スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

訂正とお詫び「少年魔法士」連載再開しました!!

Wings (ウィングス) 2010年 12月号 [雑誌]Wings (ウィングス) 2010年 12月号 [雑誌]
(2010/10/28)
不明

商品詳細を見る


↑ご注目

今月発売(10/28)の「Wings」より
『少年魔法士』連載再開しました!!


<訂正とお詫び>
先々月の今頃に 徒然雑記という記事内で連載再開の旨を大きく書きました。それはそれはもの凄い喜びの中で。ところがですね、私完全に勘違いをしていましてハッキリと「12月28日発売の12月号」と書いてしまっていたのですね。本当に申し訳ありません。万が一にも二にも、拙宅の情報を信じて年末を待ちわびている方がいたらと思うと…もう本当にごめんなさい。

12月発売の雑誌の号数が12月号じゃないことなんて、書店員どころか一般常識として当たり前。
それを10年近く本屋で働いている者として大変恥ずかしく思います。ううう。
店で「Wings12月号」の文字を見たときは我が目を疑いました(実際に見て漸く気が付いたのです…)
年末よ早く来い!と本気で思っていた私はぶったまげました。好きなものに限って勘違いをやらかす粗忽者です。


以上、お詫びと訂正でした。

続きを読む

スポンサーサイト

「世界の果てで待っていて~嘘とナイフ~」高遠琉加

世界の果てで待っていて ~嘘とナイフ~ (SHYノベルス)世界の果てで待っていて ~嘘とナイフ~ (SHYノベルス)
(2010/10/22)
高遠 琉加

商品詳細を見る

渋谷区神泉に調査探偵事務所を構える黒澤銃一郎は、暑い夏の午後、元同僚で渋谷警察署の刑事である櫂谷雪人から呼び出される。補導されたある少年が、黒澤の名刺を持っている、と。それが新たな事件の始まりだった・・・!妹である澪子の死の真相を独り探り続ける黒澤。そんな黒澤に、雪人は自分の知らない影を見つけ動揺する。自分はあの男の何を知っていて、何を知らないのか・・・そんな雪人は、公安の鴉と呼ばれていた鷹取から銃一郎の行確を命じられ!?「世界の果てで待っていて~天使の傷痕~」に続く第二弾登場!!

高遠さんの新刊。『世界の果てで待っていて~天使の傷跡~』から実に5年ぶりの続編刊行だ。
待ち望んだという方も多い中、幸運なことに前作を読んだのが今年の2月だった。

感想はこちら→「世界の果てで待っていて~天使の傷跡~」高遠琉加

非日常の一瞬でしか交錯させることのできない「情」がある。
彼らの内にある愛情とも恋情とも表現することのできない、ただ相手へと向かう強い気持ちがある。
それだけを縁(よすが)に生きながら、決して普段は言葉に出来ない意地と矜持と、弱さや強さが入り混じった複雑な感情が愛おしい。決定的な一言を心の防波堤が決壊する最後の瞬間まで発することを互いに許さない彼らが好きだ。
とてもニア的な色合いの強い作品で、私は彼らに関しては肉体的な受け攻め(成就の結果としての性交とも云えるかな)をする必要はないとすら思っているのだけど、今作で描かれた関わり方もまた、何度も何度も反芻しては泣きたいような気持にさせられた。心の奥が締め付けられる。

探偵である黒澤と刑事である雪人。
彼らの立ち位置の違い、見つめている物の違いが表立った今作だった。

雪人は黒澤の気持ちを過信していたのだろうか。発しないだけでそこには昔彼が感じた「想い」のようなものが変わらずに存在すると。黒澤にとっては、日常なんてものは2年前のあの日に終わりを告げていたのだよね。それを雪人は理解しているようで、完全にはしていなかった。ここでも打ちのめされるのは雪人の方だ。黒澤はすべてを内に秘めてずっと水面下で独り動いていた。彼もまた、雪人への想いを侮っていたのだろうか。目的のためには嘘を付き通せる、欺けると。一度は付き放そうとした黒澤が雪人の言葉に我を失う場面がたまらない。「言うつもりもなかった、用意もしていなかった」その言葉は、紛れもない黒澤の本音なのだろう。だからこそ冗談にしようとした黒澤が許せず雪人は彼を殴ったのだ。雨の中描かれるこの場面だけで、彼らが夫々抱える物と、その抱える物を投げ出すことは決して出来ずに、でも同時に相手への気持ちを誤魔化しきれず持っていることが伝わってきて堪らない。

