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「COLDシリーズ」(木原音瀬)

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事故で記憶をなくした高久透は、友達だと名乗る年上の男・藤島に引き取られる。藤島は極端に無口なうえ、透の「過去」を何ひとつ教えてくれず、透はどこにも居場所がないような寂しさを募らせる。しかし藤島とともに暮らすうち、彼の中に不器用な優しさを見いだして―

目を覆いたくなるような暴力描写にい~や~となりつつも最終巻まで読み終えました。
最初に云うのもアレですけど、とても面白かったです。
確かに痛い。とっても痛いのだけど、あのラストならば私は二人に起きた総てを受け入れられると、単純に一読者として思いました。書き下ろしの甘い話がなくても、この二人の未来は大丈夫なのではないかとさえ思いましたよ(後書読んだら恐ろしいことが書いてあったけど)。うん、読んで良かった。

要約すると複雑なようでいてとてもシンプルな話だと思います。

記憶を失ったAがいた。Aを愛しているBがいた。
記憶を失う前AはBを憎んでいた。記憶を失ったAはBを深く愛するようになった。
そして6年後、突然Aの記憶は戻るが、引き換えに6年間の記憶をすべて失っていた。
AとBの関係はその時どうなってしまうのか。

私は木原さんの小説にあまり感情移入したことがないので、今回も割と突き放して読んでいました(これは間違いなく防衛本能の為せる技だと思う)。2巻の甘さもそこだけ読む分には大好きなんだけど、すべては3巻の為の布石に過ぎないとわかっているから「騙されない!」と思いつつ読んでしまいましたよ。本当の真っ白状態で読んでいたらどうだったかな、たぶん変わらないだろうな・・・。

これは何だろう、愛やら恋やらの話ではなかった気がする。
いや、たぶん愛情の一つの関係性の話ではあるんだけど・・・上手く言えない。ぐるぐるしてます。
記憶喪失物というのはある種監禁物と同じで、記憶を失った方が相対する人物に「依存」してしまいがちだと思うんですよ。頼れる人がこの世で一人という感覚はとても似ていると思うんです。そう思うと、透が藤島を好きになったのだって、実は「依存」の延長で、おまけに幼少期に藤島だけは優しくしてくれた、という例の「裏切り」以前の藤島を慕う気持ちと被ってしまったのでは?と思ったのですよ。
だからといってそれが愛情じゃないわけでもなく、人が人を求めるのに執着や依存が微塵もない関係なんて嘘だと思うし、大体人間の本質とは一体どこにあるのだろう?なんてことまで考え始めるともうわけがわからなくなります。
始まりがどうであっても、藤島は最後まで透を諦めなかった(気持ちを欲しがるという意味ではなくて、彼が人として幸いを生きることを)。その藤島の気持ち一つが、この話の不変の部分ですよね。
藤島の執着や献身的な愛情は病的で、彼の生い立ちと相まって、まともじゃない。でも人はまともじゃなくてもなんとか生きているものだし、藤島はたぶんずっと透を「救いたい」と願い続けていて、最終的にそれは叶ったんですよね。透の気持ちが依存でも、藤島は真に彼の傍を離れることはないのだろうから。本編だけだと歪みの部分がとても大きいラストです。でも私は断崖絶壁の際のような、不安定な足場に立っている彼らの姿も、この話のラストには相応しいと感じました。

なんだかすっごいぐだぐだな感想というか呟きになってしまったよ。
ひとつ云えるのは、私のように怖くて読むのを躊躇している方は「大丈夫だから、読んでみて!」ということです。だって、やっぱりとても面白かったもの。

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