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「秘書とシュレディンガーの猫」

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シュレディンガーを正しく指摘したひとりに全財産を相続させる―亡き祖父の遺言を聞くため古い屋敷を訪ねた舘を待っていたのは、風変わりな猫探しの遺言と初めて会う従兄弟、それに祖父の美しい個人秘書、雨宮だった。金と権力を信じる舘は、遺言の内容にうんざりしながらも屋敷に滞在することを決める。一方、雨宮は初めて会ったときから、舘のことが嫌いだった。それなのに、舘の挑発に乗ってしまい…!?甘くてほろ苦い大人の恋。

そもそも人を信じるって何?と思うわけですよ。
信じる 信じない その二択で物事を考える意味がわからん。
好きか嫌いかで考えた方が世の中ずっとシンプルで良いと思います。

楽しんで読みましたが、内容や萌えよりも上の点で引っ掛かりを感じてしまいました。
それと・・・人類の半数を敵にまわしそうで怖いのですが、私、猫が好きじゃないんです。舘と同じで「怖い」ぐらいは普通に思っています。だから、本物の猫への愛が溢れていた話でもありましたが、ちょっと入っていけませんでした。あっ、面白いことは面白いです!それは本当に。やっぱり榎田さん上手だなーと思いますもん。ただ、前の2作があまりに良かったので過剰に期待してしまったのかも。あとは、ほら、猫だし(重要)

改めて気が付いたのですが、このシリーズって結構な「倒錯物」ですよね。人をペットとして派遣するんだもの。デリヘルの変化形高級バージョンなわけで。買う方も派遣される方も、どこか歪んでいる。どこかしら壊れた人間に魅力を感じるので、その点からいくと「猫」は「犬」や「獅子」に比べると人物の歪み具合が物足りなかったように思います。設定だけでいけば雨宮の方が「獅子」の千昭、「犬」の倖生よりも不幸だと思うのですが、榎田さんの魅力である説得力に欠けたかなーと。ギャップ萌には驚きましたけどね!シュレディンガーの正体は謎ときでも何でもないので、清廉潔白な秘書様の夜の顔は予想外でした。「お金が好き」という舘は途中から気のいい兄ちゃんにしか見えなくなり、ラブが全開したあとは甘いお茶菓子のような仕上がりでした(笑)

信頼する必要がない相手として猫を傍らに置き続けた老人を思うと、切ないような、複雑な気持ちになります。信頼は100から0だけど、好きは100からいきなり0にはならないと思うんですよ。大きな好きの中に小さな嫌いがあって全体を形成しているイメージです。だから、雨宮にも「信じている」ではなくて「愛している」と云えればいいじゃないか、と思いましたとさ。

榎田さん、次は何を読もうかなー。

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