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「40男と美貌の幹部」海野幸

40男と美貌の幹部 (二見シャレード文庫)40男と美貌の幹部 (二見シャレード文庫)
(2009/02/23)
海野 幸

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「君が欲しくて仕方がなかった」―勤続十数年。突然のご指名で支店勤務になった上城宗一郎を待ち構えていたのは、七歳も年下の美貌の上司だった。幹部候補生という社内でも特別なエリート社員である篠宮辰樹は、一分の隙もないスーツ姿とは裏腹な、艶かしいほどの色気と掴みどころのない性格。しかも、接客の練習としてまず篠宮自身を口説くよう命令してきて!?風変わりな上司に翻弄され、なぜかときめきを覚えてしまった四十男の運命は…。

BL本読了後にしては珍しく「仕事がんばろ…」と思わされた1冊でした。
面白かった!
以下、感想未満の雑文でございます。

ワーキングBLといえば私の中では榎田さんの「普通の男」が印象に残ってます。馴染みの業界の話ということもあり、読んでいても仕事描写に頷いてばっかりで二人の恋愛に萌えるどころじゃなかったけど(笑)
この「40男」はまったく畑違いの業界(化粧品業界)の話だけど、それでも「販売」に関わる話なので耳が痛いと云うか身につまされる描写の連続でした。優秀な幹部候補である篠宮が宗一郎に伝授する営業術は、たぶんとても基本的なことであり、正論。二人の仕事のやり取りを読んでいると「どこの自己啓発本ですか!?」とツッコミたくなるぐらい、仕事のノウハウが正攻法で描かれている。だって、営業する上での人心掌握術がどんだけ重要かは日々営業される立場の中でとても感じていることだし、それが「手土産」だったり「世間話」だったりするのは個々の違いであり、彼らにとっては試行錯誤の段階でもあるのかもしれないとかね。ともかく営業さんと話をしていると、物事ってのは人で動いているのだなぁと実感することが多い。篠宮の歯の浮く台詞だって、決してファンタジーではない説得力があった(仕事描写にリアリティがあるとはまた違うのだけど)。篠宮のアドバイスとそれを実行する宗一郎に、思わず自分の営業的な社交術の未熟さまでも省みてしまったよ…。

そして物を売る立場からも頷いてしまう言葉が多かった。
「自分が今やっている売り方が常に正しいなんて考えは捨てなさい。そのときは最善でも、時間が経てばもっと違うやり方が出てくるかもしれない―」いや、これってものすごく正論ですよ。そんな正論吐かれても!ってなぐらい正論。でも正しいからこそ改めて聞くと耳に痛いというか、「あ~、そうですよね~」と納得してしまう。本当、自己啓発本(読んだことないけど)ってこんな感じじゃないのかな。こんなところであまり真面目に仕事の話もアレだけど、そういえばウチの会社も厳しい時世に対応する為に色々なことをやってきた(と思う)。入社してから数年間で色んなことが目まぐるしく変わったし、色々文句はあったけど、それなりに正しい方向性を示しているのかもしれないと納得出来るように最近はなってきた。少なくとも思考錯誤している段階を「意味がない」なんて思う事はなくなったなぁ。うーん、仕事がんばろ…。

正直読み始めた時は、40男である宗一郎が篠宮(幹部候補とはいえ)に「反発、反感」をよく抱かないものだなと不思議に思ったりもした。篠宮は部下とはいえ年上の宗一郎に、結構きわどい喋り方をしていると思うのだけど…それは私がまだ「年下の上司」を持つに至っていないからが理由なのかもしれない。でも、40の宗一郎は「会社」がどういう場所なのか、「上司」というものがどういう立場の人間なのかをよく心得ているのよね。個人の瑣末なプライドの問題など、「仕事が出来る」「会社のことを考えている」人間の前では何の意味もないという至極当然のことを。だから篠宮の指示に忠実に従うし、必死でサポートしようとも思うわけだ。ただ贅沢を云えば、篠宮のカリスマ性が前半の短いエピソードではちょっと足りなかったかな。宗一郎が恋愛感情を抜きにしても篠宮を「サポートしたい」と思わされる絶対的な力を感じる部分がもう少し欲しかったかも。
それはともかく、年上の部下×年下の上司という下剋上(?)な関係を持ってきて、実に穏やかに恋愛に移行させてしまった海野さんは面白い人だなと思いました。恋愛面への移行の仕方がとても可愛くて(特に篠宮の気持ちが超可愛い!!)、小道具(飴玉)と涙にイチコロでしたよ!篠宮がお決まりのように色事には不慣れというのも凄く可愛かった!!仕事描写がここまで多くなければもっと萌えた可能性はあるけど、これはこれで面白かったので良かったです。後半の販売員の接待旅行も甘々な後日談かと思いきやバッチリ仕事メインの話ですしね。

