤という男は張っている。外見とは裏腹に、熱は終始雪人の持ち物のように感じた(彼は理性的で合理的だけど、キレたらとんでもない行動に出るタイプだと思う)。BLというよりも、とても「ニア系」に近い雰囲気を持つ作品で、だからこそ、過去に一度だけあった肉体関係を持つことになる経緯が胸を締め付ける。
「もしたられば」なんて小説感想には無粋だとも思うけど、もし、自分が雪人であっても絶対に同じ行動をするだろうなと思うのだ。理屈ではなく本能で雪人が黒澤に抱かれたように、すべてを差し出さずにはいられないだろう。それだけの説得力がある切羽詰まった暗闇を描いて、でも、その一瞬の繋がりは黒澤の人生を救いはしない。雪人の存在は黒澤にとって確かに光でもあるのに、それは実はとても微かな光なのではないかとも思わされるのだ。恋や愛によって容易に救われることのない孤独な黒澤を、いつまで雪人は引き留めておけるのだろうか。

この話はいつも私が好みだと主張するパターンとは反対の「問題がある攻め」の物語なのだ。作中やたら「もてる」と連呼される黒澤は、文字通り本当にもてる男。人好きのする外見と魅力的な内面を兼ね備え、でも「やわらかい笑顔」で人との間に「壁」を作る男。不思議な事に私は彼が雪人によって救済されるとは思えなかった。淵にある彼の精神をどうにか出来るのは、最終的には彼自身なのだろうと思う。そして不謹慎だけどそのギリギリ感がこの黒澤という男を大変魅力的にしていて、作中の女達同様にクラクラしてしまった(笑)。また、私が高遠作品に今までこれ程の魅力を感じなかったのは、受けの造形にあったのだと思う。高遠さんの描く受けの痛みは、読んでいて辛いのだ。辛くて目を背けたくなるから、再読が出来ないのだ。だけど雪人は、怜悧な表情の内側にとても単純で熱いものを持っている男。彼が黒澤に抱かれていた時に、終始「嫌悪感」が消えなかったというのも雪人の強さのようなものを逆に表現していて、なんとも頼もしく魅力的な男だとこれまたクラッとした。要するに、二人ともカッコイイのだ!!

05年刊行だけど後書によると続編があるそう。確かにこの巻では二人の関係は過去形でしか語られない。互いをかけがえのないものと認識しながら、その先には進まない(進めない)ジリジリ感も捨て難く、個人的にはこのまま終わりでも構わないけれど、黒澤が自身の闇にどう決着を付けるのかを見てみたい気もするので、やっぱり続編を待ちたいと思います!良い本を読みました♪

一般書感想「船に乗れ!」藤谷治

船に乗れ!〈1〉合奏と協奏船に乗れ!〈1〉合奏と協奏
(2008/10/01)
藤谷 治

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船に乗れ!(2) 独奏船に乗れ!(2) 独奏
(2009/07/02)
藤谷 治

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船に乗れ! (3)船に乗れ! (3)合奏協奏曲
(2009/11/05)
藤谷 治

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高校の音楽科に通う主人公・津島サトルと個性豊かな仲間たち。彼らが過ごす音楽漬けの日々に、青春時代のきらめきと切なさを色濃く映し出した、本格青春小説三部作。

すごく、すごく面白かった。久々の腐読み一切なしの一般書感想です。
最初はあらすじも入れてダラダラ書いていたのですが、どう頑張っても私の力じゃ何も伝わらないと思ったので投げました。大体、エンタメ系青春小説にあらすじ入れた感想なんて無理なんだよ…。諦めようかとも思ったのですが、とりあえず吐き出しておかないと次に進めそうにないので上げてしまいます。いや、ホント自己満足なのですけどね。

昔同僚が「海辺のカフカ」発売日に有休を取っていた事を思い出しました。「今日は春樹休暇なの~」(30代男)と実に嬉しそうに笑っていたっけ。もし私がこの本を1巻からリアルタイムで追っていたら、間違いなく3巻発売日には休みを取っていた。「船休暇なの~」って云ってみたかったよ!!

ただ惜しむらくは先週読書に思うように時間を割けなかった為、読了したのが職場の休憩室だったこと。人目があるので顔にハンカチ押し当てて水分を吸収しながら(目から鼻から止まらない!)の読書だったので、ちょっともったいないことをしたなーと思いました。

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王道設定バトン

リンク先の「ロテンシスターズがゆく!」(秋林さん宅)から拝借した「王道設定バトン」です♪
ダラダラ考えていたら(その割に捻りがない回答ですが)長くなりました。良かったらどうぞ~。

★ルール
貴方の嗜好に併せて、攻め派か受け派かを答えてください。
好きCPを当てはめても構いません。

■昔から共に生きてきた主人と従者。主は?
受け。
これは私の主従物の理想です。立場的には強い筈の人間が、一応弱い側(それも変な話だが)に恋情ゆえにまわるという。「命令だ、わたしを抱け」的な主人よりも、好きで好きで辛抱たまらなくて身動きが取れない主人の姿にグッときます。従者は従順なタイプよりも、ちょっと斜めに構えた腹黒タイプの方が好きですね。

執事の分際 (白泉社文庫)執事の分際 (白泉社文庫)
(2005/11/15)
よしなが ふみ

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よしながさんのBLは苦手なのですが、上記に当てはまる作品でパッと思いついたのはこちらでした。
「昔から」ではないけど、「執事」と名前が付く人が出てくるBL作品なら榎田さんの「執事の特権」が一番好きです。



本当に長いので以下たたみます♪

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Author:yori
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