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「はつ恋」榎田尤利

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事故が原因で2度目の高校生活を送る久我山。大人びて冷めた瞳の久我山に、担任の曽根は親身になってくれる。うっとうしい教師だったはずの曽根を知るにつれ、その甘い声をもっと聞きたくなってしまう久我山。胸が痛むほどのこの想いに名前があるとすれば―恋。しかし曽根には恋人がいるうえ、自分はただの生徒にすぎないと知り…。それでも彼を守りたい。未来を変えるために、今、恋をする。

ようやく読みました!お、面白かった!
あらすじを読んだだけでは絶対にわからない物語の「仕掛け」も含めてとても楽しく読みました。
これはネタバレしない方が良いのかな?知らなかったらとりあえず「そう来たか」と驚くことは必至でしょうね。以下、感想未満ですがネタバレ注意です。

私も大人と云われる年齢になり、たまに学校の先生の事を考えます。特定の先生を思い浮かべるにはあまり先生と親しい関係を結ぶ生徒ではなかったのでアレですが、あの頃の先生達と近い年齢になって見えてくるものというのは確かにある。すごくある。今の自分に中学生の相手が出来るかなんて想像するだけで足が震える事態だし、高校生の悩みに応対出来るかなんてまったくもって自信がない。一部の不祥事ばかりが耳に入る世の中ですが、確実に尊敬に値する職業だと素直に思います。
あの頃は、先生は揺らがないというか、迷わない完璧な大人であって欲しいと思っていました。そんなわけないのは頭ではわかっているのに、親以外で一番身近な大人にはやっぱりちゃんとしていて欲しかった。でも学校生活の中で見えるのはカッコイイ姿ばかりではないわけで・・・なんというか、「教師も人間」という当然のことを本当には理解しようとしていなかったと思う。反発も迎合もしなかった私は、「はつ恋」で津田のイジメを見て見ぬふりした生徒達の「無関心」に一番近かった。そうそう、私は一度も「先生になりたい」と思ったことがない人間ですが、一番の理由が「簡単に人に面と向かって嫌いと云われてしまう職業だから」なんです。私がそうだったように、子供って簡単に先生のことを「好き 嫌い」で話すでしょう。自分の世界に関わる大人に対して他に言葉をまだ持たない時期なんですよね。その残酷さに、私の心は間違いなく折れると思う。
3年間嫌いだった中学の担任と同い年の現在。私の身に久我山と同じことが起きれば、恋に落ちはしなくても確実に見る目は変わるでしょうね。逆に変わらなかったらそれはそれで怖い。

成長したからこそ理解出来ることがある。そして恋をする。すごく素敵な話だと思いました。
恋愛部分が急ぎ足という感想をちらほら拝見しましたが、私は良かったと思います。後日談までキスしかしないのも良かった。急展開に次ぐ急展開&SFファンの人はちょっと首を傾げそうな気もする「仕掛け」ですが、やっぱり榎田さんは小説が上手だなぁと再確認しました。「犬より」の感想でも書いたけど、作中のAという人物にある事象が起きた場合にAの内面にどのような変化が起きるか。これが榎田さんは本当に、本当に上手い。平易な言葉の羅列なのに、人の感情の機微に有無を言わせぬ説得力がある。ええ、久我山の恋する想いに久しぶりに目頭が熱くなりました。

良いものを読みました♪


そうそう、今回からなるべく挿絵についても感想を―と思ったのですが、小山田さんは元々好きな方なので「良いです」としか云い様がありませんでした(笑)表紙と扉絵、美しいです。特に扉絵。過激な濡れ場の扉絵に慣れてしまいましたが、肌色系のものって案外見返さないのですよ。うん、「はつ恋」は一枚で「絵」になっている完成された扉絵です。

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