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「センチメンタル・セクスアリス」「メランコリック・リビドー」砂原糖子

センチメンタル・セクスアリス (幻冬舎ルチル文庫)センチメンタル・セクスアリス (幻冬舎ルチル文庫)
(2006/11/15)
砂原 糖子

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モデルの相原春巳には奴隷がいる。デカくて力持ち、家事もでき、自分の命令をなんでも聞く男。そんな都合のいい奴隷・真部仙介は理系大学院生。春巳とは幼馴染みだ。高校卒業の時、仙介に告白されプロポーズのように申し込まれた同居を始めてから4年。セックスの真似事はしているが、ホモじゃないから最後まではしない―そんな春巳に仙介は…。

唐突&今更ですが、私はツンデレというものが大好きなのですよ。
今作の主人公春巳は紛れもないツンデレで、しかもアホというオマケ付き。そう、ツンデレというのは別に優等生だけの特権じゃないのよね!この春巳のアホさ加減が可愛くて可愛くて、外出先で読んでいたのですが家だったら間違いなく萌え転がりましたよ(笑)久々にキャラ萌えの小説を読んでいるな~とニヤニヤしながら楽しんでいました、途中までは
奴隷宣言という名のプロポーズをした仙介とワガママ放題の春巳の関係には、「なにが先か」という捻りが加えられている。先に気持ちがあったのはどちらか。同性愛者だったのはどちらか。問題をややこしくしているのはどちらか。そこに絡んでくるのが春巳と過去の事件、そして父親との関係なのだが、伏線はあったものの春巳のアホキャラに惑わされたのか「あ~、そうくるか!」という驚きとともに読んでいました。関係の転換が素晴らしく鮮やか!
その辺りの心理描写を楽しませつつ、萌えとも直結している。文句なしに面白い作品でした。

実は読了直後の私のテンションはちょっと普段では有り得ない感じだったのだけど(帰り道に自作のアホッコツンデレの歌を口ずさむぐらいでしたから。酔ってましたけど)、文字にすると落ち着いてしまう自分が残念・・・。何が萌えるって、エロがすごく良かったのよ!!春巳の「早い」という性質にも萌えたのだが、一番ゴロゴロしたのはラストの挿入時に仙介が入りきらない部分を自分で扱くという描写にですね、え~と、は、発狂するんじゃないかという萌えを感じました。仙介はそれはもう我慢強い寡黙な男で気持ちを伝えるのも当然不器用なのに、最中の気遣いや行動の端々から春巳のことが大切で仕方ないという気持ちが痛いぐらい伝わってくる。それがキュンキュンで顔が綻んで大変でした。回数的にもホップステップジャーンプと三段階あり大満足。出来上がりつつあるカップルの行為なのに、三段階(厳密にはムリヤリ含めると四段階)のすべてに意味と萌えがあってイチイチ萌えるんだ!アホッコツンデレ万歳!!

*****

メランコリック・リビドー (幻冬舎ルチル文庫)メランコリック・リビドー (幻冬舎ルチル文庫)
(2009/04/15)
砂原 糖子

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中沢千夏史には好きな人がいる。九つ年上の売れっ子カメラマン日和佐明。日和佐は男も女も来る者拒まず、だが「子供は嫌い」と千夏史を相手にしてくれない。九歳のときに出会った日和佐は亡き兄・由多夏の恋人で、千夏史が恋心を抱いても叶わない存在でもあった。そして、二十歳になっても、千夏史の想いは募る一方だが…。

こちらは「センチメンタル」で当て馬役だった日和佐の物語。
「博愛主義」と嘯き男も女も大好きな遊び人と、そんな日和佐を出会った時から一途に想い続ける主人公の千夏史。そして二人の間に横たわるのは亡き兄の存在。以前ブログに書いた記憶があるのだが、私は「ライバルは死者」という関係性の物語が好きではない。なぜなら、死者を越えるのはとても難しいことだから。記憶は消しさることが出来ず更新もされない。「彼はこうだった」と自分で思い込んでしまえばそれが真実になる。日和佐も例外ではなく、「由多夏はこういう人間だった」と過剰にミステリアスに捉えている節がある。死者の気持ちは誰にも確認出来ない。だから、残された人が気付く(変える)しかないのだ。「子供は嫌い」だと千夏史を邪険にし続けた日和佐も実は大人になり切れていない大人で、その成長を止めてしまっているのは、一番大切だった他人の「本当の気持ち」を知る術を持たなかった後悔なのかもしれない。知ってしまえば傷付くと尻込みし続けて失ってしまった臆病な自分への後悔。「子供だ」とバカにしていた千夏史の真っ直ぐな気持ちが、日和佐は眩しくもあり怖くもあったのだろう。「子供」の千夏史を認めてしまえば、過去の自分達の記憶が近づく。「子供だったから」と記憶の片隅に追いやることも出来ず、かといって面と向き合うことも出来ない「あの頃」が見えてしまう。

