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「嵐のあと」(日高ショーコ)

仕事帰りに駅の改札を出たらいくつもの騒がしい集団が。
「あー、成人式ね」という視線を送る仕事帰りの大人たちに交じって、ついつい冷たい視線を送ってしまった私も年齢的には立派な大人です。それにしても「猿山」のようだった。
大人って何でしょうね?もうすぐ誕生日なので20代も後半なわけですが・・・全然大人じゃないよ?
脳内にはほぼホモの事しかないし・・・何より恐ろしいのは、結婚して家庭を持ったにも関わらずちっとも大人になった気がしないところだ(笑)一体いつ思い描いたような「大人」になるのだろう。
日高ショーコの『嵐のあと』は、大人の男だからこそ持つ臆病さやズルさがある、素敵なラブストーリーでした(ムリヤリ繋げてみました)。

arasinoato.jpg
輸入インテリア会社社長の榊は、男同士のドライな恋愛関係に満足していた。だから、取引先の担当者・岡田の事も好みだと思うだけで、本気になるはずはないと油断していたのかもしれない。しかし、記憶をなくすほど飲んだ翌日目を覚ましたそこは、岡田の自宅で・・・!?岡田の無自覚な言動が榊の心をかき乱す・・・!

『美しいこと』の挿絵を見て日高先生の描く男性に惚れました。
男の人の持つきちんとした骨格。手の大きさ。広い背中。
日高先生の描く男性ってなんて素敵なんでしょう。
柔らかい眼差しも、苛立ちを隠し切れない眉間の皺も、すごく色気があると思うのです。
漫画もすべて読んでいたのですが、『美しいこと』の挿絵を見るまでは「地味だけどいい話を描く人だな」ぐらいの感想でした。それまでは「企画物」の短編が多かったので、どうしても話がテンプレのように感じてしまったんですよね。しかし、この『嵐のあと』はとても良かった。
とにかく日高先生の「スーツ」でカチッとした男性に恥ずかしながら心を奪われてしまいました。改めて、私スーツ好きなんですね。もちろん話も面白かったです。「このBLがすごい2008」の4位に選ばれていましたが、納得です。『シグナル』では脇役(あて馬?)だった榊が主人公なので、『シグナル』から読むと、ドライな榊の遭遇した「嵐」が際立ってまた面白いと思います。

日高作品の男たちは泣かない。
声高に愛を叫んだりもしない。
かといってクールなわけでもなく、「恋をしていることへの照れ」のような引きがある。
リアルを求めているわけではないけど、恋する姿勢がとてもリアルに感じられました。いい年した大人の男の戸惑いや、本当に好きだから二の足を踏みまくってしまう切なさや、それでも相手に向かってしまうベクトルの強さ。大人になって分別が付くと、理性的といえば聞こえはいいけど、臆病と紙一重になっていくものなんだよね。榊が臆病な大人の男なら、岡田も大人のちょっとズルイ男というのがとても良かった。ちなみに私は最後の最後まで、どちらが受け攻めか予測できませんでした。岡田が受けだったのですが、このカップルはリバもありだと思います。
榊が全体的にヘタレていたのに対して岡田が大変魅力的でした。ゲイとノンケの壁を自分の衝動に正直に崩してしまうやり方が、なんというか大人なんですよ。駆け引きなのか天然なのかわからない言動も、ニコッと微笑む営業スマイルも、岡田は榊を意識しての確信犯だと思います。岡田の流し目は榊じゃなくてもグラッときますって!久々に「絵に恋する」という感覚を思い出しました。可愛いとかではなくて、本当にカッコイイ。

穏やかな恋愛というのも確かにあると思うんですよ。でも、恋愛というのは基本的に「嵐」のようなもので、出会ってしまった他人の間合いに飛び込んで、かき乱されて、へろへろになっても立ち向かうのを止められないような衝動と感情の激しさは、まさに「嵐」だと思います。相手の一挙一動に一喜一憂して、寝ても覚めても一人のことを考えてしまうような。
本気なった榊は、きっと『シグナル』の彼のようにみっともなくなっていくのでしょう。
人を好きになったあと、変化した自分を受け入れるのも恋愛の醍醐味だよなーと思いました。
シンプルで基本的な恋の話です。おススメです。

下は『美しいこと』の表紙。上下巻合わせてひとつの絵になります。美しい。
32014072.jpgutukusiikoto.jpg


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かわいい榊

読みましたよ~!

実は「シグナル」も読んでいたのですが、榊のことは忘れていました。というより「シグナル」があまり好きではなかったんです。「受け」がいじわる~!榊もなんだか性格悪そうなヤツだったし。
だからすっかり忘却の彼方に。
で、yoriさんのレビュー読んで、「えっ、あの時のいけ好かない兄ちゃんか!?」と驚きました。榊って実はこんなに臆病で愛い男だったんですね~。ああ、スーツ姿もシャツ姿も決まってますね!
ほんとに皆さんいい男ばかりで「嵐のあと」はとっても楽しめました。

榊は受けだと思いませんか?押し倒す段階になって「えぇっ!?」となってしまったのは私だけではないはず(笑)最後、アパートの2階から微笑む岡田が!岡田が!惚れてしまいますって。ノンケの岡田を長いこと惹きつけるられるように、榊には頑張ってもらわないとですね。
『シグナル』は地味な話だな~というのが正直な感想だったのですが、他の『知らない顔』『足りない時間』は楽しめましたよ!あーでも、cochiさんには是非とも『美しいこと』に挑戦して頂きたいです。ちょっと(かなり)痛めですが面白いですよ~。
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