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「まほろ駅前多田便利軒」

「ピアニッシモ」が休刊。
山田ユギ先生の「まほろ」はどうなるの~

「ピアニッシモ」が遅かれ早かれ休刊になるのなんて創刊したその日からわかっていたことだけど(失礼)、コミックス化もされないうちに中座とは残念至極だよ。あんなターゲットの不明瞭な雑誌、売れるわけないじゃないか!そりゃあ毎号立ち読みで済ませていましたとも!どこかで連載続けて欲しいけど、ポプラ社には他にコミック雑誌なんてないしなー。記念に買っておこうかしら。ユギさんの「まほろ」、好きだったのに・・・。

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直木賞受賞当時は世間の風評と同じように「BL(ラノベ)じゃん」と悪態付いていた私ですが、紆余曲折を経て(抱腹絶倒エッセイを読んで)普通に三浦しをんのファンになった今読み返してみると、とても好きだと思いました。まず、ラノベとして読むか文芸として読むかという自分の中の固定観念が、ここ数年でかなりなくなったのが好きになった要因のひとつかと。楽しいものは楽しいし、BL(ラノベ)にだって素晴らしい話はある。BLとして発表されなければ、文芸誌に載って何らかの評価を受けるのでは?と思う作品もある。ジャンルや発表形態に捉われずに、柔軟に楽しめば良いのだと思います。

まほろ市は東京のはずれに位置する都南西部最大の町。駅前で便利屋を営む多田啓介のもとに高校時代の同級生・行天春彦がころがりこんだ。ペットあずかりに塾の送迎、納屋の整理etc.―ありふれた依頼のはずがこのコンビにかかると何故かきな臭い状況に。多田・行天の魅力全開の第135回直木賞受賞作。

しかしですね、三浦しをんが書いている時点でそこにBL要素を見つけないわけにはいかないんだよ!でもBLを期待して読むと、二人の関係にはもちろん恋愛要素なんて微塵もなく、あるのは過去のわだかまりと似たもの同士の孤独な魂が、エンターテイメントしつつ抑制された表現で描かれていて・・・正直不完全燃焼なんですよね。だから、好きなんだけど何に焦点を絞って語ればいいのかイマイチよくわからない作品です。「人情物」と言い切るには渇いているし、多田の性格は「苦労性の兄貴」と表現するには屈折したものを抱え過ぎているし。とにかく第一に云えることは、私はこの話の設定がとても好き。「便利屋」には「探偵」と似た胡散臭さがあって、大してドラマライクでもなさそうな日常なのに微かにハードボイルドの匂いがして、単純に憧れます。いい年した女がハードボイルドに憧れるとか言ってるあたり痛いですかね(笑)男が一人で仕事をしている姿が好きです。何にも属さず底辺の方でしぶとく生きている様に色気を感じます。実はダメダメな多田ですが、私はこの男好きですよ。いつまでも傷を抱え続ける自虐的な様も含めて、なんだろう、苛めたくなりますね。多田も十分「漫画的」な人物だけど、行天はそれに輪をかけて漫画的。高校時代はクラスメートと一度も一言も口をきかなかった変人で、再開してからは饒舌なものの掴みどころがなく、子獣のような扱いです。そして恐らく幼少時に負った虐待のトラウマからか、他人と抱き合うことが出来ない。私は行天が童貞だという部分に、非常に萌を感じてしまったのですがどうでしょう。話は多田が営む便利屋に、無職になった行天がひょんなことから転がり込む(押し掛ける)ところから始まります。そこから「まほろ市」で起こる様々な事件(?)に二人が巻き込まれていく連作短編です。しをんさんは、たぶん自分でもこの話で直木賞を取るとは思っていなかったんじゃないかな?限りなく「BL匂」がするエンタメ小説を文芸誌が許すギリギリのラインで書いてみよう!という心意気を感じます。だって、この話はたぶんもっと深く濃くしようと思えば出来ると思うもの。比較として出すわけではないけど、菅野彰の『毎日晴天!』のような人情物にもなると思う。でも、そこまではやらないんだよ。一般文芸だからではなくて、しをんさんがBLを愛しているからこそやらないんだと思う。エッセイを読めば分かるけど、しをんさんのBLへの敬愛は限りなく深くて、自分の仕事とは一線を画して考えているのが伝わってくる。本当に好きだから、書かない―私が勝手にそう思っているだけですけど、そんな気がします。

一人でも平気。でも、二人でも平気なら、人は二人を選んでしまう生き物なんだよね。多田と行天の名前のない関係がとても好きです。じわじわと湧いてくる情のようなものは、傷を持った大人の二人をどこに連れていくのだろう。ああ、続編が読みたい。

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さっそく図書館で予約しました。しをんさんのは「月魚」しか読んでなかったんですけど、他のお話もBLっぽいのですか?
それにしても山田ユギだなんて絶対読みたくなります!山田さんって「メロディー」にも描いてませんでしたっけ?BLの作家さんって垣根がないんですかね?
うらやましい環境ですね。ああ、でもエロなしの山田さんって……、なんかちょっと不満。

「月魚」ほど明確な狙いは感じられませんが、他には「風が強く吹いている」「仏果を得ず」もBL匂がしますよ!単純に面白く読めるのでおススメです。
「まほろ」本家にも挿絵があって下村富美さんが描いているのですが、雰囲気が似ているせいか、ユギさん漫画はイメージにピッタリでしたね。
一般誌で描かれる人多いですよね。BLも非BLも面白いなんて、素晴らしい才能だわ~と思いますが、確かにユギさんはエロありの方がいいかも(笑)
「ピアニシモ」買っていればコピーしてお送りしたのですが・・・立ち読みしてみてくださいね!
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