読みながらずっと考えていたのだが、「世界の果てで待っていて」とは一体誰が誰に向けた言葉なのだろう。「世界の果て」とはとても寒々しい心象風景のようでもあるのだが(そんな言葉をブログタイトルにしてアレですが)、この題名について考えるきは決してネガな印象を受けないのだよね。「待っていて」という口調の柔らかさのせいもあるのかな。世界の果てで待つのは亡くなった澪子か、それとも黒澤か。発したのは黒澤なのか雪人なのか。たとえ其処に立つのが今は独りっきりでも、すぐに誰かが追いついてきてくれる、孤独は癒されるという明るさすら感じる。そう考えた時、黒澤の行確を任じられた雪人が「おまえの行くところに行くよ。どこへでも」と宣言したこの台詞は、題名に返っていくのかなとふと思った。

事件そのものは前作に比べると個人的にはやや物足りなく、美しさ(整合性という意味でも年若い彼らの顛末という意味でも)に欠けるように感じたかな。黒澤と雪人の為にある世界観と事件なのだから、そこをあまり気にするのは無粋かもしれないが。しかし目まぐるしく切り替わる場面展開が、一瞬だけ交錯した二人の情景を際立たせているのも事実であり、全体としてはバランスが良いと思う。続編が出るからには澪子の事件の進展については想像の範囲内だったけど、見えてきた敵の姿は予想外だった。なるほど彼らが探偵と警察であるのはそういう理由かと納得もした。黒澤は事件と自分の感情にどう決着を付けるのか。そのとき雪人はどう彼と関わっていくのか―待て続刊、なのである。これで私も晴れて焦れ焦れ組の仲間入りとなったわけだ…ううう。

いつか読める日が来ると信じてずっと待っています。



続きを読む

「僕の先輩」羽生山へび子

僕の先輩 (ミリオンコミックス  CRAFT SERIES 40)僕の先輩 (ミリオンコミックス CRAFT SERIES 40)
(2010/10/16)
羽生山 へび子

商品詳細を見る


絵柄に躊躇していたところをお友達の大プッシュに押されて購入してみたら!すごく、すごく良かった!!
面白可笑しい台詞が山盛りに登場するのだが、私のハートを射止めた台詞が裏表紙にもあるこちら。
「僕ぁ 愛のハゲタカだよ!先輩が消耗するの待ってるんだ!!」
なんという感覚!もうこの台詞を思い返すだけで笑いがこみ上げてきてたまらない。

不良というよりは硬派という言葉がピッタリのベジータ似先輩と、肉まんのようにプニプニした僕の可愛らしいハートフルギャグ漫画(と思いきや感動もキッチリ)。この方の絵柄が何というか本当に独特で…私が最初に思い浮かべたのは『すごいよマサルさん』。それから『おやつ』(おおひなたごう)と亜土ちゃんを足して混ぜて割ってみたいな…とにかくページを開いたときは慣れるかな?とちょっと不安すら抱いたのだけど、繰り出されるハイテンションなギャグに夢中になるうちに気にならなくなりました。絵がなぁと思っている方、勿体ないですよ!!

