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「モルグの番人」(今城けい)

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知り合って10年。ただ1度の例外もなく再会のたびに須賀を凝視するのは、IQ200の麗人・柳。新聞社で死亡関連のデータばかりを扱う特殊な部署、通称『モルグ』に勤める少々奇矯な男である。その柳を滅私盲愛し、献身的に支える須賀は雑誌記者だ。そんな二人が、ある日、手違いでモデル売春の副産物である1枚の裏AVを入手して…。非道な事件の解明とともに、10年間友人を貫いてきた二人の、互いへの妄執と独占欲が暴かれる!排他と包容―究極のオンリーワン・ラブ。

前評判としては知っていたのですが、「読み辛さ」や「展開の荒唐無稽さ」云々ひっくるめて非常に楽しく読んでしまった自分と作者の力技にビックリです。
読んでいる間中「!?」の連続ですよ。時には「はぁ!?」と声に出していましたね。
通勤電車で読み始めて普段なら始業30分前には余裕で店に入っている私が、休憩室から3分前ダッシュをするぐらい夢中で読んでいました。
なんだろう、たぶん、すごーくツメの甘いB級サスペンスという解釈の仕方で間違ってはいないと思うのだけど・・・それにしても「アリなんですか!?」という展開の連続で今城さんという方の思考回路をもっと知りたいが為に新作を待ち望んでしまいそうなぐらい、えーと、面白かったです(他に上手い言葉が見つからない)

エキセントリックを遥かに凌駕して明らかに精神疾患一歩手前だろうという受け。そして、純情で熱血で少しヘタレ(受けに対してのみ)な攻め。この話は、そんな二人の「とにかくお互いを好きで好きで好きすぎてたまらないんだー!!」という想いのみで構成されています。しかし、二人の関係が動くきっかけになる事件と受けの性格が変過ぎて、通常なら私の好みである「10年来の片思い設定」であるというのにトキメキもキュンも全然感じませんでしたよ(笑)事件が変というか、その解決方法が変なんですけどね。ネットに疎い私だって「それはちょっと」と突っ込みたくなるような事をちょちょいと受けがやってのけてしまい、その後のスピード解決に「ドンデン返しはいつ?」という期待も虚しく大団円と。インターネットは魔法の世界なんですね、と大らかな私は気にしないふりが出来ましたけど・・・それにしてもスゴイ。

インターネットで事件の情報収集・解決といえば、米澤穂信の『犬はどこだ』がパッと思い浮かびます。25歳のモラトリアム真っ只中ヘッポコ犬探し専門探偵を私は愛していますが、彼にもネット上の友人がいて、その友人が何もかも解決してくれてましたっけ。ネットは魔法の世界、にしてもリアリティが雲泥の差ですが。

感情の激しく欠落した受けの姿に私はどうしても魚住君と「毎日晴天」の秀を連想してしまいますが、須賀は柳を「そのまんま」受け入れるのです。ここが大きな違いですね。柳の病的な「依存」をちっとも気にせず「オンリーユー&オンリーワン主義」とでもいうべき二人だけの閉じた世界で幸福になる。久留米や大河は決して「そのまんま」の「依存状態」を受け入れようとはせずに、傲慢な云い方ではあるけれど「生かそう」と努力していたと思うのですよ。まぁ、柳はぶっ飛び過ぎていた上に須賀にそこまでの気概を感じなかったので別によいのですが。なんだかんだで二人が想いを遂げて柳の身体が反応を示す描写に喜びを感じてしまった私は、やっぱりこの話が面白かったし、結構好きかもしれません(笑)

エキセントリックすぎる受けが一番書きやすかったと断言した作者後書には驚きとともに、妙な感慨を抱きました。この人は「本気」で書いているんだ!!というのが伝わってきていっそ気持ち良かったです。


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