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「MO’SOME STING」ヤマシタトモコ

mosome.jpg
最初に一言。すごく面白かった!大好き!!

なんだろう、久しぶりにヤマシタ漫画で「もやもや」がなく最後まで突っ走るように読んだ気がする。読み終わるのが残念で残念で仕方がなかった。まだまだ足りない。この人たちの話をあと2,3巻は読んでいたい。そして久しぶりにヤマシタ漫画の男に萌えた!私の苦手な細身の今風の青年が一人も出てこない、全員30以上で男臭い血と暴力に彩られた話。「イルミナシオン」収録の「神の名は夜」を彷彿とさせる世界ですね。ホモのエロスが暴力と直結している―と「イルミナシオン」の後書にあったけど、私はヤマシタさんについては市井の人々の話よりも、暴力的な裏社会系のホモの方が断然好きだな。需要、あまりないのかな。残念だな。後書によると「キャラ萌え」を意識して描いた漫画だったそうですが、「自殺願望のマゾ」に「献身的なヤクザ」に「分裂症気味の変態」に「普通の保険屋」、そして「ヒロイックな女子高生」!なにこのテンコ盛りは!?それぞれの人物が本当に魅力的で、退屈なコマやページがひとつもない。冷静な感想なんて書けそうにないぐらい、ちょっとこれは好き。

裏表紙のあらすじが微妙に的外れな気がするのは私だけでしょうか・・・?
死にたがりの法律屋・田貫と、裏世界に片足突っ込んだ浅黄、微妙な友情の2人。浅黄の姪・十和子がヤクザに命を狙われ始めてから、彼らを巻き込んで命がけのゲームが始まった…! 要領よく生きてきた男たちが、一人の少女を守るためどんどんピュアになっていく──。
2人は「微妙な友情」ではなくて、浅黄が田貫に熱烈な片思いをしているという関係だし、「ゲーム」じゃ済まない話だし、保険屋以外誰一人として「要領よく」なんて生きてはいないし、「ピュアに」っていうか「必死に」だし・・・あぁ、こんなあげ足を取るよりも他に書きたいことがあるのに!

長編なので物語に起承転結はありますが、そこはヤマシタさんらしく、サスペンス風の始まりに血生臭い事件を描きながらも結局は人間の「生き様」のようなテーマを全面に出してきます。後は、ままならない「愛」の物語かな。全員がメインの群像劇のようでもあるし、ヒロイン十和子を狂言回し的立場に置いた各々の一人芝居風のオムニバスでもある。この漫画がBL雑誌に連載していたのか、本当に自由だな。
個人的なキャラ萌えどころとして、私はヤマシタ漫画の「サドマゾ」が大好きなのですね。見たことない切り口で人間の思いがけない滑稽さと真摯さを示してくれるから。だからマゾの田貫と彼を愛するホモだけど至って普通の嗜好の持ち主浅黄の関係がたまらなくツボだった!「死にたがり」というある意味恥ずかしい(と私は思う)設定を正面切って持ってくるヤマシタさんが好きだし、何より田貫の無邪気なようで虚無的な目に魅せられている浅黄に萌える。彼の純情と優しさが死にたがりのマゾにとっては「無意味」に近いものであることに萌える。でも、徐々に「無意味」が「意味」を持ち出す様子にもっと萌える。そう、私は浅黄がすっごく好きです。「変態」の中国人マフィア(狐)には何気に「掘られている」という数コマのエピソードに萌え死ぬかと思いました(色々スミマセン)。この狐もまた熱烈に浅黄を愛しているのだけど、浅黄の気持ちは田貫以外には向かないのね。その憤りから狐は浅黄が大切にしている十和子を、彼女の父親の不手際(?)にかこつけて消そうとするのですね。そして普通人の「保険屋」が十和子に絆されて生まれて初めて「必死」になったエピソードも好きだ。ヤマシタさんは「ネーム」で魅せる人だと思っていたけど、今作は漫画として画面もとても魅力的だった。

死にたがりの田貫と、死にたくないのに死にそうな十和子の「生」への執着の対比で叫ばれる十和子の台詞こそが、きっとこの漫画でヤマシタさんが一番描きたかったことなんだろうなと感じた。かなり恥ずかしい(時に鳥肌すら立ちそうな)台詞を連発しているのだが、「恥ずかしいけど書かずにはいられない!」という作者の衝動が感じられて愛しい。
事件は思いがけない人物の介入で一気に収束をして大団円に向かうのだが、狐は相変わらず浅黄にアタックを続け、保険屋は十和子にアプローチをしてはふられ、浅黄は恐らく田貫を愛するのだろう。肝心の田貫は、最後の最後まで「生きる意味は何」と問いかける。彼に与えられた回答は至極当然のものなのだけど、十和子と関わったことで何らかの変化が彼の内面に訪れたような、素敵なラストだった。

確かにBL誌以外では書けなかった話なのかもしれない。
たまに垣間見るこの世界の懐の深さに心底感謝。そのぐらい、面白い話でした。
登場人物が動物の名前を持っているのが妙に可愛かった。ちょっと「寓話的」な味付けも意識したのかしら。とにかく好きな話です。どうでもいいですが、ひとつ前の「Love, Hate, Love.」との熱の違いが申し訳なくなりました(笑)


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こんにちは~

こんにちはー。私も読みました。とても面白かった・・・!記事を読んでいたら色々と共感してしまったので、ついついコメントしてしまいました。確かに一冊で終わるのは勿体無いですよね・・・!キャラが魅力的すぎます。浅黄いいですよね・・・田貫との関係もいいな、と思います。無意味が意味になるという表現がとても的を得ていて、素晴らしいなと思いました。王も個人的に結構好きなので、彼との絡みも萌えました・・・。この話ビーボーイ(しかもゴールド)に掲載されてたのを知ったときは驚きでした!懐深いですよねぇ。あらすじはちょっと的外れな気もしますが、あらすじを書くのが難しい作品のような気もするのですよね・・・。なので、そこは見逃す方向にしました(笑)
それでは~。

こんばんは!

>豚なすびさん

これ面白かったですよね!久しぶりにヤマシタさんのホモに萌えたので幸せでした~。
私はリブレから出している既刊の2冊とどうも相性が良くなかったので、今回もあらすじ読んだ時点ではあまり期待をしていなかったのですよ。それが、びっくりするぐらい自分の好みにハマってしまったので、普段なら気にならないあらすじのあげ足取りなんぞしてしまったのだと思います(笑)

王も魅力的でしたね!30歳メガネの隠れエリートヤクザ男があのストリート系服装でドオタクの変態。もう素敵すぎる。おまけ漫画で浅黄だけ年上だと知った時は、王と浅黄の関係を思い浮かべてニヤニヤしてしまいました(気持ち悪い)。「カウンセリングに行きなさい」と言って王の頭を触る浅黄とか、もう反則ですよ。本当1冊で終わらせるにはもったいない人々ばかりの漫画でした!

好きな本にコメント頂けて嬉しかったです。ありがとうございました!
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