「HER」「ドントクライ、ガール」ヤマシタトモコ

HER (Feelコミックス)HER (Feelコミックス)
(2010/07/08)
ヤマシタ トモコ

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「女の子の話」は語る方も慎重になる。何でかって、晒さなくていい過去やネガな思考がダダ漏れになってしまう危険があるから。そもそもこの漫画を読むと、私に“女の子”を語る資格があるのだろうかと遠い目をしてしまうぐらい、自分には色々なものが不足しているように思えてならない。それは、女の子って可愛い?怖い?好き?―その問いかけに明確な答えを持てていないからだと思うんだ。「女の子は」と一纏めにしてポンッと答えを出せるような広い心と視点を持つに至っていないし、彼女達は近くて遠い女の子達だ。彼女たちは戦っている。ままならない自分や世界や異性や同性と。流行の服に身を包み、他者との関わり方を必死で探る彼女らの姿が私にはとても眩しく感じられた。私ももっと色々なモンと戦わねばと無駄に握り拳を作ってみたりして。
私はヤマシタ漫画に出てくる男の人と恋愛をしたいと思ったことがほぼないのだけど(BLだからというのを抜きにしても。唯一“明楽さん”にはグッときたが)、それは私が彼らに“理解”を求めていないからかもしれないなと思った。最終話のメガネ君のようなことを云われたら、私はきっともう手も足も出ないと思うのだ。そんな恥ずかしい部分を知られて、こちらの立場に沿う形ですごく理解を示されては恥ずかしくてたまらなくなってしまう。尻尾を巻いちゃいそう(笑)
一番グッときたのはワンナイトラブの女の人の話かな。展開的に新しい視点ではないし、こういった語られ方の女の話(母の因果が娘に巡り~)は結構多いのだけど、好きだった。この話の彼は最終話のメガネ君よりは“理解”を示さない気もしたし。彼にあるのはきっと“同意”もしくは“共感”かな?だといいな、希望。あっ、この話の彼はお付き合いしたいタイプです(誰も聞いてない)
全体的に可愛くてカッコイイ女の子達(特に都会的な洋服センスは見ているだけで楽しい!)の話で満足でした。「HER」はシリーズとして続くのかな?もっと色々なタイプ話が読みたいので続くといいな!欲を言うと、私は彼女たちのように「女であること」の大前提を飲み込んで悩む話よりも、女としての“揺らぎ”を抱えて生き惑うタイプの話が読みたい。『YES,IT’S ME』収録の「夢は夜ひらく」のような。この短編を超えるヤマシタ作品を読みたい。ファンのわがままな願望です。

ドントクライ、ガール (ゼロコミックス)ドントクライ、ガール (ゼロコミックス)
(2010/07/09)
ヤマシタ トモコ

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こちらは普通に大爆笑した!超可笑しかったよ!!裸族の年上男と同居することになった高校生女子のハイテンションコメディだけど、この1冊で終わりなんてもったいない~。もっともっと読んでいたい!アレな両親の元に生まれて苦汁を舐めてきた彼女の過去は詳しく語られることはないのだけど、その匙加減といい、とにかくツボに入った。変態男を出すあたり(彼は裸族と下ネタ尾籠ネタ好きというだけで、変態倒錯的な傾向まではそこまで描かれていないが)、なるほど「リブレ」だなぁと思った。だって読み進めるうちに升田氏のことを「裸がなんだよ、いい男じゃないかっ」と思えてきてしまうんだもん。日頃から男が裸になってアレコレしている話に慣らされているからに違いないと思ったのだが、どうだろうか。「泣かない、泣かない」と自分に言い聞かせる彼女の代わりに升田氏が泣くくだりや、その後の一線(身体の関係ではない。本当に“線”)の超え方はさすがヤマシタさん。上手だなぁと感心してしまった。それにしても、あんな面白可笑しい男と同居していたら涙は出てこないと思うわ。ドロンした両親の代わりに升田氏には彼女を幸せにして欲しい。
同時収録されている中編「3322」はガラッと違う雰囲気のシリアスな話。夏休み、父の知り合いの年上の女性宅に滞在することになった少女。そこで出会うまったく違うタイプの二人の女の姿に亡くなった母親を重ねる少女の成長譚かな。表から見える女たちの姿がすべてではないことに少女は気が付いてしまう。子供の彼女に悩みがあるように大人の女にだって色々ある。それは当然のことなんだけど、自分のことでいっぱいになっている子供の頃というのは案外わからないものなんだよね。大人になるには大人と関わるのが一番早い手段なのではないかな。手本にするにしても、反面教師にするにしてもね。彼女たちの関係について真実が明かされることはないのだけど、“揺らぎ”を抱えているらしい千代子ちゃんと、しょうもない男と付き合っている遥子ちゃんの話は続きが読みたいと思った。大事な気持ちを「3322」の合図で示すアイテムの使い方はちょっと懐かしい気持ちになりました。ま、私はヤマシタさんと同世代なのでポケベル世代ではないのだけどね。中高でも持っていたのはクラスに2,3人だったかな。だからメッセージを入力したこともないし、触ったこともない。メールが普及した今となっては、数字の羅列で簡単な気持ちを表現することがロマンチックに感じられます。

今月はヤマシタトモコ月間。
末には「アフタヌーン」連載中の高校社交ダンス部を舞台にした『BUTTER!!!』も発売される。
こちらも楽しみ♪

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