スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「まほろ駅前多田便利軒」山田ユギ

mahoroyugi.jpg
東京の南西の大きな街、まほろ市。まほろ駅前で便利屋を営む多田は、ある日仕事先の近くで、高校の同級生・行天と再会する。高校時代は言葉も交わしていなかった二人だが、行天は多田の事務所兼自宅に転がり込むことに。便利屋には、庭の掃除や子どもの送り迎えなど、「普通」の依頼が舞い込むが、二人が関わると一筋縄では行かない方向へ…?

待望のユギさん版「まほろ」!
「ピアニッシモ」が休刊になった時はコミックスで読めることはないのだと悲しんだだけに、無事に刊行&連載が決まってホッとしました。これが日の目を見ないなんてもったいないもの。
とにかくユギさんは上手!!原作付きコミカライズでこんなに感心したのは初めてかもしれない。原作の雰囲気とユギ漫画の雰囲気が合っているせいも勿論あるのだろうけど、文句なしに「まほろ」の世界を再現していて素晴らしいの一言です。多田的な登場人物はユギ漫画でもわりと見かける半面、行天のような謎だらけでエキセントリックなキャラクターは珍しいのではないでしょうか。そこもまた新鮮でした。多田の疲れた色気も、行天の得体の知れないダメ~な感じの色気もとても良い。特に行天の危うげな表情といったらめちゃくちゃ魅力的。

ユギさん版「まほろ」の方が原作よりも二人の関係と内面に焦点を絞っている印象を受けました。
私は原作の感想で「エンタメなのか違うのかはっきりしない」的なことを書いたのだけど、この漫画を読むと、そんな風に考えていたのがムダだったのだなというぐらい、エンタメではなかったのだなと改めて思いました。これは彼らの「孤独」についての話。そこに明確なカタルシスを求めるのがそもそも違うのよね。だって孤独は誰にでもある解決しようのない問題だと思うから。
三浦しをんが、よしながふみとの対談の時に使った「孤独と連帯」という言葉があまりにインパクトがあって、以来ずっと頭の片隅で響いているのですが、この二人の関係なんてまさにそうですよね。人はすべて孤独な生き物だと思うけど、「まほろ」はそれがより強くテーマとして表れている。寂しいことを云うようですが、大人になるに従ってどんどん孤独になっていくなぁと思うのですよ。学生時代は集団でいることが半強制だったし、皆がみんな同じように行動していた。その中でだって当然孤独や疎外感はあるのだけど(そして集団の中で感じるソレの方が100倍痛かったりするのだけど)、大人になってからの孤独は物理的なポツリ感があるなと思うのよね。それが苦痛でもないあたりが(たぶん多田も)、もう仕方がないとしか云い様のないものなのだけど。
でも、多田はときどき思うのだ。
1人でいる重さに耐えかね 耐えかねる自分を恥じているのだ と。
このモノローグとともに二人が向き合う場面がとてもいい。
ユギさんは重要なモノローグを正確に拾い上げて表現している。本当に上手。

行天は昔から物理的ポツリに自ら身を置いてきた男で、彼が何を考えているかなんて私にも多田同様にわからない。寂しいのだろうか、きっと寂しいのではないかな、と多田と同じ視点で納得をして眺めることしか出来ない。そんな行天はすごく魅力的で悲しい人だと思う。対する多田は、きっとじわじわと孤独になっていった人。多田が離婚した経緯はどこにでも転がっていそうな話だけど、その後に選んだ根なし草のような「便利屋」という職業が、彼が進んで孤独を選択したかのように思えて切ない(世の便利屋稼業の方、すみません)。多田と行天の繋がりといえば「指」だけど、熱を持たない行天の指に多田が感じた「―どういう気分だろう どれだけ熱源にかざしてもなお温度の低い部位を抱えて生きるとは」という言葉こそが、多田が内面に確かに持っている冷え冷えとした孤独を表しているのではないかなとふと思った。

「孤独と連帯」の名の元に男女が集ったら、それは呆気なく「恋愛」になるのだろうと思う。
反面、男と男が「孤独と連帯」の名の元に集うことなんて、実際はとても難しいことなのだろうと漠然と思う。最初から名前のある関係ならともかく、彼らは一緒にあっても、名前が付けられるような関係には収まらない。同級生、知人、友人、仕事仲間、どれもこれもしっくりこない。でも、それでも共にある関係が「まほろ」という幻のような土地には確かに存在するのではないかと思わされる。どうしようもない孤独を抱えて連なる二人があっても良いのではないかと思わされるのだ。
改めて云うことでもないけど、私は彼らの関係がとても好きだ。

1巻はまだ序章。続きが読めるのが楽しみ♪



男と男に「孤独と連帯」が困難なのではないかというのは、実はこの本からの入れ知恵(?)

