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「裁かれし者」本間アキラ

裁かれし者 (Chocolat comics)裁かれし者 (Chocolat comics)
(2003/10)
本間 アキラ

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政治家の汚職事件を追う検察庁特捜部の検事、杉浦恭は、供述調書をとるために代議士の藤堂樹と面会する。不遜極まりない態度の藤堂は、かつて同じ児童福祉施設で育った幼なじみであり、情欲を向けられて拒んだ相手だった。久しぶりの再会にもかかわらず、過去とかわらぬ執着を向けられ戸惑う恭。そして、妹を人質にとられて、その身の無事と引きかえに身体を差し出せと迫られた恭は、条件をのむしかなかった―。信念とプライドをかけた男達の渇愛。

昨年「兎オトコ虎オトコ」で注目された本間さんの新装丁版!
4作品刊行されたこと&表紙と中の絵柄がかなり違うらしいということは以前から知っていたのだけど、どうにもこうにも未だ「LJ」熱を引きずっている私は、買おうと思っていた可愛らしい新刊BLには手が伸びず、気がつけば本間4作品の中でも際立って暗い表紙の今作を手に取っていた。主人公が「検事」ってところも琴線に触れた理由の一つかな(笑)

地味なのに濃い劇画チックな絵柄は確かに読み手を選ぶだろうし、「兎虎」からは想像出来ないシリアス系の話でもあるのだけど(後半掲載の医者物「白き幻影の如く」はシリアスとコミカルが8:2ぐらいかな?ところでタイトルセンスが絶妙にダサくて味わい深いと思うのだが、私だけだろうか?)、予想以上に面白くてビックリしてしまった。因縁のある幼なじみが敵対する者同士として再会を果たす話と云ってしまえばそれまでなのだけど、表題作をたった2話で語りきった力量には素直に感心してしまう。本間さんて、もしかして漫画がとてもお上手な方なのではないだろうか。今更なのかな、スミマセン。

表題の2人に起こることはあらすじにもある通りなのだが、男と男でなければ成立しないドラマに仕上げていて楽しめる。執着も無体も「愛」が前提にあるが故なのはお約束だが、2人が置くことになったブランク、妹の扱い方など骨太のドラマと云っても過言ではない。法の番人である恭を昔「正義を司る女神テミス」になぞらえたのは他ならぬ藤堂だったわけだが、恭が選んだ職業と無縁ではないだろう。「法を介しての勝負」が描かれなかったことがちょっと残念だが、真に藤堂と恭を「裁く者」が下した優しい判決を読めれば十分だ。

が、私がこの本で一番好きなのは、第3話で描かれる脇役かと思われた藤堂付きの秘書の物語だ。藤堂を愛するあまり恭を選ぼうとする藤堂を刺してしまった秘書の男が、1話目のラストで唐突にクローズアップされる。この展開には正直驚いた。秘書に面会した中年男が前置きなしに放つ「俺なんかを好きになりゃ良かったのに」という言葉とあわせて驚き、「というか、あんた誰よ!?」とツッコミを入れてしまったのはここだけの話だ。男は恭の上司で同じ特捜部の篠田なのだが、その篠田と秘書の話が素晴らしくて目頭が熱くなってしまった。藤堂を失った秘書は死に場所だけを求めて汚職事件の詳細を決して語ることはないのだが、篠田は「目の保養だ」と嘯いて面会を重ねていく。「幸せになりたい」そんな単純な、だけども彼にとっては何よりも困難なように思える願望を、篠田は引きだす。とてもセンチメンタルで拙い会話のやり取りなのだけど、これがいいのだ。篠田が秘書に情をかける理由も特に明かされることはないのだが、篠田が秘書を「幸せにしたい」と思っているのがちゃんと伝わってくる。これはもう、漫画に力があるからだとしか云えない。再読して驚いたのだが、秘書である彼の名前は名字も含めて1話から3話のラストまで明かされることがないのだ。名前のない男が初めて名前を呼ばれたときに見せた表情を想像するだけでも胸が詰まる。

実は私、「兎オトコ虎オトコ」にそんなに魅力を感じなかったのが、シリアス系の本間さんとは相性が良いのかもしれない。これを機会に他の新装丁版にも手を出してみよう♪ちなみに後書に著者の「新装丁版人気予想グラフ」が載っているのだが、圧倒的に「裁かれし者」が最下位だった(笑)


きんきょーほうこく。
家の人の仕事が変わった影響で活動時間を夜型から朝型にシフト中です。
朝っぱらからホモ感想書いている自分が笑えるのですが、妙なテンションにならなくて良いかも。
いや、関係ないかな…。

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>mさんへ♪

こんにちは!コメントありがとうございます~。
染み付いた夜型生活が長いもので、睡眠時間は同じでも時間があればあるだけ寝ようとしてしまう「二度寝トラップ」に現在引き分け中のyoriでございます~。
mさんも起きてる朝からホモのこと考えているのは自分だけじゃない、と気合いを入れて、早いとこ新しい生活に慣れたいと思います。それにしても眠い・・・。

「LJ」感想読んで下さってありがとうございます!これ以上ないぐらいのネタバレ感想だったのですが、大丈夫でしたでしょうか?是非とも読了したときには感想を聞かせてくださいね!「マークス」から再読したい気持ちをグッと抑えて(本当にそれ以外考えられなくなるから。読みたい本はまだまだあるのに!)、ようやく「LJ」の世界から戻ってこれそうです。大袈裟でも何でもなくて、合田は私を高村界の住人にしてしまうので困ります(笑)
そして「Vassa」を手にとって頂きありがとうございます~!!
あれ、よいですよね!!特に4巻のオペラシーンなんてもう。レイフロが道端に落っこちてたら迷わず拾ってきてしまいそうです(笑)ドラマCDでは藤原啓治さんが声をやってらして、これがまた素敵なんですよ~。年イチ刊行と歩みはノロノロですが、続きが楽しみです!

ではではまた~。

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Author:yori
気がつけばいつもそばにBL.猫かぶってみても、結局たどりつくのはそこなのです。感想は基本的にすべてネタバレ注意です。拍手&コメントありがとうございます。拍手コメントは該当記事のコメ欄にてお返事いたします。リンクフリーですがご一報頂けると嬉しいです。

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