実はこれを読んだ日、仕事でいろいろあって凹んでいたというかヤサグレモード全開だったのですよ。
だから余計にいろいろ耳に痛かった(笑)あっ、関係ないけどそもそも私は「化粧品」への興味関心が著しく低い女なので(デパートの1Fは足早に通り過ぎるタイプです。座って化粧してもらうなんて恥ずかしくて無理!)、コスメオタクちゃんが語る化粧の話も耳が痛かったです…。はは、化粧品の容器は軽くて小さいに限るとか思っている女ですとも。
海野さんは「八王子姫」が既読ですが、今まで感じたことがないような痛みを与えてくる人だと敬遠していた作家さんです。八王子に住む2人のお姫様の話はあまりに痛くて手離してしまったのですが、もう一度読んだらまた何か違ったものが見えるかもしれない。あれこそ感想書いてスッキリしたい類の話だったように思う。海野さんは、木原さんや西江さんのように明確な痛みではないのに、「恋愛以外」の部分で妙な痛みを与えてくる(私が勝手に受け取っているだけか)作家さんな気がします。その痛みは決して「クセ」にしたくないけど、でも気になってしまう類のものですね。はい、他の作品も読んでみたいと思います。

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海野さん

こんばんは♪

> 優秀な幹部候補である篠宮が宗一郎に伝授する営業術は、たぶんとても基本的なことであり、正論。
ホント私もそう思いました。なにも云えないです。40男である攻も(最初はともかく)それを認めているあたりが、ちゃんと仕事ができる40代の男として描かれているなと思いました。

yoriさんがおっしゃるように、足りないなと思う部分はあるし、読み応えが大きい作品ばかりじゃないし、この設定はちょいニガテだなと思う作品もあるけれど、あとがき含めてちょっとトボけた感じが出ていて、総合的にとても好きな作家さんです。企画的に失敗した二見書房のパール文庫(ワンコインで読めるBL)で出たタイトル(ゴーストなんとかというやつ)が、驚いたことにドラマCD化しているので、隠れた人気がある方なのかもしれません。

>秋林さん

こんばんは!
早速読みました♪面白かったです~。

登場人物がみんな真摯で真っ当に働いている姿がとても良かったです。「八王子姫」のときも思いましたが、恋愛<それ以外の要素 な作家さんなのかしらと思いました。恋愛部分はあくまでファンタジックで、確かにとぼけた味わいがありますね!わかります、わかります!

「ゴーストなんちゃら」・・・おーっと、危ない危ない。
著作一覧を見て、次はこれかな?と思っていた作品でした(笑)
「カレー」に変更します♪

補足~

>「ゴーストなんちゃら」・・・おーっと、危ない危ない。
> 著作一覧を見て、次はこれかな?と思っていた作品でした(笑)

すみません!すみません!
私もこれ読んでいなくて、次読もうと思ってますー(わはは♪)

「パール文庫は、シャレードが一時期出していた『ページ数が少なめで、お値段も500円ほどで買えるようなお手軽レーベル』なんだけど、後続がないところを見ると、企画的にポシャったものと思われる。そんなレーベルなのにCDが出てるのだから、『ゴーストなんちゃら』は面白いかもしれない」という意味です。

> 「カレー」
かなりトボけてると思います(わはは♪)。

了解ですっ

>秋林さん

あわわ、捕捉ありがとうございます~。
「ゴースト」>「カレー」>「インキュバス」>「三百年」>「花言葉」の順で気になっております(何の報告だ)

確かに「これがCDになるんだ?」って思うときありまね。本当に人気と比例しているの?沙野作品がCDにならないのは何で??などなど。←いろいろ無理ですね。でも「赫蜥蜴」のCD化を熱烈に希望しているのです~。

事後報告になってしまうのですが、「王道設定バトン」を拝借しました~。面白そうです♪
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Author:yori
気がつけばいつもそばにBL.猫かぶってみても、結局たどりつくのはそこなのです。感想は基本的にすべてネタバレ注意です。拍手&コメントありがとうございます。拍手コメントは該当記事のコメ欄にてお返事いたします。リンクフリーですがご一報頂けると嬉しいです。

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