恋に落ちたその日から押して押しておしまくる僕と、押されて絆されて好きになる先輩の関係は、往年の少女漫画のようなノリすら感じられる。不良に助けられたヒロインが誤解を受けてるあの人だけど本当は優しいのと押しかけ女房~みたいな懐かしい雰囲気。先輩はとにかく無口で自分のことを全然話さない。僕は先輩を理解したくて知りたくて色々気になるのだけど、怖くて聞くことが出来ない。押せ押せで仲良くなるのに、いざ仲良くなったら大それたことをやっていると怖気づく僕の素直さが愛おしい。何も言わなくてもずっとさりげなく優しい先輩も愛おしい。とにかく全編通してただただ愛おしい漫画なんだよ(日本語が不自由で申し訳ない)!
「先輩と僕」の関係は時の流れに従って変化を迎える。先輩の卒業だ。学生の頃から生活のために働いてきた先輩はそのまま就職することになる。この、何気ない下町の描写も懐かしい空気がいっぱいで愛おしいのだ。僕は先輩と出会い仲良くなった頃に偶々友達の弁当屋でアルバイトをすることになる。短期だけのはずが気に入られてずっと続けることに。ただでさえ年上の先輩は大人の男。その先輩に少しでも近づきたいから、僕はアルバイトを頑張るのではないかなと思ったりした。近づいたはずの好きな人との間にある距離感が絶妙で良い。大好きな人だからこそ抱いてしまう緊張感や、それでも主張せずにはいられない独占欲など、羽生山さんの描く「恋情」は私の好みに大変合っている。二人で家に向かう場面や、さりげない日常の風景。それらすべてが、あらすじにもあるように「一緒にすごした今日はとっても幸せだ!」なのだ。読んでいるこちらとしてもちょっと味わう事のない幸福感だった。
ネタバレになってしまいそうなので詳しいことは描かないが、終盤間近の先輩の行動は震えが来るぐらい素敵だった。とんでもない口説き文句である。盛りだくさんのギャグで笑わせておいて締めるところはキッチリと。お上手だわ~。

そしてなんとも嬉しいことに羽生山さんのオフィシャルサイトで今作の前身とも続編とも云える「先輩と僕」が長期連載中なのだ!(聞けば大変有名な方だったらしい)コミックでは二人の出会いからがメインだが、サイトの方ではその後の二人の様子が描かれていてこちらもキュンキュンする。コミックではあまり登場することのなかった僕の両親が出てきて、男同士という関係にそれなりに葛藤したりする僕が切なくて良い。是非是非サイトの方も見て欲しい。

羽生山へび子オフィシャルサイト「裏蛇船」

とても良い本を読みました。全力でおススメ!

「トーマの心臓 Lost heart for Thoma 」森博嗣

トーマの心臓 Lost heart for Thoma (講談社ノベルス)トーマの心臓 Lost heart for Thoma (講談社ノベルス)
(2010/10/07)
森 博嗣

商品詳細を見る

トーマと呼ばれた美しい下級生から、ユーリに届いた一通の手紙。それは、彼からの遺書だった―。そこへトーマに生き写しの転校生・エーリクが現れ、オスカーは、遺された想いに縛られた親友・ユーリを憂慮する。揺れ動く心を捉える生と死、そして愛…。苦悩する少年たちを色鮮やかに描いた、萩尾望都の不朽の名作に、森博嗣が、今、新しい息吹を吹き込む。

読了した森博嗣版『トーマの心臓』の感想を書こうと思うのだけど、どう書いて良いのかわからないというのが正直なところ。トーマについては半年前にゆっくり考えたこともあり、読んだ時期としては悪くなかったと思う。