男おひとりさま道男おひとりさま道
(2009/10)
上野 千鶴子

商品詳細を見る


数年前に話題になった(今も売れている)、「おひとりさまの老後」の男性版。
会社という組織(社会)から放り出されてもなお、男というのは「地位や名誉、役職、階級、職種、その他諸々」といった社会的立場で自分を語りがちなのですって。その結果、男性のコミュニティ(老人ホームや習い事教室)ではギスギスした力関係が生まれやすいとかなんとか。←正直云うと本を読んだわけではなく著者のインタビュー記事を雑誌で読んだだけ

なんだかちょっとわかるかも~と思った。
大変勝手なイメージだけど、腐女子(女オタク)が簡単に結託出来るのに対して、男のオタクって「個人主義」というか・・・オタク仲間内でも強烈なライバル意識がありそうな感じがするのよね。基本的に男は、「孤独」を理由に「連帯」はしないのではないかな~なんてまったく根拠のないことを呟いてみる。

だから「孤独と連帯」を見せてくれる関係は「ヤオイ的萌え」なのだと思う。
私は、多田と行天の関係はある意味BL以上に奇跡のようだと思います。

コメントの投稿

非公開コメント

仰天!行天!!(笑)

原作より面白いって困ったもんだわ~。
原作よりわかりやすいってまいったわ~。
原作より登場人物つかめるってホントにまったく~。

想像以上に美丈夫の行天にやっほ~!!
想像以上に色っぽいお二人さんにドキドキ!!

どうせなら原作無視してくっついてくれ、と思ったりしたけど、
コミック読んで考えを改めました。
このままでいいです。っていうかありえないな。
「男おふたりさま道」突き進んでくだされ!!


まさに仰天!

>cochiさん

あはは、しつこいですね(笑)

原作よりも・・・ああっ、云っちゃった(笑)!!

しをんさんの人情物って「どこかで読んだような?」感があって、あまり素直に面白いと思えない部分があったのですよ。ユギ版「まほろ」は人情エピソードを程良く抑えているあたりがツボに入った理由かな~。
脇役は脇役でいいの!二人の絡みや会話がもっともっと読みたいのよ~という願望を叶えてくれたように思います。
しっかし行天美人すぎる。何でしょうね、あの色気は。
表紙を眺めてニヤニヤしております。←BLじゃないから机に出しっぱなしでも平気なの~♪


「Jの総て」読み終わりました!面白かったです~。
想像よりも明るい話でホッとしました。Jが清々しいぐらいの「オカマ」だったことに驚き。
そして、Jよりも、ポールよりも、モーガンが超気になるのですけどっ!
「ばら色の頬のころ」がポールとモーガンの話だと知り読みたくてウズウズしています~。

J

「Jの総て」よかったでしょ~?
ほんとに前向きで健気で強くてかわいくて……。
もうオカマの鏡!!ですよね。
モーガンも想像以上にいいヤツですよね。
「ばら色の頬のころ」も読んでみたいです。
そのうちオークションで落しますわ。

ばら色

さっそく近所のブック●フでゲットしました!!
待てますかー?お渡ししますよ♪

モーガンが報われないことはわかっているだけに切ない展開で、予想をはるかに超えて彼に夢中になりました(笑)面白かったです!
現在のJとポールもオマケで出てきます!
明日美子作品の中で一番好きと云えるかも~

待ちます!

ブック●●にあったんですか!?たまには覗いてみるべきですね~。
待ちますよ~、新年会が楽しみですわ~。←いつの間に新年会?

西田さんの「LIFE」すごいことになってますよ。一巻とまるで雰囲気違う!!こんなのありかのエピソード満載!
そのむちゃくちゃぶりに「春抱き」14巻思い出しちゃいました。←読んでないけど。
まだ買ってなかったら持っていきますよ~。

明治さんの新刊、ファンタジーですよね?
Hシーンありますか?激しいですか?
それによって買うかどうか決めるって……どうかと思いますケドそれ大事ですから(笑)

ないです!!

あはは、まったくもってないです。
「ほのぼのファンタジー」なので、BLでも耽美でもありません!!この先の展開次第でちょっと恋愛要素が出てきそうな予感もしますが、どうかな~。
可愛らしい話なので好きな人は好きだと思います。cochiさんはどうかな?明治さんのいつもの漫画を期待しなければ、好きかも。
これも持って行きますね!

西田さん!買います!すぐに買います!
驚きの展開なのですか!?楽しみ~

プロフィール

yori

Author:yori
気がつけばいつもそばにBL.猫かぶってみても、結局たどりつくのはそこなのです。感想は基本的にすべてネタバレ注意です。拍手&コメントありがとうございます。拍手コメントは該当記事のコメ欄にてお返事いたします。リンクフリーですがご一報頂けると嬉しいです。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
カレンダー
04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。