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姫野先生のこと

今月の「婦人公論」に姫野カオルコ先生の記事が載りました。

好きな作家というのは不思議なもので、普段は頭の片隅にちょこっとしかないのにふとした瞬間に甦ることがあります。ま、雑誌の広告読むのも仕事なので偶然目にしたというのが大きいのですが。大体熱烈なファンならコラム情報一つ洩らさずにチェックするだろうし、ファンサイトやブログのチェックも怠らないだろうさ。そこは当社比の「好き」ということでお願いします。
昨年は文庫化が続いていたのと、近年の著作には熱烈に好きと云える程の気持ちを持っていなかったこともあり、「新刊が長いこと出ていない」事実にすら気が付いていませんでした。いや、気が付いてはいたんだけど漠然と「書くのを止めたのかな」と思っていた。というのも姫野先生は明らかに問題意識を持って作品を発表し続けていた方で、でもその問題のあり方が「ツ、イ、ラ、ク」を境に昇華してしまったようなことをインタビューで読んだからなんですね。書くことに意味がなくなってしまったのかなと。


BLでも一般書感想でもない雑文です。
不勉強な人間が吐きだしていることなので、興味のある方だけどうぞー。






でも違ったんですね。
記事のタイトルは「介護、伯母の死、病気療養を経て辿り着いた境地   これからは、偉いオヤジに嫌われる女王として」
2006年頃から「鬱病」を患っていたというのです。その文字を見た瞬間に変な話ですが、私は「あー」と声に出して納得していました。姫野先生と介護も、姫野先生と鬱も、誤解を恐れずに云えば妙に頷いてしまう問題だったからです。一ファンである私がそんなことを思ってしまうのはもちろん膨大な冊数のエッセイによるところが大きいのですが、実家との軋轢無理解云々、特に厳格な父親とのエピソードは先生と私の年齢差を考慮に入れても半ば信じられなかった(教育指導に日本刀を使ったり)。先生は田舎の旧家の一人娘だったわけで、介護問題と無縁ではいられなかっただろうし、とても真摯に「笑い」を追求される人だったので、「鬱」の影も今思えば色濃い人だったなと。記事内では鬱になった一番の要因として、「自分の小説が社会に受容されることはないと気が付いたこと」だとあります。もちろんそれだけではないと思うけど、3度の直木賞落選経験にも繋がるのかなと思いました。

先生の考えでは「父親との軋轢を抱えたまま大人になった表現者の女性は、恐らく社会的に認められることはない。社会とは地位のある男性とイコールだから。意識的でも無意識的でもそういった男性に反発をし続けてしまう。だから偉い男の人に嫌われるような小説しか書けないんですね」(意約)

社会的に成功している表現者の女性でパッと思い浮かんだのが「よしもとばなな」ぐらいなのでアレですが、なんとなく一理ある気がしました(蛇足ですが、長女である氏の姉が耽美作家という事実も含めて)。というか、姫野先生の小説が「偉い男性」に受け入れられないのは、それはそうでしょう。少女の汚さや性欲を認識し、記号だらけの恋愛事情に反旗を翻し、要するに、社会的に「当然」と言われている物事を否定し続けていたのが先生の小説なのだから、男性受けが良くないのは理解できますよ。
BLなんて社会的に認められないものの最たるものですが、(認められたくはまったくないが)端から「偉い男性に認められるわけがない」という基本条件のもとに成立している分野ですからね、これは。ただ、「社会への反発」云々といった「やおる理由」的な論調は、先日他界した栗本薫先生の評論や、よしながふみと三浦しをんの対談でも記憶にあります。「既存の男女関係」や「男性優位社会」への反発といった意味で語れば、BLは十分「反社会的」なわけで。
でも、姫野先生はやおいの方向へは行かなかったんだよね。私の記憶は信用なりませんが、先生の作品内で男性同性愛描写は一度もなかったように思う。「やおい」とはまったく違った意味で、女性同性愛(羨望と憎悪と欲情が入り混じったような感覚の)描写はかなりあるんだけど。

姫野先生の戦闘態勢は、いつだって直球勝負で社会に向かっていたんだなと改めて思いました。

「好きなことだけを書く」というブログを始めてから、先生の心は少しずつ健康を取り戻しつつあるようです。これはとても良くわかります!私にとってもストレス発散手段としての「萌え書きブログ」ですもの。書くことによって苦しめられて、書くことによって救われて。作家というのは本当に因果な商売ですね。それでもまだ全快とはいえない状態な上、身体の方にも不安要素を抱えているようですが、改めての「宣戦布告」に一ファンとして心動かされるものがありました。そして今更ながら、先生が書く姿勢にあることを嬉しく思います。先生の心身が回復されることを祈りつつ、今後の活躍を見守りたいと思います。

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