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「極楽浄土はどこにある」樹生かなめ

極楽浄土はどこにある (ピアスノベルズ)極楽浄土はどこにある (ピアスノベルズ)
(2004/03/06)
樹生 かなめ

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都会の異次元空間、泉妙寺は筋金入りの貧乏寺。しかし美貌の住職・松前義旬は貧しさなど意に介さず、托鉢と自家製の野菜を日々の糧にひたすら清く正しい生活を送っていた。そんなある日寺にやってきたのは檀家であり美術商を営んでいる美青年・仁科博紀。彼はこともあろうに泉妙寺の仏像を外国人客相手の商品として売り出したいと言ってきた。頑なに申し出を拒もうとした松前を陥落するため、博紀が取った神仏をも恐れぬ行動とは―!?

感想を上げて良いものかと、一瞬、ほんの一瞬だけ迷ったこちらの作品。
仏罰覚悟でいきまーす(嘘です、見逃して下さい)
以前、他所様のブログでドン引き感想を拝見した時から気になっていたのです。
その理由は兎にも角にも大根!!
ええ、このブログを読んで下さる方は何に使うかおわかりですよね(笑)?
「そうか~、坊主に大根か~、それはとっても面白そうだなぁ」とドン引きされていた他所様を傍目にヒトデナシな感想を抱いてしまったのでした。その時は「樹生かなめ」という著者名を特に意識することもなかったのですが、最近になって「そういえば坊主に大根の作者じゃないか!!」と気が付き是が非でも読んでみたいと思っていたところを古本屋で捕獲したのです(仕事柄あまり話題に上げたくはないのだけど、行きつけの古本屋には御縁を感じる)。

ピアスノベルといえば投稿規定の要項にハッキリと「全体の1/3以上がエロ」と書いてある伝説のレーベルですが、読む前は、そうはいっても樹生さんのこと、またアサッテな方向のスンドメエロ描写なのでは?と予想していたのでした。
とんでもなかった。
これは、まぎれもないアホエロです。え~と、アホエロですよね?
ちょっと自信がないのは樹生さんが後書で「裏には深いテーマが」と仰っているからなのだけど、それは兎も角、アホエロはアホエロに間違いないと思います(何度云うつもりだ)。しかも、私の気持ち的にはアホエロエロとエロをもう一つ追加したいぐらい、罰あたりにも萌え滾りました(笑)えーと、毛がないってエロスなのですね。目から鱗と云うか、「開眼」というか、挿絵の神葉さんの神技カットの力も大きいのですが、ツルツルの坊主頭にキスの雨を降らす博紀の気持ちがわかるような気さえします。なんというか、住職が可愛いの!可愛くて可愛くて仕方ないの!!
「泉妙寺の住職はいやらしい尻が二つある」など悶絶するような台詞の数々。特に可笑しかったのが「人参ごときに初物を譲るなんて一生の不覚です」という台詞。そんな台詞が吐かれるからにはその前に人参による描写があったり大根による描写があったりするのですが、そしてそれは超無理矢理だったりするのですが(そりゃあドン引く読者もいるだろうよ…)、なぜか不思議と下品さは感じないのですよ。以前から思っていたのですが、樹生作品にはいつもある種の品の良さを感じます。それは、エロを「扇情的」に書こうとしていないからだと思うのですよね。「極楽浄土」は樹生さんにしてはエロエロだと思いましたが、それでも「坊主に大根」がとにかく書きたかったのだろうなと思わせる抑えがある(もしくは、抑えなんて意識しないで自然に書いているのかな)。線香や蝋燭を突っ込むのが上品なのかよ!?と云われるとスッと視線を反らしたくなりますが(笑)、兎にも角にも大満足です♪

