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「ファンタジウム⑥」杉本亜未

ファンタジウム(6) (モーニングKC)ファンタジウム(6) (モーニングKC)
(2010/09/22)
杉本 亜未

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「俺が字が読めないせいであのピエロが字を書けなくなった」。
難読症の障害を抱える少年マジシャン・長見良は、収録中の事故で西洋からくり人形を壊してしまう。
難読症を克服する決意をした良。その思いが人々の気持ちを動かしてゆく。


順調に刊行されている「ファンタジウム」も6巻目。
物語はいよいよ良くんの障害問題に焦点を当てるところにきました。

自分にとって何一つ無駄な出会いや言葉ないとでもいうように、貪欲なまでに周囲の大人の言葉や態度に全身を傾けて吸収しようとする良くん。「文字」で語ることの出来ない彼の世界はすべて、「文字以外のもの」で構築されているという事実にハッと気が付かされる。それは北条が云うように、とてつもなく孤独な世界だ。本や手紙にメールと、私たちの世界は文字で溢れていて当然のようにそれを使っている。手品の世界で多くの人に認められながらも、障害の話になると途端に良くんは閉じこもってしまう。進学の問題や将来のことを考えていないわけではないし、いつだって最良の選択をしよう、周囲の大人達はさせようと思うのだけど、やっぱりどこか逃げ腰だった。そんな良くんが文字を書くカラクリ人形を誤って壊してしまう。文字を書く使命を与えられた人形に深い感慨を抱いたであろう良くんは、自分の仕出かしたミスに凹み、もう字を書くことは出来ないかもしれないとまで思ってしまう。そんな折に紹介された「言語聴覚士」神村のもとで、良くんは障害を克服する決意を固める。この神村という男は人の心理を読むのに長けているのをいいことに女性をとっかえひっかえにする嫌な奴なのだけど、そんな気に食わない大人だからこそ、良くんは冷静に彼の与える言語聴覚士としての技術を吸収しようと決意したのではないかな。もちろん、これから良くんと神村は対話を深めていくだろうし(ラストの引きから展開が読めないけど)、神村との出会いを良くんは絶対に無駄にはしないだろう。続きが楽しみだ。

その前のクロスプロの落ちこぼれ3人衆との絆を深めて公演を成功させるくだりも素晴らしい。
直前に教わったサーカス・ファミリーマジックを足がかりに、同じように識字障害を持った“カール大帝”の話を事務所の社長の前でマジックとともに披露する良くん。彼の秘密を知る人も知らない人も、その語る言葉の強さに引き込まれる鮮烈な場面だ。彼を送り出す北条の「スペードのAの意味はオールマイティ 又はスペキュレーション――つまり最強のカードにして おまえは唯一絶対の切り札だ!」という言葉の通り、図らずも良くんは社長の心を動かすことに成功する。芸能の道を閉ざされかけた大人達が夫々の希望を見出すくだり、特に若い周(あまね)の目に宿った光の強さに感動してしまった。「わたしはまだ死んでいない」と呟いて披露したエアリアルの可憐さといったら!そして、彼女が良くんに云う「心を見せたら傷つくような……そんな世界なんて 自分を見つけて…突き抜ければいいのよね…?」という言葉と二人が交わした握手に涙腺が緩んでしまった。

感想を書こうとしても結局は『ファンタジウム』はとってもとってもいい漫画なんだよ!!という単純な言葉にかえっていくだけなのです(笑)人が自分らしく生きることの困難さと希望を真正面から教えてくれる教育的な側面も持っていて、なんというか、人生頑張ろうと思わされるんだよね(他に言葉はないのか…)
とにかく私にとっての希望のようなものなのです、『ファンタジウム』と良くんは。
どんなに素晴らしい物語にも終わりはやってくる。
それを考えると今から寂しくて仕方がないのだけど、それ以上に出会えて好きになれたことが幸せなので、その幸せを噛みしめつつ良くんの未来を見守りたいと思います。良くん良くん可愛いよ~!大好き!!

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