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一般書感想

ここ数日ちょっとテンションが下がっています。
長らく抱えていた御悩み事(つまらないことなのですが)を、プツッと糸が切れてしまって人に相談してみたら・・・なんかますますブルーになったんですよ。云ってスッキリした部分はあるけど、漠とした悩みが現実になっちまったというか・・・。うーん、ままならないっすね。

ホモを読んでいないな~と思ったら、一般書を読んでいたのでした。
先日第140回芥川・直木賞が発表されました。「芥川賞好き」だと自分では思っていたのですが、正確には「絲山秋子」が好きで、絲山系の「津村記久子」も当然好きなのでした。ちょっと前に他ブログ様で津村記久子の『君は永遠にそいつらより若い』が紹介されており、「絶対に好きだ」と思って読んだらやっぱり好きでした。ちなみに受賞確実と言われていた津村作品を、発表の数日前に店在庫全買いしたことは、店長として反省すべき点だと思います(笑)だって受賞したら重版待ちの予約待ちだもの・・・。
前回候補の『カソウスキの行方』から簡単に。正義感から後輩のセクハラ被害を上司に訴えたOLのイリエは、土壇場で後輩の裏切りに合い郊外の倉庫管理部門の左遷されてしまう。あまりに退屈でやるせない日々を紛らわすために、イリエは同僚の森川を「仮に好き」と思ってみることにするが―
「仮想好き」なんですよ。でもちっとも森川を恋愛っぽく好きにならないイリエと、飄々として面白みのあるんだかないんだかわからない森川がいい味を出しています。28歳独身女性の寄る辺ない日々。不安だらけだが暗くはない日々。うん、すごく上手だと思います。自意識が透けて見えない淡々とした書き方も、ラストのメールにおけるイリエの「仮想好き」の結末も、森下のその返答も。きちんとオチている上に、「恋愛小説」としてもとても良い気分で読み終えました。等身大の女性、という言葉は使い古されていて好きではないけど、イリエの考えること、行動、話し言葉もろもろがとても本当っぽい。仕事はきちんとするけど男と肩を並べるわけではなく、収入は一人暮らしの女性が将来も安泰と思えるほどではなく。真面目に、いい加減に、仕事してますよーって感じ。すっごいわかる。
絲山秋子は「男女雇用機会均等法」の人で、津村記久子は「就職氷河期」の人。その少し後の私は断然津村作品に共感するわけですよ。絲山作品は小説の内容よりも言葉の美しさに感動したからもあるな。イリエには女の怖さや毒があまりなくて、それでも少しの悪意を持って普通に生きている。そんなのがとても好き。そして個人的に津村さんの容姿も好きです。『カソウスキの行方』は中短編集です。後の2作も良い。「Everyday I Write A Book」も好き。片想い(というのか、あれは)相手の奥方のブログに日参してしまう主人公の悪意と切なさ。相手の男性とは一度も会話したことがなく、えっ、いつ惚れたの?という可笑しみもあっていいです。後輩のナオミちゃんやオサダとの関係など、これは芥川?むしろ直木では・・・という部分も絲山系だ(良い意味です)。単行本の薄さと値段にかなり躊躇したのですが、面白かったです。

さて、2005年に太宰治賞を受賞したデビュー作です。
『君は永遠にそいつらより若い』(『マンイーター』を改題)
身長175センチ、22歳、処女。いや、「女の童貞」と呼んでほしい―就職が決まった大学四年生のだるい日常の底に潜む、うっすらとした、だが、すぐそこにある悪意。そしてかすかな希望…?第21回太宰治賞受賞作。
この小説は一体どこに着地するのだろう?という不思議な浮遊感がありました。内容を説明しようとしても難しいです。大学4年生のホリガイの卒業するまでの日常、なのですから。かといってモラトリアム小説では全然ないし、これは一体何だろう。ホリガイと関わる数人の男女らのだるい日常?否。ホリガイの脱童貞記?否。といった感じで「なに、なに、なんなの?」と訳も分からずグイグイ読まされるんですよ。ホリガイとホリガイが惚れる(?)イノギさんの人物造形が、というか文体から何もかもが独特の乾きがある気がします。
そして、浮かび上がるというか、唐突に出てくるのですね。主題めいたものが。タイトルの意味が。その唐突さが突飛ではなく浮いてもいないのが、作者の力量の凄さを物語っているのではないかと思います。だるい日常をいきなり切り裂いて入ってくるもの。それは「暴力」。
安穏とした大学生の日常生活のすぐそばに潜む「暴力」の記憶。
他人の受けた傷に対してホリガイが選択する道は、不思議な説得力と切実さで私の胸に迫りました。
うーん、上手く説明できる内容ではないのですよ。面白い、と言い切れるのかもわからない。
でも「津村記久子が好き」と言うには十分な話でした。
タイトル、断然『君は永遠にそいつらより若い』の方がいいですね。

新刊の『アレグリアとは仕事はできない』も楽しみです。

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