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「満天星」神江真凪

満天星 (二見シャレード文庫)満天星 (二見シャレード文庫)
(2008/09/22)
神江 真凪

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図書室司書として働く天涯孤独な江上喬には、ずっと心の支えにしてきた小説があった。その著者である君塚映司を、そうとは知らずに年上の友人として慕っていた喬は、ある夜、酔ったはずみで彼に抱かれてしまう。「初めて会ったときから、どんなことをしてもほしいと思った」―戸惑う喬に、これまでにない強引さで脅すようにつき合うことを強要してくる君塚。やがて彼の真摯な優しさに身も心も惹かれるようになる喬だが、君塚の執着の秘密を知り―。

誰かのそばにいる理由 「似てる」からなんてのは、 一番つまんねーよ。 「異星人交差点」藍川さとる

「身代わり」の物語に遭遇すると大好きな漫画の台詞が思い浮かぶ。
主人公の少年に長いこと執着を続けていた幼馴染み(♀)が、進学を機に出会った少女に熱を上げる。その理由を少年と少女は出会った瞬間、互いの顔を見て理解する。その場面のモノローグだ。物語はその後も続くのに、なぜかこの台詞だけが強烈に残っていた。

***

他作品の引用から失礼しました。
いきなり核心に触れますが、亡くなった恋人の「声」に似ているからと、君塚は喬を脅迫めいたやり方でムリヤリ恋人にするのですね。その目的も手段も当然納得の出来るものではないけれど、果たして「似ているから」という理由で人を好きになるのは正当ではないのだろうか。誰かを好きになるときの第一印象って「~みたい」という(二次でも三次でも)ある種の理想像と擦り合わせを行っている部分があるのではないかな。そう考えると、キィッと目くじら立てるような問題ではないような気がしなくもない。まぁ、君塚のようにキッパリハッキリ「最初は声だけが目的だった」と言い切る男は本当どうかと思うけど(笑)

負い目がある君塚は、喬にも自分と同じ場所まで降りてきてもらおうとする。自分が喬の敬愛する作家、「塚原映一」であるという切り札を武器に「小説家としての自分」を好きにならせようとする。でも喬は君塚と塚原を混同はしない。無意識にではなく、強い意志を持って「失礼だから」しないと言い切る。君塚にとっては元々フェアじゃない関係を、喬は持って生まれた性質で益々君塚にとってフェアじゃなくしていく。くすぐったくなる様なやり取りを経て、真っ直ぐに健気に生きる喬の姿に君塚の心が動かされていくのも自然の流れというわけですね。「MOON DIVE」でも思ったけど、神江さんは日常の切り取り方が上手だ。どんなに華やかな(ドラマ的という意味で)舞台装置を用意しても、地に足が着いているというか…過度にロマンチックにならない。
ちょっと余談ですが、個人的萌えシチュエーションに「玄関になだれ込んでそのまま―」というのがありまして、二人の盛り上がりが最高潮に達したホテル場面は大変美味しかったです。

自分が身代わりにされていたと知った喬は君塚と距離を置こうとする。始まりとその後の経緯を冷静に見つめることが出来ない。君塚がそばにいる理由は「似ているから」という始めの動機からとっくに姿を変えていたのだが、何もかもが初めてだった喬にはわからない。そんな状態の喬に君塚が送ったのがラブレターという名の新作小説だった。最後の最後で小説家「塚原映一」が君塚の武器になったわけですね。
君塚はとても恵まれた才能を持っているようで、亡くなった恋人との交換日記のような小説が大ベストセラーになってしまったという過去を持つ。小説家を続けたいわけでもなく、小説家という職業に自負を持っているわけでもなく、昔も現在も小説は、彼と恋人を繋ぐ道具でしかなかったのが面白い。現実にもそういった特定個人に宛てられた創作物が世に出て大ヒットを飛ばすという現象はある(闘病中の家族に宛てた手紙や日記とかね)。だから小説によって喬の心を手に入れた君塚は、たぶん、もう小説を書けないのではないかなぁ。意外に器用そうな男なので何でも出来そうだし、彼の存在意義が小説家なのは友人の担当編集者神崎君ぐらいかもしれない。長い間亡くなった恋人との記憶に遊んでいた彼がこの先どう生きていくかわからないけど、そこまでは興味関心の外かな~。イチ本読みとして「from」を想定されて書かれた物語が好きではないので塚原の小説にも興味はないし、と最後に辛いこと云っちゃう。そして、神江さんの描く攻めは結構なダメンズだと思うのだが、どうだろう。偶々2作続いただけかもしれないが、「カッコイイ」が度外視されているというか、受けにとっては素敵な男かもしれないが、客観的に見ると眉間に皺が寄ってしまった。面白いのは神江さん自身が攻めをそんなにダメとは思っていない(興味がない?)気がするところかな。受けを傷つけた攻めへの償いを作中で用意しないんだよね。君塚が土下座して許しを乞うぐらいしてくれたら、カタルシスも得られてもうちょっとスッキリしたと思うなぁ。ままま、喬が幸福そうなので良しとします!

***

「似ているから」というのは切っ掛けに過ぎない。
肝心なのはそこから先で、そんなことは冒頭の漫画でも描かれているのに忘れかけていた。

真理亜は今はああやって私のそばにいるがな 私は一度奴に嫌われている
私がお前とは違う人間だったからだ
真理亜の中の「和希」という理想像から 私の性格がほど遠かったからだ
――だが今また真理亜は私のそばにいる
それはな 私という人格に気付いたからだ
真理亜にとって お前が私に似てたんじゃあないだろう?
私がお前に似てたんだ
お前がきっかけなんだよ


とまぁ、「満天星」は図らずも私がとても大切にしている漫画のセットで記憶すべき台詞を思い出させてくれたわけです(長いけど)。そんな理由で感謝されるのも違うだろうけど、それがとても嬉しかったのでした。

おススメして頂いたのに微妙な感想(未満)をあげてしまってすみませんっ!
こ、これに懲りずにまたおススメを・・・。

いつか、いつか感想書くんだ・・・。

異星人交差点(エイリアン・クロスロード) (ウィングス文庫―晴天なり。)異星人交差点(エイリアン・クロスロード) (ウィングス文庫―晴天なり。)
(2005/04)
藍川 さとる

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