感想はこちら→「トーマの心臓」萩尾望都

重要なのは、これは漫画版『トーマの心臓』を読んでいることが大前提の物語であり、主人公(語り手)はオスカーであるということ。漫画では語り手であると同時に最大の傍観者のような立場であった彼に焦点があてられる。率直な感想としては、良質な「青春小説」かな。ジュブナイル(成長小説)とも云える。三者三様に違う形で与えられた親(絶対神)からの愛情と、その違いによって発露するようにも受け取れる性格の違い。一番「真っ当な」ものを享受していたように見えるトーマが「死」という一見相容れない行動に出たこと。その部分への飛躍があともう一歩という具合だった。いや、単に私の読解力の問題かもしれないのだけど。
漫画版ではすべてを俯瞰するような立場にいたオスカーだが、実際に彼の周囲で起こった出来事のすべてを語らせればそれは過不足なくオスカーの語りとして遜色ないものであり、その点は感心した。要するに、彼もまた一人の迷える青少年であったということ。彼にとってユーリは失った母親を投影する存在でもあったのだという視点は、半年前の私には思いつかなかった部分だ。トーマはユーリを、ユーリはトーマを神様のように崇拝したわけだけど、オスカーもユーリをそういう風に見ていたという。オスカーとワーグナー教授のやり取りこそが、森版トーマのメインテーマなのではないだろうか。グスタフ親父はオスカーに母親を殺したと告白をした。彼はその告白をグスタフの誠実さが成した結果であり、ユーリにも同等のものを求めている。しかしそれは違うのではないかとワーグナーは云っている(たぶん)。告白によってグスタフが救われたとしても、それはオスカーの希望ありきの告白ではなかったわけで…告白はグスタフの正義からではなくて弱さからされたのだと、私は思うのだよね。告白=当人の救済にあたると思っているままのオスカーではユーリは救えないし、そもそも自分ですら救うことの出来ない問題を他人が容易に救えるものではないのだよと、ワーグナーは云っている。そこにあるべきなのは、「救いたい」ではなくて「知りたい」なんだよと。そしてそれはなぜかと云えば、「好きだから」なんだよねと。とてもシンプルな問答だけど、真実だと思う。

オスカーに焦点があたる分、ユーリが抱えた宗教的な問題(というよりも作品内で詳しく言及されることはない)、エーリクが開放したユーリの葛藤部分の描写は不足があるように感じられた。そう、だからこれは萩尾版『トーマの心臓』をオスカー部分のみ補完する作業であったのだろう。もしも森版だけしか読んでいない方がいたら、是非萩尾版を読んでくれと云いたい。出来を比べること自体が無意味なのは承知だが、漫画版がなければ存在しない作品なのだから。
最後に先日の記事でもチラッと書いた「舞台」についてだが、正直こればっかりは理由がよくわからなかった。反発とかそういったものではなくて、ただ本当にその舞台に設定した理由が見えてこなかったのだ。厳密な時代背景はぼかされているが、イメージとしては恐らく大戦前の日本だ。そう、日本が舞台なんだよね。だからオスカーは傍観者であると同時に訪問者であり、ここでは異端者でもあったはずなのだ。その部分から何かもう少し描かれれば納得もいったのだけど…。ユーリの進路選択についても同様だ。彼がその道を志す経緯を、キリスト教圏でない国を舞台に描くのならば、もう少し背景への説明が必要だったように感じた。そしてその部分がこの物語の核であったと私は思っているので不満が残る。

試みとしては面白かった。こんな機会を与えられた森さんを羨ましい!と思われた小説家の方もきっと多いのではないだろうか。一読者でしかない私ですら羨ましいと思ったぐらいなのだから。

「マッチ売り」草間さかえ

マッチ売り (CITRON COMICS)マッチ売り (CITRON COMICS)
(2010/10/10)
草間 さかえ

商品詳細を見る


先々月に続いて草間さんの新刊が読めるなんて嬉しい限り。
舞台は終戦直後。昭和の闇が猥雑な空気を助長していてとてもよい。実は勝手に「ニア系だろう」と決めつけていたので読んでみて驚いた。草間さんの近作の中でも格段に色っぽい話だったから。でもそれが過剰ではないのは選ばれた季節が冬だからかな、どこか静謐な雰囲気も漂っている。恋文によって人生を狂わされた4人の男達の物語だ。先月の『地下鉄の犬』でも書いたように今作は草間さんの作品の中でも際立ってアイテム萌えの作品のように思う。時代や人物の設定と、何よりも登場人物たちを結びつける「恋文」の使われ方。それらすべてが相俟って大変好みの作品だった。
「マッチ売り」
マッチと一緒に春を売る若い社長と学生の話。大勢に抱かれなければ達しないという厄介な性癖を抱えた社長のトラウマともいえる経験の重要アイテムと、純朴で鈍感な学生の持つ一通の不完全な手紙が「恋文」なわけだ。好きで立ちんぼのような真似をする社長の色気が素敵。恋愛感情はどこにある?と問われれば、草間さんらしい作品だと答える感じではあるのだが、それにしてもこの雰囲気はいい。
「やぎさん郵便」
社長に想いを寄せる秘書と、学生に想いを寄せる友人の男の話。こちらでは男が学生に宛てた恋文を盾に男を半ば恐喝して身体を手に入れてしまう秘書となし崩しに抱かれて怯える男の姿が描かれる。私にしては珍しくインテリ眼鏡の秘書がツボだった!社長も秘書も節操がないといえばないのだが、でもどこかで純粋な気持ちも持っているのだよね。それを社長は学生と出会うことで一人の人間と抱き合う喜びに目覚める。それを間近で見ていた秘書の苛立ちがいい。眼鏡が不憫なのって楽しいわ(そんな結論?)秘書に情のようなものが芽生えかけたところで以下続刊である。