「H場面1/3以上」という規定をクリアする為だと思うのですが、今まで読んだ中では受けと攻めの「対話」が成立しているようにも感じられました。まぁ、攻めは相変わらず人の話を聞かない奴なのですけどね。どうしてコミュニケーション不全とも取れるような関係性の二人を描き続けるのだろうと真剣に考えてみたのですが、恋愛の成就云々は樹生さんにとってはきっと二の次三の次なのですよね。特殊な環境や状況にある「受け」を通して、社会全体を俯瞰する視線を持っている。痛烈な皮肉や批判になっていないのは、何らかの決断を下す立場にはないと著者自身が自制をしているからなのかもしれないな。だから極端な話だけど、「社会×受け」小説とも云えるかもしれない。もちろん「攻め」の存在は不可欠だけど、「社会」と対峙する解決方法のようなものを示唆する役割は含まれない。それも当然で、社会との関係は解決策があるような問題ではないからなんだよね。
貧乏故に崩壊寸前の寺を抱え、清貧を地でいく生活を送る松前(住職)。お寺は檀家のお布施がなければ成り立たない。昔は定期的に法事を組み、その度にお布施をしていった周囲の檀家達だったが、時代が移るにつれ人々の信心深さはなくなり、人は死者を悼む心を現実生活の厳しさの中に置き忘れてしまった。そのことを嘆き悲しむ松前だけど、変わってしまった人の心は取り戻せない。そしてどんどん貧乏になっていくというスパイラル…。そこに白黒ハッキリした答えは存在しないわけで、後書にあった「テーマ」とはこういうことなのかなと思いました。

現在絶版というのが本当に残念。
大根描写に引かない自信がある方、心からオススメします。
かなり罰当たりな話ですが、私は好きです!大好きです!!これも続編希望!!




余談ですが、巷ではこんな本が話題になっております。
先に出たのは「葬式は、要らない」の方で、ベストセラーになりました。それを追うこと3カ月後に出たのが「必要!」です。いや、どちらも読んではいないのですが、こんな本が出るぐらいには「死と葬式」を巡る日本人の習慣は変化をしてきているのだということです。個人的には灰色な感じになりますが、「葬式は残された人々の為にも必要不可欠な儀式(死者の弔いという意識は低い)だが、高い。費用が高すぎる。どうにかして欲しい」というのが本音ですかね。金をかければ良しという風潮は嫌です。更に余談ですが、学生時代に「不況知らずだろう」と葬儀会社への就職を一時期真剣に考えた人間でございます。ははは。

葬式は必要! (双葉新書)葬式は必要! (双葉新書)
(2010/04/20)
一条 真也

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わはは♪

私、好きです、これ♪<極楽浄土
大根。「樹生さん、これでピアス仕様にしたのかな?」と思いました(わははは♪)

医療器具(どれだったかな~?)使ってた作品もありましたねー。「だぜDR」シリーズ(久保田と芝)。「だぜDR」のスピンオフが「龍&Dr.」シリーズだったというー…いまやスピンオフのほうがメインになってますけど。

いろんな方が「キワモノ!キワモノ!」って声高におっしゃるし、まわりにそう云われてるからご本人も「キワモノ作家」だとおっしゃるのでしょうが…根底にあるものは別にそんなキワモノじゃないと思うんですけどね…むむむ。

「ロクデナシ」は、コスミック出版で復刊するんじゃないかと期待して待ってます。でもって、5月のオタク祭で出た本も委託されると思うので、今度どっかで買おうと考えてます。う~む。

>秋林さん

こんばんは!
毎度樹生さんに絡んでくださりありがとうございます。すごく嬉しいです~。

ああ、良かった!「坊主に大根なんてとんでもなーい!」と云われたらどうしようかと思いました(笑)

読めば読む程、不思議な方だという気持ちが強まっていきます。「~系」という括りが、作家でも作品でも他に思い浮かばない。人それぞれあると思う「BLを読む目的」のどれにも、樹生作品は当てはまらないような感じといいますか。う~ん、よくわかりませんね。
括れないことが「キワモノ」と呼ばれる所以なら納得ですが、「変!」という意味で呼ばれているのなら、私も違うと思います。根底にあるものは、人間社会への興味とか?うーん、上手い言葉がわからないのですが、こう、すごく大きなものを見ている感じがします。

「ロクデナシ」、復刊されると嬉しいのですが。
しかし「極楽浄土」も「黄昏に花」も絶版だなんて納得がいきませーん!もったいない!



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