上手いなと感心したのが日和佐の職業で武器でもある「写真」の使い方だ。
「記憶」は必ずしも真実を写さない。だけど写真は違う。写真は正しくその時を写し、しかも不変だ。
何を考えているかわからなかった恋人の真実は思いがけず近くにあった。だけど日和佐はその真実から目を背けて大人と呼ばれる年齢になってしまった。そんな彼が過去と正しく向き合い、「ああ、子供だったんだな」とストンと気持ちが落ち着く場面に感動してしまった。ミステリアスなはずの死んだ恋人は、30の日和佐から見れば紛れもない「子供」で、わからないと思い込んでいた恋人の「気持ち」さえも見えてきたのだ。大人になり切れなかった男が、子供だった自分達を発見したときに成長をする。この話で描かれているのは日和佐の成長憚に他ならないのだ。
日和佐と千夏史の関係に兄の存在はこれからも横たわり続ける。兄の存在を超えることは出来なくても、想い合う二人が幸せならばそれで良いではないかと素直に思った。こちらもとても面白い作品だった。

人気作家様の人気作品という事で感想は短めに~。
以下は砂原さんについて思ったことです。

何らかの「心の問題」を抱えてその為に行動と心理に多少のズレが生じてしまう登場人物。その心の問題というのは、トラウマと名前が付いてしまう程大きなものもあれば、人が生きていく過程で必ず付いてしまう「疵」のように些細なものまで多岐に渡っている。誰もが持つ小さな心の「疵」。時には自分でも気が付かないようなソレは見過ごしてしまえばそれまでだけど、絶対に何らかの形で表出はしていると思うのだ。砂原さんは、そんな誰もが普遍的に持つ「心の問題」を描きたい人なのだろう。
ということを思いながら、今まで何作読んでも「こういう人」という印象を定めることが出来なかった不思議な作家さんでもあったのだが、それはたぶん、作品を自分の書きたいもので終わらせない強い意志のもと小説を書いているからなのではないかな。作家の萌えと読者の萌えを擦り合わせるのではなくて、まず、読者の萌えどころを熟考してブレがない人。だから「心の問題」を描き続けながら、こんなにも「多彩」なのだと思う。砂原初心者(というか、BL小説初心者ですね)が何を偉そうなと思われるかもしれないが、二作品読了後には、とんでもなくプロ意識が高い人だと感心してしまったのだ。


というわけで、遅ればせながらファン宣言とさせていただきます~。
良い本を読みました♪



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むはぁ!

こんばんは伊吹です! (押し出し

先日ルチルさんの小冊子レビュにコメントをいただいて 「この2冊に対するyoriさんのレビュを拝読したいわァ…」 と思っていたので、きょう訪問してビックリしました!
読了後のテンションが異常になる…これはまさしくだと思います!
酔っていなくたっておかしくなりますよこれは!
だっていまこの文を打鍵する私も笑いが止まらないのですから(おちつけ
この作品は、いまだに私の中のベストオブツンデレ作品の玉座にあります。
最高ですよね、早漏万歳e-266

yoriさんのレビュで、また読みたくて仕方がなくなってきました!
取り敢えず貸している友人に返還要請をしておきましたが…土曜まで待つのかと思うとしんどいです~!

>いぶちゃん♪

こんばんは!コメントありがとうです~。
ふふふ、今更感漂うのは承知で吐き出してみました!
素晴らしく可愛いアホの子でしたね。
いぶちゃん、「早漏万歳!」って(笑)
でも本当にその通りで、回数をイチイチ気にしている春巳がまた萌え~でしたよ!なにもかも分って「はいはい」と云っている仙介にもキュンッ!でした。
メランコリックの千夏史についての感想がほっとんどないあたり、私の正直な好みが出ている感じでアレですね。甲斐甲斐しく尽くす受けもいいけれど、性格が捻くれている受けの方がより可愛く思えます。「センチメンタル」は萌えで、「メランコリック」はストーリーを楽しみました。あっ、でも「センチ」の後半の展開はすっごく面白かったし・・・どちらも本当に良かったです。

余談ですが春巳と張るぐらい大好きなツンデレは、榎田さんの「執事の特権」の受けです。ずーっと彼が単独トップだったのですが(あっ、でも英田さんのツンデレヤクザ天海も捨て難い・・・)、今回の春巳はそれぐらい素晴らしかった!

暑っ苦しい返信ですみません。
砂原さん、これからコンプしていきたいと思います♪
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Author:yori
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