***
感想は短めに突然ですが近況報告。
仕事の繁忙明けてから先、漫画ばかり読んでいます。
まとめて感想を書こうと思っていたのだけど、いっぱい読むとどうも書きたい気持ちがあっても「溢れない」のよね。1冊1冊の本を大事にしたいのになぁと思うのに大量に消費してしまう。ちょっと悲しいことだ。
いっぱい読んだ中でも一番のヒットはこちら!
エンドゲーム (1) (ディアプラス・コミックス) (ディアプラスコミックス)エンドゲーム (1) (ディアプラス・コミックス) (ディアプラスコミックス)
(2010/07/30)
山中 ヒコ

商品詳細を見る

続きものということで完結まで待つつもりが、お友達のプッシュに背中を押されて読んでみたらもの凄くキュンキュンした!ヒコさんはいつも数回読んでから萌える傾向にあるのだけど、これは一発できた。2巻は12月に発売とのことなので完結したら感想を書きたい。我慢する年下がこんなに可愛いなんて!キュンキュン。

それにしても、あまりにもBL小説が読めなくてどうしてしまったのかしらとグルグルしている。
そんな中でも楽しみなのは『世界の果てで待っていて』(高遠琉加)の待望を続編だ。果たして完結するのか、二人のニア未満な関係はどうなるのか。新しい挿絵は雪舟さんの雰囲気とは真逆のスタイリッシュな方の茶屋町さん。センシティブな側面が強い作品だと思っているのだが、ハードボイルドな色も強まっていたりするのだろうか?もうすぐ発売である。

今読んでいるのはノベルスになったこちらの作品。
トーマの心臓 Lost heart for Thoma (講談社ノベルス)トーマの心臓 Lost heart for Thoma (講談社ノベルス)
(2010/10/07)
森 博嗣

商品詳細を見る

森博嗣版『トーマの心臓』はまず舞台に驚愕した。森さんの既刊作品は実は得意ではないのだけど、文章の美しさは以前から好きだった。まだ中盤なのだが読了したら感想を書きたいと思う。

ここ数日で思ったのだけど、やっぱり私は本を読んで本のことを考えていないとダメな人間なんだよね。別に誰に必要とされているわけでもないし自己満足でしかないのだけど、大袈裟に云ってしまえば生きている感じがしない。心が死んでいくみたい。妙齢の女としてもっと他に考えなくてはいけないアレコレがありませんか…?という言葉は聞こえないふりで(笑)だから心の平穏の為にも、いっぱい読んでいっぱい考えて出来ればいっぱい吐き出したい、な。

そんな感じで日々過ごしておりますなんて云うとちょっと暗めですが、大丈夫です。全然元気で健康です。
最後にいつも覗きに来て下さる方拍手を下さる方、どうもありがとうございます!

「ディヴィジョン」西田東

ディヴィジョン (ディアプラス・コミックス)ディヴィジョン (ディアプラス・コミックス)
(2010/09/30)
西田 東

商品詳細を見る

新米弁護士の浅野は仕事でフィリピンを訪れるが、薬の運び屋の疑いをかけられて警察に捕まってしまう。刑務所へ搬送される車の中で一緒だった男・田中となりゆきで脱走することになった浅野。二人で逃亡生活を送るうち危険だが魅力的な田中からいつしか目が離せなくなり……。アダルトでスリリングな逃避行ロマンス!!

西田さんの新刊!すごく良かった!大好き!!

