「おれの墓で踊れ」(エイダン・チェンバーズ)

新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
サービス業も元旦ぐらいは休みにして欲しいですよ、まったく。
年をまたいで読んでいた般書の感想です。
初っ端なのにBLでもなく、グダグダな感想でアレですが・・・。


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16歳の少年ハルが、「死んだ友人の墓を損壊した」という罪で逮捕された。だが「なぜそんなことを」という問いに、ハルは答えようとしない。深夜、18歳で死んだ友人バリーの墓で、ハルは何をしようとしていたのか。バリーはなぜ死んだのか…。ハルが唯一信頼する教師オズボーンの勧めで書き始めた手記から、次第に、ハルとバリーの絆と破局、二人が交わした誓いが明らかになる…。法廷に任命されハルを見守るソシアルワーカーのレポートや、事件を伝える新聞記事等を織りまぜながら、最も残酷な形で恋を失った少年の混乱と再生を描く、心に響く青春小説。1980年代にヨーロッパ中の若者の心を捉え、今なお読み継がれている一冊。

〈サウスエンドみやげ〉をくれた―

10年以上前に読んで頭の隅にずっとあった一文。サウスエンドみやげの意味するものに惑わされて、当時の私はこの本をきちんと読むことが出来ていなかったと思う。あまりにも衝撃的で。たぶんあの頃の私は、耽美や同性愛の匂いを嗅ぎ取ることしかまだ許容範囲になくて、それが現実だという実感が乏しかった。男と男が愛し合って身体を繋ぐことが実際にあること。現実として把握出来たのはもう少し先だったのではないか。おそらく私はこの本を、『風と木の詩』よりも前に読んでいる。
この本が世界各国の少年少女に読まれているというのは結構凄いことだと思う。推薦、出来るだろうか?難しくないか?図書館のYAコーナーにひっそりと置かれていた本だが、奥付を見ると当時の新刊だったことがわかった。一人の少年の、恋愛と喪失、死と再生の物語。
説明するとあまりに簡単な物語なのだ。
主人公のハルは「乳兄弟」と呼べるような深い絆で結びつける友人を求めていた。実際ハルの求め方は友情以上の関係を望むものなのだが、ハルは自分の嗜好について作中で思い悩むことはあまりない。そして魅力的で発展家なバリーにナンパされて恋に落ちるのだが、バリーはハルの気持ちの重さに辟易して浮気をしてしまう。そしてケンカをして飛び出したハルを追いかけたバリーは事故に合って命を落とすのだ。話はバリーが死んで、その墓を荒らした罪で捕まったハルが二人のことを語る所から始まる。
正直私はこの小説がハルの性癖について明確に言及しないで比喩的、暗喩的な表現ばかりを使うのが不思議なのだが、これは「汲み取れ」ということなのだろうか。それとも「思春期特有の憧れからくる過ち」という意味も含ませているのだろうか。海外小説が苦手なのは著者の意向がわかりにくいからもある。あと、その国特有の文化や空気がわからないからわからないのではないか、というもどかしさがある点も苦手だ。サウスエンドが意味するものを、当時の私はもしかしたら歪曲して捉えていたのではと思って読み進めたのだが、そんなことはなく。サウスエンドみやげは男性器のことと考えて間違いないと思う。(なぜサウスエンドなのかは調べたけどわからなかった)
この物語の何よりも衝撃的なのは、恋愛関係にあったのがハイティーンの少年同士で、性交渉が普通に行われていてという部分だと思うのだけど、今回読んでみるともっときちんと読むべき個所がある話だったのだなーと気が付きました(当たり前)。
死んだらおしまいになってしまうのがバリーも怖かったのかな。それともバリーは死そのものに意味を付けるような「墓」というしきたりを冒瀆したかったのかな。それとも本当に意味はなかったのかな。「墓の上で踊る」という約束の意味するところを読者が考えるだけで、YA小説の意義は十分あるのかもしれない。
愛する人を突然失った悲しみや混乱に、読むのも息苦しくなるほどだったのだが、ラストで「ええっ!?」という展開があり・・・海外のティーンは進んでいるなぁなんて感想を持ってしまった自分が嫌だ(笑)ハルの最後の行動の意味と、その傷が本当に癒えたのかなんて今の私にもわからないけど、当時の私はたぶん理解不能で怒りを感じたのではないかな。
恋人のすべてを欲したくなるのは罪でもなんでもないし、奪うだけのような恋し方しか出来ないのが若さなのでは、とも思う。愛する人の死から立ち直るために綴られた文章には意味があったということ。新しい恋が傷を癒すのもまた真実だということ。
改めて読んで面白いなと思ったのが、ハル少年と両親の断絶っぷり。ハル少年は両親との意思の疎通を端から諦めているきらいがあって、学校の教授であるオジーや、バリーの浮気相手の少女の方が余程ハルを理解している。青春小説でこんなに親が不在な話も珍しいのではないかしら。

面白かったけど、高校生ぐらいから読むことをおススメしますね。
私のように関係ないところが気になって仕方がなくならないように(笑)

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