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一般書感想

直属の上司(60代男)に「情けなくて、タメイキが出ます」と言われたyoriです。本屋は売れる本を売ってナンボの商売なんで、売れ筋切らしまくっている私は怒られて当然なんですけど・・・その言葉が妙に可笑しくて苦笑いしてしまいました。書面で言われたので「タメイキ」は原文ままです。でもね、曲がりなりにもプロとして言うことではないんだけど、私売れている本って全然興味がないんです。「何でこんなの買うの?」と思いながら注文して店頭に出しています。私的な気持ちを反映させると恐ろしいことになるので極力抑えているのですが、気を抜くと「こんなお涙頂戴売れないでしょう・・・」と油断していつの間にか売り切れと。
ああ、ダメだ。本当に反省しよう。ちゃんと仕事しよう。

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『生きてるだけで、愛』(本谷有希子)
あたしってなんでこんな生きてるだけで疲れるのかなあ。25歳の寧子は、津奈木と同棲して三年になる。鬱から来る過眠症で引きこもり気味の生活に割り込んできたのは、津奈木の元恋人。その女は寧子を追い出すため、執拗に自立を迫るが…。誰かに分かってほしい、そんな願いが届きにくい時代の、新しい“愛”の姿。芥川賞候補の表題作の他、その前日譚である短編「あの明け方の」を収録。
躁鬱病のエキセントリックな25歳女子と、その彼氏の話。本谷作品は単行本で追いかけるほどではないけど、かなり好きだ。さぞ生き辛いであろう女の子達の姿は滑稽で哀しくて可笑しい。学生の頃に一時期観ていた松尾スズキやケラリーノ的狂気混じりの世界観。残念ながら(?)私の精神状態とはあまり縁のないものなんだけど、だからこそ対岸の火事のような心境で読める。しかし、この話は他の作品に比べてやたら「わかる」気がした。怒れる女子には真逆の男が横にいるものなんだよね。津奈木の無気力な閉じ具合は寧子の過剰に溢れる様々な感情を吸収して飲み込んでしまうブラックホールのようなもの。寧子は自分と同じ場所まで津奈木に降りて来て欲しいと痛切に願っている。簡単に謝らないで欲しいと何度も何度も叫んでいる。でも、津奈木のような男でなければ寧子の側にいられないのもまた事実なわけで・・・。二人の間には距離なんかない。そんな大人しい関係じゃない。近くて近くて、でもお互いの姿が暗闇に紛れて見えなくなると、その瞬間相手の顔を忘れてしまう様な関係だ。実際「停電」がこの小説には何回か出てくる。象徴ってやつなんだと思う。躁状態の寧子は真冬の高架下で全裸で叫ぶのだ。北斎が捉えた奇跡のような五千分の一秒、その一瞬、理解できればいいんだと。私、この場面とても好きです。理解しあえなくても、なんかもう鬱で辛くて大変で、「愛」って何よ?って思う様な状況でも、この二人の底にあるのは確かに「愛」なんだと思いました。
内容に比して読後感は意外なほどすっきりです。幸福のようなものさえ感じたのがすごい。好きだ。

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