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「吸血鬼と愉快な仲間たち3」

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木原先生はBL作家の枠を飛び出しています。
「BL界異端の大御所」と勝手に思っているのですが、「箱檻」も「美しいこと」も萌やら何やらを凌駕していて好きなのに読み返すことができません。(「美しいこと」の上巻は繰り返し読みましたけど)

たぶん私は木原先生のBLがあまり好きではないのです。人間を残酷なまでに正直に書いてみせるから。狡さや醜さも包み隠さずに。それが私にはちょっと痛い。それでも新刊が出るたびに読んでしまうのは、その物語の上手さ、意外性に魅了されているからなんですよね。そして自由に書くことを許され望まれるだけの才能が溢れている。凄いことだと思います。
本当に、いつ文芸誌に作品を発表してもおかしくないぐらい。
木原作品には、前提としての「コミュニケーションの不在」があるように思います。言葉が通じないとか、片方がとんでもなく馬鹿とか、とにかく普通に会話をするのも難しいような意思の疎通の困難。そこから徐々にコミュニケートの道が開けてきて、結果的に恋愛に至るという・・・「箱檻」以前の作品は未読なので違うかもしれませんが。「箱檻」の喜多川を筆頭に、「秘密」「無罪世界」「薔薇色の人生」「Well」「美しいこと」そして「吸血鬼」のアルに至るまで、その傾向は確実にあると思います。そこが、私が木原作品にBLとしての萌を感じない大きな理由の一つではあるのですが同時に、木原作品を既存のBLの枠から飛びださせている魅力でもあると思います。人と人がこんな風に関わって、こんな風に愛に至ることができるのかという奇跡を見せてもらっている気持になるんですよ。いや、大袈裟ではなく。

さて、そんな木原作品の中でも『吸血鬼』は純粋に「楽しい!」と思う作品です。今回3巻が出てもなお、BLではないけれど(笑)いつまでも恋に発展しなくても、気がついたらもっと大きな愛が生まれていそうな吸血鬼アルと暁と周りの面々のちょっと平凡ではない愛しい日々。
中途半端に血を吸われたために中途半端な吸血鬼として存在するはめになってしまったアル(米国人)。自分の意志とは関係なく昼間は蝙蝠、夜は人間の姿になってしまい、しかも牙がないため肝心の「血」を手に入れるのも一苦労。人間を傷つけることなど出来ないアルは、一人孤独に屠殺場の牛の血を飲み飢えを凌ぎつつ無為な日々を送っていた。ところがある日、輸出肉に交じって冷凍され日本へ来てしまったのだ。紆余曲折を経て、無愛想で怒りっぽいが実は心優しいエンバーマーの暁のもとで居候をすることになったアル。吸血鬼である自分を気味悪がらずに接してくれる暁にその馬鹿っぷりを罵倒され殴られつつも、心休まる幸福な日々を送るアルはいつしか暁への想いがLOVEであることを自覚する。しかし暁はその気がないどころか生きている人間と付き合う気がないような男。その頑なまでの拒絶にちっともめげることなくアルは今日も暁に愛を伝える―。

簡単に説明するとこんな感じです。3巻では暁が実はアルのことをとても大事に想っているのがバシバシ伝わってきてホワッとしますが、アルの置かれている状況にアル自身が決して不安がないわけではなく、むしろ不安と絶望に押し潰れそうな中で前向きに生きている(死んでいるけど)のがよくわかって切なくなりました。「自分が中途半端な存在だから暁は自分を側に置いてくれる。暁の側にいるためには心配されるような存在でなくてはいけなくて、完全な吸血鬼になった自分を暁は側には置かないだろう」バカな子だと思っていたアルがこんなことを考えていたなんて・・・。二人の関係はいつか恋人のようなことになるのでしょうか。っていうかエッチとかまでいくのでしょうか・・・。だって3巻でも軽いキスだけですし、暁が受けだろうけどちょっと想像出来ないぞー(笑)まぁ、頑なな子供のような殻を暁が破ってからが勝負なのかもですね。
ラブになってもならなくても純粋に楽しくて好きな作品です!どうかずっとコメディーっぽく明るい雰囲気のままでお願いします、木原先生。

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Author:yori
気がつけばいつもそばにBL.猫かぶってみても、結局たどりつくのはそこなのです。感想は基本的にすべてネタバレ注意です。拍手&コメントありがとうございます。拍手コメントは該当記事のコメ欄にてお返事いたします。リンクフリーですがご一報頂けると嬉しいです。

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