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「八月七日を探して」樋口美沙緒

八月七日を探して (キャラ文庫)八月七日を探して (キャラ文庫)
(2010/07/27)
樋口 美沙緒

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八月七日嵐の夜、事故で三ヶ月分の記憶を失ってしまった高校二年生の水沢涼太。けれどそれ以来、なぜか毎晩強引に抱かれる淫夢を見るように…。これは実際にあった記憶なのか?手掛かりは、生徒会役員で、長身の男―。密かに悩む涼太は、自分と親しい幼なじみで副会長の二宮恭一と、会長の三年生、北川和馬を疑うけれど!?二人から寄せられる想いと真実に揺れる、トライアングル・ラブ。

『愛はね、』が面白かった樋口さんの記憶喪失&高校生もの。
意識して避けている自覚はあったので仕方ないのだが、久々に高校生同士の恋愛を読んだ。
実はこの作品の前に同著者の『愛の巣へ落ちろ!』を読んでおり、こちらも高校生ものではあるのだが…私の好みを知るバイトちゃんに「こんなの読んでるの~」と見せたら「熱でもあるんですか!?」と驚かれたことからもわかるように…え~と、私のキャパを軽々超えたお話でした(モゴモゴ。昆虫擬人化というファンタジー部分は楽しめたのだが、終盤の騒動がちょっと地雷だったの…)

さておき。
高校生ものを避けていた理由として、私は何度か大真面目に「永遠が見えないから」と書いたと思う。
若い彼らの「不自由な世界」の先に待ち受けている「広い世界」に思いを馳せては勝手に切なくなっていたのよね。
でも、永遠なんて大人だって見えないし、誓った永遠はその瞬間だけは多分きっと「永遠」なんだよ。
何が云いたいのかよくわからないけど、先日また一つ十代が遠くなった感傷なのかもしれない(笑)

そして薄々気が付いていたけど、私が学生ものを避けていたのは思春期特有の痛々しさから目を反らしたかったからというのもあるのだよね。先日の日野ガラス作品でも書いたが、学生ものの一部につきまとう「劣等感」を目の当たりにするのが怖かったんだ。と同時に、それを描かない学生ものへの不信感があったのだ(あくまで個人的な気持ちなので悪しからず)。年若い彼らの抱える葛藤がすべて「劣等感」と繋がっているわけでもないし、外的な困難に振り回される葛藤をメインに描く話だって多い。それでも、私のキーワードはソレなのだ。もちろん青春のキラキラがメインにくる話を否定する気はないです。う~ん、自分が読みたい話を読んでも苦しいし、そうでない話はもっと苦しいといえばちょっとは伝わるかな…。

子供の頃って、自分と他者の境界がとても曖昧だと思うのだ。
人それぞれに向き不向きがあって、残酷なことだけど能力には違いがあって、差がある。
自分が好きなものを人も好きとは限らないし、逆もまた然り。
そういう現実に、ゆっくりと、或いは唐突に気付く世代が持つ、特有の暗さ。そんな話を読みたいなと思ったの。
そしてそれが高校生モノの醍醐味であるのならば、私はそういうものを萌えとして消費出来る時期にきたのかもしれないなと思ったのだ。長い思春期だったということなのかな。
要するに、高校生ものをもっと読みたいな♪ということです(そんな結論

以下手短に感想(未満)です。

『八月七日』は、記憶喪失設定(BLでは多いですね)に三角関係にミステリーという山盛りな内容ながら、主人公が持つ強い劣等感に引き込まれて夢中になって読んでいた。嵐の夜に校舎の階段から転落した涼太は、それ以前の記憶を3か月分失ってしまう。しかしそれ以来夜な夜な男に抱かれて喘ぐ自分の夢を見るようになる。リアルな夢の感触に、実際に自分は男とセックスをしていたのだと確信した涼太は、その相手を探し始める。
合意か無理矢理かという論点で語りながらも若干ブレがちだったのは、涼太自身が男に抱かれる自分を「無理矢理された方がマシ」なのか「納得した上で寝た方がマシ」なのか、どうもよくわからなかったからかもしれない。物語は誰が相手だったのか?という謎を軸に展開する。候補は二人出てくるが、ミステリー要素はそんなに強くない。
私が三角関係が苦手なのは、「当て馬」が本当に当て馬でしかない場合が多く不憫だからというのは建前で、つい先日Aさんに指摘されたように、「1対1のガチンコ勝負」を常に求めているからなんだよね。今作の彼の存在は、正直に言えば当て馬以上の役割は果たしていないように感じた。でも、表面的に伺える部分と実際に付き合うことで知る部分のギャップという点では、本命の彼とそう変わらない描かれ方をされていて良かった。

良太は寝ていた相手に強い劣等感を抱いていた。少しの能力の優劣が果てしない違いに思えたり、少しの経験の有る無しに途方もない差を感じたり、同じような立場存在だと思っていた人間が段々と遠くなってしまう。その、悲しさと卑屈な気持ちから更に自分で相手を遠ざけてしまった涼太の気持ちがよくわかる。

それでも彼らは高校生なのだ。どんなに完璧に見える男だってカッコイイだけで済むわけがない。
「記憶喪失」という設定を超えて、涼太が劣等感から一度は見失ってしまった相手を再発見する過程を描いた話だと私は受け取った。良い高校生ものだったと思う。


***

もっと早く書くつもりが、思いがけず企画的なことをやってしまったので遅くなりました。
今月は更新熱がきているような気がする。もとい、読書熱が戻ってきている!
楽しみな新刊が続きます。いっぱい読めるといいな♪


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