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「マークスの山」

何でこんなに読むのに時間がかかったのか!
それはイチにニにも字がギッシリだから(笑)

高村先生の文章は鋼鉄のような印象を受けました。
冷たさと灼熱が混在している硬い鋼鉄。うん、好きですね。
直木賞受賞作ですが、これが大衆文芸ですかと言いたくなるような重量感のある話でした。

昭和51年南アルプスで播かれた犯罪の種は16年後、東京で連続殺人として開花した―精神に〈暗い山〉を抱える殺人者マークスが跳ぶ。元組員、高級官僚、そしてまた…。謎の凶器で惨殺される被害者。バラバラの被害者を結ぶ糸は?マークスが握る秘密とは?捜査妨害の圧力に抗しながら、冷血の殺人者を追いつめる警視庁捜査第一課七係合田刑事らの活躍を圧倒的にリアルに描き切る本格的警察小説の誕生。

警察小説であり犯罪小説であり山岳ミステリーでもあり・・・いやいや、面白かったです。
それにしても警察とは本当にこんな組織なのかい!?これがリアルだというのなら私は刑事という生き物がとても気になるぞ。友人が警察官に転職したので、早く昇進してもらって是非とも内情を聞きださなければ!ただ、犯人も動機も本当にそのままいくの?という感じで私としては最後にどんでん返し的な趣向を期待したのですがそんなものはなかった。精神異常者が殺人犯という図式がちょっと嫌だなと思ったのですよ。そして真相が一気に明らかになるのが「遺書」というのもなんだか腑に落ちないなーと。でも元になった殺人事件の真相よりも、「山」の不気味さが重要なんだよね。登山の趣味とは無縁ですし理解も出来ないのですが、これほど死と隣り合わせの「趣味」ってなかなかないよね。
そこに生まれる男たちの結束感たるや、きっと想像を超えるものがあるのでしょう。

この小説は、殺人(犯罪)を犯すことへの警鐘や憐憫が皆無なんですよね。情に訴えようとしていない。何というか、本当に徹底している。そういう部分が好きです。

さて、合田刑事ですよ!合田刑事!
好きです、合田。
読みながら何度「なんだこの面倒くさい男は!」とつぶやいたことか(笑)
この男が面倒な男なんだよ。捜査官の鑑のような刑事なんだけど、とにかく考えることが暗い。些細な事で不快になりすぎる。すぐ悩むくせに基本的に行動と思考回路は雄。肝心な私生活での感情の機微からは逃げっぱなし。典型的なワーカーホリックの33歳ですよ。そして異様に「警察とは」という全体構造への懊悩が深いのです。面倒くさいというか、生き辛そうな男だよ合田は。
180超えのノーネクタイ白スニーカーの短髪男が都内を全力疾走している姿を想像して悶えました。合田、走る走る。家に帰ってスニーカーをきちんと洗うところが可愛いというかなんというか。
そんな合田の相方として有名なのが、検察官で友人であり元義兄でもある加納ですね。妹と離縁した後も何故か合田の世話をかいがいしく焼く34歳。「貴兄」「小生」いう呼び名で交わされる手紙の数々。こんな33歳いないと思う・・・。この二人の過去や感情の吐露があまりないので、読者としてはとにかく妄想してしまうのよね。合田は絶対にバイセクだと思うし、加納はきっとゲイでしょう。離縁した妹の貴代子はそんあ二人の秘かな感情に気がついていたのでは・・・。合田は二人と交際するうちに、自分が本当はどちらの手を取りたいのか気づきつつも偽ってしまったのではないのかな、とか。

ここまで書いておいてなんですが、私は合田×加納ではありませんでした!正直に言うと、加納の存在する意味が物語内であまり説得力がなかった・・・。そこは3部作すべて読んだらまた違うのでしょう。

では、私が誰に萌えたのかってそれは森ですよ!森!「蘭丸」なんて綽名される合田のパートナー。アトピー持ちの30歳。この森が可愛いくて可愛くて・・・お前絶対合田のこと好きだろ~っていう読みしか出来なかったのですが間違っているのでしょうか?誰よりも強靭な精神で淡々と職務をこなす新人類として描かれていますが、山のおかげでアトピーが緩和されたことを喜んだり、合田の傍に常にいたり(仕事だから)と、私にはツンデレにしか見えません!その融通の利かなさが合田を苛立たせているし、森からすれば、合田のムラッ気と有能な捜査官の振り幅に苛立っているしでちっともラブな要素はないのですが、それでもなんか匂いました。
脳内では異動か海外派遣になった森が「最後に抱いてください。主任に女のように扱われたい」と半泣きで懇願するというシーンが・・・すみません、腐っていて。
合田ってバリバリ攻めだと思うのですが、内面は受けというか、押し倒されるのが似合う気がします。
他にも魅力的な人物がいっぱいでした。「ペコ」「又三郎」「十姉妹」「雪乃丞」「モヤシ」―あの、こんな綽名が蔓延する職場は単純にイヤなんですけど(笑)

さて、『照柿』読むぞー。

追記:映画のキャスト、合田が中井貴一ってどーなのよ

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同感!

合田が中井貴一って、ホントーにどうなのよ!ですよね。
yoriさんの感性っていちいちわたしの琴線に触れてくれて、まいってます。
合田は精神的には受けだと思います。義兄なしでは生きていけないくらいの健気なヤツだと思います。
(わたしはそう信じたい!)「レディ・ジョーカー」の最後に出てくる義兄への手紙、楽しみにしててね。ちょっと震えがくるよ~。(加納ファンにとっては)
それにしても森ですか?森でそこまで空想できる人、初めてですね、尊敬です。(笑い)
「ゴーダホリック」ってサイトご存知ですか?ファンの間ではすっごい有名サイトです。
もしまだ行ったことがなかったら、ぜひ!中を覗いちゃうとネタバレになっちゃうので、扉だけで、我慢してください。
素敵な合田に会えます。わたしはそれを励みの「照柿」がんばりました。
コメントなのにこんなに長くなっちゃってすみません(汗)

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No11の方へ

そうなんですね!ちょっと驚きました。
貴重なご意見(?)ありがとうございます!
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