身を持ち崩した色気ムンムンの40男というのは、もはや私の鉄板萌えなのかもしれないな。
見るからに女タラシでロクデナシな田中に、浅野と同じく仕様もないと思いながら夢中になってしまった。
器が大きいのか小さいのかわからない小悪党のロクデナシなのだけど、自分の魅力を存分に行使する術を持っている男というのは本当に厄介で素敵(実生活で関わりたいかは別として)。

浅野の性癖を早々に見抜き本気とも冗談ともつかない口説きを仕掛けてきたかと思えば、「真面目で頭のいい女は可愛くない、先生は可愛いな」と云った直後に突き放し(キスまでしておきながら!)、挙句は浅野が暴漢に襲われたらフォローをするようで傷を抉り、抉ったら抉ったで可愛くなって抱いてしまうという…なんだこの身勝手なダメ男は!でもそれがすごくカッコイイのだから西田さんは凄い。傷心の浅野に「来いよ」と声をかけて無視をされたからと伸し掛かる時の台詞がまた堪らない。
「あんたが――来ねえからだ」
その場面の田中の表情の壮絶な色っぽさといったらない。絶対的な「攻め」ではなくて、弱さや危うさを持った一人の男の意地とプライドと欲情が入り混じった何とも云えない絶妙な表情をしている。もう、とにかく読んで欲しい。

私は西田作品の感想を書く度に同じように思っているのだ、「とにかく読めばわかる」と。
こんなにも言葉で魅力を伝えるのが難しい作家って他に思い浮かばない。今作のストーリーがオリジナルに富んでいるかといえば正直否だし(似たような関係性の短編があった気がする)、終盤だって畳み掛けるような大団円はいかにも漫画的だ。だけどその漫画の見せ方がとんでもなく上手なんだよね。絵柄だって背景や細かい書きこみは置いておくとして(笑)人物の表情は昔から豊かだった。シンプルな線で複雑な人間感情の機微が浮かび上がってくる様子は読んでいて圧倒される。西田さんは本当に漫画が上手い。

捕まえたつもりが捕まって。余裕だったはずの田中が浅野への執着を直接本人には伝えずに強めていくのがいい。この男が何に怯えているのか読む側には手に取るように伝わってくるのに、肝心の田中の方が冷静に「終わり」を見越している。バカンスのような逃避行という非現実が見せた夢だと、諦め半分で田中に恋をしているからだ。田中は田中でそういった浅野の諦観までも感じとってしまうのかもしれないね。拙い嘘はあっけなくバレて二人の生活は終わりを迎える。別れ際の田中の表情がまたなんとも云えず魅力的なのだ。本当にダメな男だなぁ、でも愛おしいなぁと思わされる。ああ、とにかく読んで欲しい!

田中が本名を伝えていたという些細な事実を知って浅野が号泣する場面が好きだ。
逃亡者が「名前」という自分の極めて核心部分の「弱み」を晒すこと。意識してか無意識なのか、一瞬のうちにその選択をしてしまった田中の弱さが垣間見えてグッときた。そこに全力で賭ける浅野も同じように魅力的だ。西田漫画の受けは女性には代替不可能な正真正銘の「男」だと常々思うのだが、浅野は少し甘さを加味されているものの、やっぱり彼の行動や言葉は西田さんの男だ。本当に素敵。ダメな男だけど魅力的、ダメな男だからこそ魅力的。そんな田中に捕われて腹を括った浅野は勝負に出る。45の男と33の男が出会って恋をして。なんてロマンス!

ユーモアセンスや手の抜き具合、カバー下も相変わらずで笑わせてもらった。オマケ漫画のカワイイ小鳥に「そっち!?」と驚いたものの、確かに目を離しちゃいけないのは彼の方かもしれないと納得したりして。
兎にも角にも大満足の1冊でした!良い本を読みました♪

プロフィール

yori

Author:yori
気がつけばいつもそばにBL.猫かぶってみても、結局たどりつくのはそこなのです。感想は基本的にすべてネタバレ注意です。拍手&コメントありがとうございます。拍手コメントは該当記事のコメ欄にてお返事いたします。リンクフリーですがご一報頂けると嬉しいです。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
カレンダー
09 | 2010/10 | 11
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。