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「赫蜥蜴の閨」

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誰が何と言おうと今年のマイベスト!


いや実際叫ぶぐらい好きなんです。このヤクザ本が。
この話が「好き」と言いたくてブログを始めたぐらい(笑)


高柳商事大阪支社長の高柳光己は、英国人の血が混じる端麗な容姿に美しい妻…と、誰もが羨む人生を歩んでいる。しかし、会社のために自分を利用する社長の養父や、我が儘な妻に振り回され、光己は鬱屈した日々を重ねていた。
ある日、光己は妻の浮気をネタに熾津組の若頭、熾津臣に強請られ、凌辱されてしまう。なぜか執着され、執拗に繰り返される行為に光己は理性を徐々に蝕まれていく。だが、次第に奇妙な解放感と安らぎを感じるようになり…。


『蛇淫の血』『蛇恋の禊』『蜘蛛の褥』から成る「岐柳組三部作(虫編シリーズ)」のスピン的作品です。 『蜘蛛』で沙野さんにハマったものの、子蛇組長がどうも好きになれなかったこのシリーズ。
しかしこの『蜥蜴』は本当に本当に私の好みにドンピシャでした。

私が求めるヤクザBLのすべてが詰まっていると言っても過言じゃないこの作品。
無体を働く理由も凌辱の内容も申し分なかった。
容赦ないヤクザ者、臣の粘りつくような関西弁と色気漂う「ザラッとした」声が耳元で聞こえてきそうですよ!(危ない)臣の台詞すべてを抜き出して堪能したいぐらい素晴らしい。関西ヤクザ最高です。エロも場末のラブホテル、スパンキング、衆人環視のセックス、そして山場の青姦。
どこをとっても素晴らしすぎて上手く言葉に出来ません(本当に危ない)

しかし!その臣以上に私を虜にしたのが受けの光己です。
この光己の何がいいって、とにかく強いんだ。
精神的にも肉体的にも本当に強靭で、ヤクザ物相手の負け戦に、気持ちの上では全然負けていない。身体を好き勝手にされながらも虎視眈々と挽回の機会を窺っている。その強かさにやられました。「攻めでもいけそうな受けを目指した」と沙野さんのブログにもあるとおり、光己が本当にカッコイイ。
受けに「抱かれたい」とか思ったの初めてなんですけど(笑)

そんな光己が一度だけ精神的に崩れて臣が光己を宅に連れ帰るのですが、その後のエロシーンといったらないです。騎乗位で腰を振る光己と光己のモノを握って臣が言う台詞が「コウちゃんの、デカくてエロいのう」ですよ!関西弁エロス!それまでも光己のモノがデカいという描写はあったのですが、受けの性器の大きさを強調することが、こんなにもエロいとは!!新しい発見でした。

エロだけを強調したいわけではないのですが、ヤクザBLの素晴らしいところは「エロとの両立が小説の中で丁度いい具合」なところではないでしょうか。自分で書いて成程と思っています(笑)
堅気のお仕事の人が拉致って凌辱なんて、その後の人生捨てるつもりですかって感じだもの。
どんな無体をしても「あー、ヤクザだからネ」で納得してしまうマジック!

しかし、只のエロで終わらないのが沙野作品の凄さ。
二人の気持ちが寄り添っていく過程が見事に書かれています。
臣のトラウマと光己の育ってきた環境と―その二つがうまい具合に絡んで、しかもその絡み方に臣の狂気的な一面を覗かせて・・・。
利用され、搾取され続けた光己は臣の手を取りこう思うのです。
「いつだって求めていたのは―現実を生き抜く力だった。そして、互いに力をそそぎ合って添い遂げられる誰かだった」

「愛している」「好きだ」なんて言葉は二人に似合わない。
ともに生き、ともに死ぬーそんな言葉がしっくりきます。
私の中では、臣の屍の前で納得したように微笑む老年の光己、という絵まで出来上がっていますとも。穏やかな死を迎えることのなさそうな臣と、その臣の側に添うことを決めた光己。二人の蜜月が少しでも長く続きますようになんて願ってしまいます。

ああ、好きだー

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