スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「光」(三浦しをん)

予期せぬところで同時に読んでいる本のテーマがかぶることってありませんか?
その本のことしか考えられないほど夢中な時って、自分の感覚が妙に研ぎ澄まされて普段なら気にしないような偶然も必然だと思いたくなってしまうというか。何が言いたいかというと、たまたま「読むぞ」と決めていた漫画と文芸書のテーマがたまたま同じだったんですね(漫画の方は知っていたけど)。
相乗効果で良い結果になることもあるのですが、今回は残念ながら9:1で漫画に軍配が上がります。文芸書の出る幕ではありませんでした。もし同時期に漫画を読んでいなければそれなりに心に残ったかもしれないのですが、これはタイミングが悪かった。

その漫画は『残酷な神が支配する』(萩尾望都)、文芸書は『光』(三浦しをん)。テーマは「暴力(と再生)」
漫画の方は追々感想を書ければと思いますが、まともなことが書ける気がしない。人の心が壊れる瞬間をこんなにも的確に表現すること、それは文字でも映像でもなくて「そうか漫画か」と震えがくるぐらいの衝撃でした。

三浦しをんはいつの間にか新刊買いの作家になったのですが、良くも悪くもこの人の作品は「漫画的」だと思うの。それが吉と出たのが『まほろ』『風が強く』『仏果』のコメディー要素が高い作品で、明るく熱いエネルギーが魅力であって、『私が語り始めた彼は』のような暗い話も好きだけど文芸性を損なうような暗いテーマではなかった。文芸性を損なうというのは私の勝手な解釈だけど、暴力、悪、殺人が主題の『光』はどこか「借り物」のような印象が拭えなかった。三浦しをんが書くのなら、もっと違う書き方があったのではないかという感じ。登場人物の誰にも救いがないのよね。だからといってノワール小説と言い切るほど徹底はしていなくて。結局帯の言葉を読んで想像した物語の範疇をあまりにも出ていなかったのでガッカリしているのだわ、うん。

天災ですべてを失った中学生の信之。共に生き残った幼なじみの美花を救うため、彼はある行動をとる。二十年後、過去を封印して暮らす信之の前に、もう一人の生き残り・輔が姿を現す。あの秘密の記憶から、今、新たな黒い影が生まれようとしていた―。

本を読む手は止まらなかったので語り方は上手だと思うんだけど、ずっと「どこかで読んだ気がする」感があり、東野圭吾の『白夜行』にちょっと似ているかも。突発的に訪れた天災という名の暴力は、信之をとてつもない暗闇に落とすけど、シリアルキラーのような彼の不気味さと深淵が見えてこなかった。普段と違う三浦しをんを読めたということで納得するとしますか。

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

yori

Author:yori
気がつけばいつもそばにBL

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。